サニー号は随分深く沈み、じょじょに太陽の光が届かない暗い海へと景色が移った頃だった。
突然海賊船にぶつかられたとか思うと、”海賊カリブー”がシャボンを越えて乗り込んできた。4億越えの”麦わらの一味”の首を獲って、自分の名を世に知らしめる算段だった。
だが、ナミはカリブーの海賊船を曳く海牛に見覚えがあった。アーロン一味に飼われていたモームだ。
モームはナミを思い出すと同時に、ルフィやサンジに酷い事をされた事も思い出して、一目散に逃げて行ってしまった為、結局サニー号に乗りこんできたのは、カリブー只一人だった為、あっさりと捕獲された。
サニー号は順調に沈み続け、「表層海流」の下層部に到達し、水温が下がり肌寒くなってきていた。
この先は更に潜ると「表層海流」とは異なる「深層海流」という海流層に到達する。
それら二つの海流は途切れることなく繋がって循環している為、表層海流が落ち込む「下降流」に乗って深海へと進んで行くことになる。
「深層海流」の流れは遅く、一度海底にもぐりこむと次に陽のあたる海面に出るのに二千年の歳月がかかると言われていた。
その為、未知の海流には数々の伝説があるのだ、と年長のブルックが皆に教えた。
そうこうしているうちに、サニー号の行く手に、巨大な滝が現れ、海水が轟音をたてて流れ落ちていた。
この先がどうなっているのかはわからないが、とにかく進もうとする”麦わらの一味”に、捕らわれのカリブーが助言した。
「すぐに引き返せ!!下に”怪物”がいる!!殺戮に飽きる事を知らず、船を狙って大海原を駆け巡る悪魔!人間の敵!!あれはクラーケンだア!!!」
たしかに下降流の底に、巨大すぎるタコがいて、その手に何隻もの船が無残に握り潰されていた。
カリブーはこんな所で死にたくない!!と喚いたが、ルフィは「おれ、いい事考えた!」と満面の笑みで笑った。
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