
オアシスの町「ユバ」は、「エルマル」同様にいまにも砂漠に沈むゴーストタウンになっていて、ビビは愕然と立ち尽くした。

呆然と立ち尽くすルフィ達に声をかけた老人がいた。その老人は、一人でフラフラになりながらひたすら砂を掘っていたが、その手を止めて精気なく言った。「旅の人かね。すまんな、この町は少々枯れている・・・。だがゆっくり休んでいくといい・・・」

ビビは顔を隠して「この町には反乱軍がいると聞いて来たのですが・・」と老人に聞くと、老人は烈火のごとくに怒り出した。「貴様ら!まさか反乱軍に入りたいなんて輩じゃあるまいな!!・・・あのバカ共なら、もうこの町にはいないぞ・・・反乱軍は「カトレア」に本拠地を移した・・。」
「カトレア」とは、港町「ナノハナ」の隣のオアシスである。
それを聞いたビビ達一行は言葉がでなかった。限られた時間の中、一体何の為に苦労してここまで来たのか・・・。
老人は、一行の中に「ビビ」と呼ばれる女性がいることに気付き、「ビビちゃんなのか!生きていたんだな、よかった。私だよ、わからないか!?」と言われて、ようやくそのやせ細った老人が「トトおじさん」であることに気がつき、同時にこの町に何が起こったのかを悟って息を呑んだ。

トトおじさんと呼ばれた老人は、目に涙を浮かべてビビに話しかけた。
「私はね・・・ビビちゃん!国王様を信じてるよ・・!!あの人は決して国を裏切るような人じゃない・・・、そうだろう!!?反乱なんてバカげている・・!!あのバカ共を・・・頼む!!!止めてくれ!!!!」
トトは、そう言ってビビの前で泣き崩れた。

※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます