
1番GRの人類オークションでは、売りに出された海賊の船長が、舌を噛み切って自殺する一幕もあった。
「繊細な計略家として知られた懸賞金1億700万ベリーの海賊船長ラキューバ」だった。
一生奴隷として、人馬や労働、サンドバックとして人に飼われて悲惨な人生を生きるくらいなら、ここで死んだ方がマシ。
だが、海賊船長として生きた一人の人間の死は、すぐに”処理”されてそんな事はなかった事として、オークションは続いた。
ゾロと接触のあったチャロス聖も、人魚を買いたいとして、遅れてオークション会場に到着した。

今日の目玉商品、捕獲が極めて珍しい人魚の出品に、オークション会場はどよめき、拍手喝采に沸いた。
しかも可愛らしい若い女の人魚である。

ナミが全財産の2億を出す前に、『天竜人』が5億の1声をあげ、会場は静まり返った。

5億の大金にではなく、『天竜人』という絶対権力と競り合うことが出来る人間など、全世界を探してもいないのだ。
チャロス聖は、今飼っているピラニアと人魚を水槽内で追いかけっこさせて遊びたい、とワクワクした。
力づくで奪い返すにも、ケイミーの首輪の起爆装置があり、『天竜人』の手に渡れば手出しが難しくなる。
サンジやナミが顔色を変えて、事態に唖然とする中に、トビウオに乗ったルフィとゾロが飛び込んできた。

状況を知らないルフィが、一直線にケイミー救出に向かうのを、ハチが力づくで止めた。
下手をすればケイミーが爆発して死ぬ!
だが、慌てたハチは魚人である事が周囲にばれてしまい、会場はさらに大騒ぎとなった。
会場の人々は口々に「気持ち悪い!海に帰れっ!存在が恐い!近寄らないで!!」と汚いものを見るようにハチを蔑んだ。
そこまでしてもルフィを止めようとしたハチが、ルフィの背後で銃弾に倒れた。

撃ったのは、天竜人、チャロス聖。
「魚人を自分で捕まえたぞえ!タダで奴隷が手に入った」と無邪気にはしゃぐチャロス聖に、ルフィは怒りを覚えた。

だが、血まみれのハチがルフィを止める。
「待ってくれ゛・・!麦わら!!!だめだ、怒るな・・・おれがドジッたんだ・・・。
目の前で”誰かが撃たれても”天竜人には逆らわねぇって約束しただろ・・どうせ俺は海賊だったんだ!!悪ぃ事したからその報いだ・・・。ゴメンなぁ、こんなつもりじゃなかったのになぁ・・・!!ナミに・・ちょっとでも償いをしたくて・・・、おめぇらの役に立ちたかったんだけども・・・・結局、迷惑ばっかりかけて、ゴベンなぁ~」とハチは泣いて謝った。


そのハチに、チャロス聖は「ベラベラ喋ってむかつく」という理由で、再び銃を向けた。
怒れるルフィを、誰も止められない。ルフィは『天竜人』をぶっとばした。

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