眺めのいい部屋

人、映画、本・・・記憶の小箱の中身を文字に直す作業をしています。

『何者』

2017-03-10 17:39:15 | 映画・本

取りとめのない「ひとこと感想」その28。

メモには、「観たときの印象が鮮烈! 私が全く知らないことばかりを満載した(大都会に暮らす現在ただいまの”学生”たち、演劇サークルにバンド・サークル、短期海外留学、何より今どきの”就活”、そしてネット上での自分自身・・・などなど)ような映画で、どれくらいを原作が担っているのか知りたくなって、帰りに書店で文庫本まで買ってしまった」などと。

作り手は元々劇作家で舞台演出も手がける人。この映画の主人公も、まさにそこで「夢」を追うか「就職する」か、進路に迷っている若い人。映像的にも「舞台」を思わせるようなところがある(と思う)のだけれど、その「作り物」感もネット社会の虚構感?に相応しいというか・・・終始感心して?観ていた記憶がある。

キャストの良さ(就活生たちを演じたのは皆「今が旬」な俳優さんたち)もあって、とにかく久しぶりで「新しい」日本映画に出会ったような気がしたのだと思う。

もっとも・・・私はコロッとダマサレた観客の一人(^^;。主人公(佐藤健)が、(あの嘘の吐けなさそうな顔?で)まさかあんなことをしているとは想像もしてなかったせいで、話の全貌が理解できたのはかなり遅くなってからだった。(理解できても信じたくなかったのかなあ。でもああいう「イケズ」さっていうのは、物書きには大事な資質だとは思うんだけれど)

ラストの就職試験(面接)の結果は、映画ではわからないままになったけれど、終わって歩き出した主人公の足取りは、それまでよりはほんのちょっとだけ確かなもの?に見えて、エールを送りたくなったのを今も覚えている。

 

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