
巨大な深海生物達
山田 海人(かいと)
地球は水の惑星である。地球表面の7割は海、その平均水深は3,800mで水深200mより深い深海が海の大半を占めている。私たち人類は宇宙へ飛び出し、月へも11名が行ってきた。しかし、私たち人類は身近な深海のことをあまり理解していない。
深海は昼間でも太陽の光りも届かない暗闇の世界である。そこに棲む生き物は私たちの知っている陸上の動物の常識を超えた生き物で、深海の中で生活しやすい身体をしている。捕食者から見つからないように自分の影を消す発光器官を持っている。生息水深に留まれるようアンモニアなどで浮力を得ている。暗闇でも獲物を見据える大きく鋭い目を持っている。鋭い臭覚で仲間を探すなどの特徴を持っている。そして幾つかの生き物は深海の巨大症と呼ばれるほど大きな体形を誇っている。
クジラの仲間のマッコウクジラは、地球最大の肉食獣として知られている。体長18mもあるマッコウクジラは、今では200万頭も生息していると言われ、深海のイカとして知られているのがダイオウイカ(体長18m)を好んで食べている。
マッコウクジラは、海面で深く息を吸い込むと1時間以上も息を止めることができ、オスでは水深1,000mから3,000mも潜ることが分かってきた。この1時間には、深海へ潜る時間、深海から上昇する時間を引いて残りの時間で、ダイオウイカを見つけ、近寄ってダイオウイカをしびれさせる衝撃音を発する、しびれたとは言え大きなダイオウイカと格闘して小さな口から大きなダイオウイカを吸い込んでしまっている。
マッコウクジラは、歯クジラなのでイルカ同様に音を使って獲物を探す能力があり、海面で深く息をする前に、すでに餌の存在を確認しているようである。
マッコウクジラの身体を見ると大きな吸盤の跡が残っているが、これがダイオウイカとのバトルの跡である、18m同士の超重量級のバトルは私たちの想像を絶する戦いで、深海では決着せずに海面に上がってきても続けられた目撃例も残されている。
これまではダイオウイカが世界一大きくなるイカと思われていたが、2003年に新たに南極の深海から体長20mを超えるとおもわれるダイオウホウズキイカが見つかっている。この2本の蝕腕には大きな爪があってダイオウイカの吸盤より高い攻撃力が確認されている。
ダイオウイカのような超大物は別としても、人を驚かせる大きな深海生物は他にもいる。
タコにも体長9mにもなるジャイアントオクトパスが北太平洋には生息していて、頭と呼ばれる部分だけでも3m以上あり、口のカラストンビもバケツ大の大きさである。タコも肉食なので遭遇したダイバーを震え上がらせた報告も残されている。
相模湾、駿河湾の深海に生息するタカアシガニは腕を伸ばすと5mを超える大きさになり、世界一の大きなカニとして人気者である。
小さくてかわいいと評判のダンゴムシは1センチほどだが、大西洋、インド洋の深海には体長50センチほどになるダンゴムシの仲間、ダイオウグソクムシが生息している。持ち上げると2キロ近くにもなり、これが怖くてダイビングが始められないと言う婦人も多い。
プランクトンを食べる深海のサメにメガマウスと呼ばれる珍しいサメがいる。口も大きく、5mを超える身体は柔らかく、これまで世界で50匹程度しか見つかっていない希少種だ。日本の周りに生息しているようで日本で比較的多く見つかっている。
海洋の大半を占める深海は、最近の潜水船や深海ロボットの発達でようやく様子が分かりはじめた地球最後のフロンティアである。
今回ご紹介した巨大生物以外にもまだまだ大きな深海生物が発見される可能性は高く、若い科学者の関心が高い。
山田 海人(かいと)
地球は水の惑星である。地球表面の7割は海、その平均水深は3,800mで水深200mより深い深海が海の大半を占めている。私たち人類は宇宙へ飛び出し、月へも11名が行ってきた。しかし、私たち人類は身近な深海のことをあまり理解していない。
深海は昼間でも太陽の光りも届かない暗闇の世界である。そこに棲む生き物は私たちの知っている陸上の動物の常識を超えた生き物で、深海の中で生活しやすい身体をしている。捕食者から見つからないように自分の影を消す発光器官を持っている。生息水深に留まれるようアンモニアなどで浮力を得ている。暗闇でも獲物を見据える大きく鋭い目を持っている。鋭い臭覚で仲間を探すなどの特徴を持っている。そして幾つかの生き物は深海の巨大症と呼ばれるほど大きな体形を誇っている。
クジラの仲間のマッコウクジラは、地球最大の肉食獣として知られている。体長18mもあるマッコウクジラは、今では200万頭も生息していると言われ、深海のイカとして知られているのがダイオウイカ(体長18m)を好んで食べている。
マッコウクジラは、海面で深く息を吸い込むと1時間以上も息を止めることができ、オスでは水深1,000mから3,000mも潜ることが分かってきた。この1時間には、深海へ潜る時間、深海から上昇する時間を引いて残りの時間で、ダイオウイカを見つけ、近寄ってダイオウイカをしびれさせる衝撃音を発する、しびれたとは言え大きなダイオウイカと格闘して小さな口から大きなダイオウイカを吸い込んでしまっている。
マッコウクジラは、歯クジラなのでイルカ同様に音を使って獲物を探す能力があり、海面で深く息をする前に、すでに餌の存在を確認しているようである。
マッコウクジラの身体を見ると大きな吸盤の跡が残っているが、これがダイオウイカとのバトルの跡である、18m同士の超重量級のバトルは私たちの想像を絶する戦いで、深海では決着せずに海面に上がってきても続けられた目撃例も残されている。
これまではダイオウイカが世界一大きくなるイカと思われていたが、2003年に新たに南極の深海から体長20mを超えるとおもわれるダイオウホウズキイカが見つかっている。この2本の蝕腕には大きな爪があってダイオウイカの吸盤より高い攻撃力が確認されている。
ダイオウイカのような超大物は別としても、人を驚かせる大きな深海生物は他にもいる。
タコにも体長9mにもなるジャイアントオクトパスが北太平洋には生息していて、頭と呼ばれる部分だけでも3m以上あり、口のカラストンビもバケツ大の大きさである。タコも肉食なので遭遇したダイバーを震え上がらせた報告も残されている。
相模湾、駿河湾の深海に生息するタカアシガニは腕を伸ばすと5mを超える大きさになり、世界一の大きなカニとして人気者である。
小さくてかわいいと評判のダンゴムシは1センチほどだが、大西洋、インド洋の深海には体長50センチほどになるダンゴムシの仲間、ダイオウグソクムシが生息している。持ち上げると2キロ近くにもなり、これが怖くてダイビングが始められないと言う婦人も多い。
プランクトンを食べる深海のサメにメガマウスと呼ばれる珍しいサメがいる。口も大きく、5mを超える身体は柔らかく、これまで世界で50匹程度しか見つかっていない希少種だ。日本の周りに生息しているようで日本で比較的多く見つかっている。
海洋の大半を占める深海は、最近の潜水船や深海ロボットの発達でようやく様子が分かりはじめた地球最後のフロンティアである。
今回ご紹介した巨大生物以外にもまだまだ大きな深海生物が発見される可能性は高く、若い科学者の関心が高い。