ワンピースまんがぱうち(レビュー・ネタバレ)

ワンピースをまとめながら、フラグとなる詳細を記録しつつストーリーを追っていきます。

166話 ルフィ VS ビビ (砂漠の町ユバ-7)

2015年12月16日 | アラバスタ編
 




カジノの一室で、バロック・ワークスのエージェント達が「ユートピア計画」の打ち合わせが終わったタイミングで、その計画にストップをかける者が現れた。
それは、「リトルガーデン」で死んだはずのMr.3であり、”麦わらの一味”と王女ビビを取り逃がし任務失敗してしまったが、再度のチャンスが欲しいとクロコダイルに直談判にやってきたのだ。

だが、その話に驚いたのはクロコダイルであった。電伝虫で「任務完了、海賊とビビを片付けた」とMr.3から聞いていたからである。


Mr.3から詳しい話を聞いたMr.2ボン・クレーは、ここでようやく海の上で出合った陽気な海賊達が組織の敵である事を知った。幸いその"4人組と1匹"の【マネマネの実】のコピーをとっていたボン・クレーは有利に事が運べる、とニヤリとした。


クロコダイルは、このユートピア計画に、些細な邪魔も許さなかった。計画は確実に遂行されねばならず、間違えても王女ビビが、反乱軍リーダーのコーザを止めるようなことがあってはならないのだ。クロコダイルは、エージェント達に新たな指令を追加した。
「王女と海賊どもを決して『カトレア』へ入れるな!!!ビビとコーザは絶対に会わせちゃならねェ!!!」





エージェント達は新しい任務を加えて、『ユートピア計画』の最終仕上げへと向った。
「楽しんできたまえ」クロコダイルはそう言ってエージェント達を見送った。

だが、見送ったエージェントの中にMr.3はいなかった。任務を失敗したMr.3をクロコダイルは許さず、クロコダイルの飼う、凶暴なバナナワニの巣へと落とされたのだった。




一方、ユバの町を出た砂漠の”麦わらの一味”は、立ち往生していた。
肝心のルフィが「やーめた」と言ったきり、座り込んで動かないのだ。
ルフィは怒ったような顔でビビに言った。「つまんねぇ。おれはクロコダイルをぶっ飛ばしてェんだよ!!!反乱している奴らを止めたらよ・・・クロコダイルは止まるのか?その街に着いてもおれ達は何もすることはねェ、海賊だから居ないほうがいいくらいだ。」


「お前はこの戦いで誰も死ななきゃいいって思ってるんだ!!国の奴らも、おれ達もみんな!!"七武海"の海賊相手で、もう100万人も暴れだしている戦いなのに、みんな無事ならいいと思ってるんだ!!!甘いんじゃねェのか」

この話に、”麦わらの一味”は、口を挟まなかった。
ルフィが珍しく正論を突いていたから。
ビビも確信を突かれたことはわかっていたが、命を助けたいという思いだけは曲げられないと必死で反論した。
「何がいけないの!?人が死ななきゃいいと思って何が悪いの!!?」


ビビは、ルフィが「人は死ぬぞ」と言った時、反射的にルフィにビンタをくらわしていた。
「やめてよ!!今度言ったら許さないわ!!!今それを止めようとしてるんじゃない!!!反乱軍も!!!国王軍も!!!この国の人たちは誰も悪くないのに!!!!なぜ誰かが死ななきゃならないの!!?悪いのは全部クロコダイルなのに!!!」


立ち上がったルフィは、興奮覚めやらぬビビの顔を殴った。
「じゃあ何で"お前"は命賭けてんだ!!!この国を見りゃ一番にやらなきゃいけねェ事ぐらいおれだってわかるぞ!!!お前の命1個で賭け足りるもんか!!!」


この国を想って命を賭けているのは、ビビだけではない。囮となって死んでいったイガラムのおっさんも、ユバのおっさんも、この国で暮らす大勢の国民はその命を張って国を想っているのだ。それでも皆の命を守りたい、誰も死んでほしくないと思うビビ。
ビビとルフィは互いの信念を曲げることが出来ず、ぶつけあい、馬乗りで殴り合っていた。




「じゃあ一体何を賭けたらいいのよ!!!他の賭けられるものなんて、私、何も・・・!!!」


ルフィはビビの肩をしっかりと抱き、ビビの目をまっすぐに見ながら言った。
「おれ達の命くらい、一緒に賭けてみろ!!!仲間だろうが!!!!」
その言葉にビビは絶句し、気付けば大粒の涙がこぼれ落ちていた。




ボロボロと流れ落ちるビビの涙を見て、ルフィは安心したように言った。
「なんだ、出るんじゃねェか、涙」


ビビは言葉を出なかった。ルフィの言葉があまりに意外だったこと、あまりに優しかったこと、あまりに切なかったこと、自分の事を見ていてくれたこと、心配していてくれていたこと、仲間だと思っていてくれていたこと、国を想う気持ちをわかってくれていたこと・・・・・
共に闘う覚悟を持ってくれていたこと・・・ルフィ達麦わらの一味の命を懸けさせねばならないこと・・・・イガラムのこと・・・ずっと悔しかったこと・・・ずっと悲しかったこと・・・・・その全ての感情が一気になだれおち、涙が止まらなかった。
涙を我慢していたことすら忘れ程に我慢していた涙は、一旦出るととめどなかった。

「本当はお前が一番くやしくて、あいつをブッ飛ばしてェんだ!!」




ルフィはビビとのケンカで砂漠の砂の上に落とした麦わら帽を拾い、被りなおしながら言った。
「教えろよ、クロコダイルの居場所!!!」




”麦わらの一味”は皆船長の決意に同意し、それぞれの覚悟を決めた。





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