
5人いる七武海の4人はそれぞれ足止めされている。
突き進むルフィの前に立ちはだかったのは、残る1人の七武海、「鷹の目のミホーク」だった。
ミホークは、以前”麦わら”の船員であるゾロを負かし、その未来に期待を繋いだことがあったし、友人シャンクスが肩腕をくれてやっても惜しくない”未来”だとルフィに目をかけている事は知っている。
「悪いが赤髪・・・この力慎みははせんぞ。さて運命よ・・・あの運命の申し子の命、ここまでか、あるいはこの黒刀からどう逃がす・・・!!」とつぶやいて刀を抜いた。

ルフィは、ミホークが自分が適うような相手ではないし、もしも対決したなら相当な苦戦を用いられることもわかっていた。今はこんな強いのと戦っている場合ではないと悟ったルフィは、ミホークと距離をとり、混乱の戦闘に身を隠しながら先へ進んだ。

だがミホークは、いかに遠い空の上からも茂みの中の1匹のネズミの居場所を的確に掴む鷹のように、戦乱の中のルフィの動きを見逃さず、遠距離から強烈な斬撃を繰り出してルフィの体を斬ってきた。簡単に逃がしてはくれそうなにない。

ルフィは圧倒的な力差のその剣を、ギリギリで交わすだけで精一杯で、もしも剣に触れることがあれば確実に命はない。下手に手を出したなら、腕を切り捨てられる事は本能が感知する。

逃げてばかりでは、エースのいる処刑台から離れるばかり・・・、ルフィは戦乱に吹き飛ばれて宙を舞うバギーを捕まえると、自分の身代わりにバギーを置いて逃げた。

だがバギーが相手になれるわけがなく、ただ単に斬られても死なないだけのこと。
”麦わら”のピンチを確認した白ひげ1番隊隊長マルコは、ビスタに麦わらの援護に入るよう指示した。
白ひげ海賊団の5番隊隊長「花剣のビスタ」、この剣の達人の男の名はミホークもよく知っていて、力は互角、完全に足止めを喰らった。

”麦わら”はまんまとミホークの黒剣から逃げ、その運命は先へと進ませた。
ミホークは思う。 (”麦わら”の能力は「能力や技じゃない、その場にいる者達を次々に自分の味方につける、この海においてあの男は、最も恐るべき能力を持っている・・・!!)と。

刻々と迫る処刑時刻を前に、次々と明るみになった衝撃的な事実、
鉄壁の大監獄インペルダウンでまさかの200人を超える大脱走劇と、戦場へなだれ混む名だたる凶悪囚人達、
民衆の目の前に映し出されるのは、まるでこの世とは思えぬ光景、世界の歴史を塗り替える程ののさに頂上決戦!!
世界中はただ息をのみ、ここに託された揺れ動く未来を見守る事しかできない。
湾内での大乱闘最中、センゴク元帥の元に「準備が整った」との連絡が入り、センゴクは世界へ放送している電電虫の中継を切るよう指示をだした。
これから起きる惨劇を世間に見せるには刺激が強すぎ、また、海軍への不信を招く恐れもある。数時間後、世界に伝わる情報は、海軍の「勝利」、その2文字だけでいいのだ。

開戦より約1時間半の死闘を経た頃、海軍が大きく仕掛ける。
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