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ワンピースまんがぱうち(レビュー・ネタバレ)

ワンピースをまとめながら、フラグとなる詳細を記録しつつストーリーを追っていきます。

164話 国が好き (砂漠の町ユバ-5)

2015年12月14日 | アラバスタ編





ビビと、トトの出会いは11年前に遡る。

11年前のある日、王宮の国王の元に、ある村の少年「コーザ」が涙ながらの直談判にやって来たのが始まりだった。「おれの村は枯れました。どうして助けてくれなかったんだよ!!」




国王とて、天候という自然の力はどうすることもできない。国王のコプラは、対策として干ばつの被害にあった村人の生活をアルバーナに移し、その生活を国が保障すると提案したが、少年コーザは「お前なんかに村のみんなの気持ちがわかるもんか!!!」と王に言い捨てて、走り去ってしまった。その少年コーザの父が、トトであった。

王は恐縮するトトに、優しく言葉をかけた。
「いい子じゃないか。彼は”村のみんなの気持ちが”と言った。村人達の為に彼はここに乗り込んで来たのだ」とその気持ちと行動力を褒め称えた。


アラバスタは大きな国だが、乾燥した気候で、決して裕福な国ではなく、村人達への生活補償は、王自身の生活費を削って捻出するつもりであった。国民は国を思い、国王は国を思う。アラバスタはそんな国であった。


幼き王女ビビは、首都アルバーナに住むようなった少年コーザ達と、毎日のように遊びまわった。時にはリーダーの座を賭けて決闘をすることもあり、おてんばな王女ビビはコーザ率いる「砂砂団」の副リーダーの地位を獲得した。




王女ビビは、トトおじさんの家でご飯を食べたり、子供達と野山を駆け回ったりして王女らしからぬ子供時代を過ごしていた。
王はそんな娘の様子に満足していた。「ビビに友達が出来た。いずれあの子がアラバスタを背負って立つ為に一番大切なことだ・・!!」
王国の護衛隊長「イガラム」は、そんな国王の志に惚れていた。


そんなある日、王女ビビを誘拐しようと企てる男達がいた。コーザ率いる「砂砂団」はその計画にいち早く気付き、子供達でビビを守ろうと男達にとびかかった。「ビビ逃げろ!!!こいつらお前を狙ってるんだ!!!」




ビビを誘拐しようとする悪者達に、「砂砂団」はひるむことなく立ち向かった。「ビビを渡すもんか!!!死んでも守れ!!!砂砂団!!!」
コーザは、悪党の刃物にも脅しにも屈することなく立ち向かっていき、片目をざっくりと斬られたと同時に、悪党の一人をこん棒で殴り飛ばした。だが、それは他の悪党どもを本気で怒らせることとなった。

絶対絶命のビビとコーザを救ったのは、他でもない、国王コブラであった。
「おんどれァ、コラ!うちの子に何さらしてくれとんじゃオォ!?このチンピラがァ!」
この声に反応して、悪党の残党を一掃したのは、王国の護衛を担う「チャカ」と「ペル」であった。


王宮に戻ったビビは、怪我をしたリーダーや仲間の横で泣きじゃくった。悪党が怖かったんじゃない、リーダーが「死んでも守れ」と言ったことが怖かった・・・。「死ぬなんて言わないでよ、リーダー・・・!!!」



命懸けで友を守る砂砂団達、友を失うことが何より怖いと言ったビビ、国王やイガラム、トト・・・その場に居た大人達は次世代のアラバスタの安泰を確信した。



王は、コーザ少年に聞いた。「・・・この国は好きか?」
少年はまっすぐに王を見て答えた。「うん、生まれた国だ!!」
王はその少年の答えに、満面の笑みで「私もだ」と答えた。

ビビ王女は人の上に立つ者としては優しすぎる、と心配するイガラムに、王は自信に満ちた顔で「イガラムよ・・いいのだ。アラバスタはこれでいいのだ」と伝えた。イガラムもまた満足気に「お供しましょう、この命尽きるまで」と答えた。
アラバスタは平和だった。


その後、トトとコーザは国王の提案で、無人のオアシス「ユバ」に町を開く開拓者として、ユバへと引っ越して行った。アラバスタ西部に町を作る!それが出来ればこの国のどれほどの人達が喜ぶかと思うと、コーザ少年はいてもたってもいられなかった。
別れの日、コーザはビビに約束した。
「すげェ町を作って、おれ達がこの国をもっと潤してやるさ!ビビ、お前は立派な王女になれよっ!!!」



それが11年前の話だった。

だが、今、そのユバの町は砂漠に呑みこまれて人の住めない枯れた町となっていた。
やせ細ったトトは、震えながら言葉を続けた。「何度も、何度も何度も止めたんだ!!だが、反乱は止まらない。反乱軍の体力も、もう限界だよ・・次の攻撃で決着をつけるハラさ・・・もう追いつめられているんだ・・・死ぬ気なんだ!!!頼むビビちゃん・・・、あのバカどもを止めてくれ!!!」



その頃「カトレア」の町の反乱軍の本拠地では、反乱軍のリーダー「コーザ」が一人考え込んでいた。「・・・・・この国はイカレちまった・・・」その目の横には、ビビを助けたときに斬られた傷跡があった。



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