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そんなわけで、ガイコツの正体もわからぬまま、ルフィはガイコツを仲間に引き入れてしまった。
驚いたのは、船に残っていた仲間達だった。
「ヨホホホホ!!ハイどうもみなさん、ごきげんよう!!私この度、この船でご厄介になる事になりました"死んで骨だけブルック"です!!どうぞよろしく!!!」
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ナミとサンジは、ルフィの暴走を止められなかったことをゾロに叱られたが、時すでに遅し。
ブルックはその陽気な物言いで、自然にかつ強引に一味に馴染んでいった。
「お料理楽しみですね、私ここ何十年ろくな物を食べていないので、もうお腹と背中の皮がくっつく様な苦しみに耐えながら毎日を生きていたのです。お腹の皮も背中の皮もガイコツだからないんですけども!!!ヨホホホ!!!!」とジョークを飛ばすと、サンジはそんな空腹な奴を見捨ててはおけなかった。
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食事が済んで改めてブルックの素性を聞くと、ブルックは元海賊で、数十年前に航海の最中にこの海域で恐ろしく強い海賊に出くわして全滅し、その時に一度死んでいるのだと言う。
だが、ブルックは生前に【ヨミヨミの実】という悪魔の実を食べていた為、魂が「黄泉の国」から現世に戻ってきたのだ。
生きている時には何の役にも立たなかった【ヨミヨミの能力】が、死んだ後に"蘇る"という形で発揮されたのだ。
死んですぐに自分の体に戻れば「生き返る」はずが、霧の中で戻る体を捜すのに難航し、一ヶ月後に見つけた自分の体はすでに白骨化していたために、ガイコツとして復活したのだと言う。
ガイコツなのにアフロなのは、毛根が強かったためらしい。
「おばけは大嫌いで、そんなの見れば泣き叫びます」と言うブルックに鏡を見せると・・・ブルックの姿は鏡には写らず、おまけに影もなかった。
ブルックは話を続けた。
自分がガイコツである事と、影がない事は別の話で、"影"は数年前にある男に奪われ、影が奪われた者は、直射日光を浴びると体が消えてなくなってしまうのだと言う。
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「つまり私は光に拒まれる存在で、仲間は全滅、"死んで骨だけブルック"です!なのにコツコツ生きてきました!骨だけに!!!ヨホホホホホ!!!ヨホホホホホ!」
そんな散々な人生なのに、やたら明るいブルックに一味が呆れていた頃、ブルックの漏らした言葉に一味は黙った。
「今日はなんて素敵な日なんでしょう!!!人に遭えた!!!この霧の深い暗い海で、たった一人舵のきかない大きな船にただ揺られてさ迷うこと数十年!!
私、本っっ当に淋しかったんですよ!!!淋しくて怖くて!!死にたかった!!!!
長生きはするものですね!!!私にとってあなた達は"喜び"です!!ヨホホホホ!!!」
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それからルフィに向き直って言った。
「あなたが私を誘ってくれましたね、嬉しかったです、どうもありがとう。だけど断らねばなりません。私は影を奪われ、太陽の下で生きてはいけません。私はここに残り、影を取り返せる"奇跡"の日を待つことにします!ヨホホホホ!!!」
ルフィは「何言ってんだよ、水くせェ!!だったらおれが取り返してやるよ!!!誰に取られた!?」と聞くも、ブルックは答えなかった。
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「さっき会ったばかりのあなたに、私の為に死んでくれなんて言えるはずもない。それより楽器を奏でましょう、私は音楽家をやってましたから」と言ったとき、ブルックは悲鳴をあげた。
壁からゴーストが出てきたのだ!!!
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と同時に大きな振動がして、一味が甲板に出てみると、そこは居様な光景に包まれていた。
海の前方は大きな"口"のようなもので閉ざされ、船の後方にはいつの間にか島があったのだ!!!!
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ブルックは「もしやあなた達、流し樽の罠に手を出しましたね?その時から狙われていたのです。これは海を彷徨うゴースト島、『スリラーバーク』!!!この島は遠く『西の海(サウスブルー)』からやってきたのです。」
ブルックはひらりと船首に立つと「あなた方は今すぐ後ろにそびえる門を何とか突き破り、"脱出"してください!!!絶対に海岸で碇など下ろしてはいけません!!!私は今日!!あなた達と出会えてとても嬉しかった。おいしい食事!!一生忘れません!!」と言い残して、海を高速で走り渡って島に上陸し、消えてしまった。
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すぐにブルックの忠告どおりに脱出を!という一味の思いをよそに、"船長"は行く気満々で笑っていた。
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