坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

シャヴァンヌ展

2014年02月01日 | 展覧会
シャヴァンヌは優しい色合いのギリシャ的雰囲気に誘われる画家です。
19世紀フランスを代表する壁画家として知られるピュヴイス・ド・シャヴァンヌ(1824-98)の展覧会が現在開催されています。
公共建築の大壁画の大作が多く残されていますが、移動できないということで、これまで本格的な展覧会が少ない画家でした。
本展の中でも注目したいのが、掲載の「諸芸術とミューズたちの集う聖なる森」という作品で、壁画バージョンはリヨン美術館の階段室を飾っています。
ギリシャかどこかの森の中のひらけた場所で女神たちが静かな時を過ごす様子は、この画家が生涯をかけて追求した理想郷としてのイメージが集結していて、幅2メートル以上の大作です。

◆シャヴァンヌ展/開催中~3月9日/Bunkamuraザ・ミュージアム