外出できない時期に、家にこもってBSやのWOWOWで映画を探していると、びっくりするような作品に出会うことがある。
この映画のことは、以前新聞の映画紹介記事で知った。さっとナナメ読みしたところ、「引っ越してきたある夫婦が、偶然出会った夫の昔の同級生から、次々と不可解なギフトを贈られるようになる。最初は好意的に接していた夫婦も、だんだん薄気味悪くなって・・・」という感じで、スリラーとかサスペンスに入る映画のようだった。
けれど・・・私がそのとき興味を持ったのは、そういった物語の内容ではなくて、映画の一場面の画像だった。中央に立っている男性が「不気味な元同級生」らしいのだけれど、私にはなぜかそういう人には見えなくて・・・大人しくて素朴な雰囲気の人が、ちょっと困惑しているというか、途方に暮れてる?風情に見えた。
いつか機会があったら、この人をちゃんと見たい・・・そう思ったので、今回番組の放映予定表に見つけたときは嬉しかった。「ホラーは苦手だけど、サスペンスくらいは大丈夫だよね」と自分に言い聞かせて、早速観てみると・・・
いや~~思った通りといえばその通り。途中までは、先の筋が全然読めてなかった気もするけど(^^;。
何より「思ったとおり」だったのは、「不気味な元同級生」を演じた俳優さん(ジョエル・エドガートン:どうしてもエジャートンと呼びたくなる)から受けた印象。物語はどんどんエスカレートして、終盤はトンデモナイような展開になるのだけれど、この人(もちろん役作りした上での)は、やはり「悪いヒト」には見えなかった。
なので、私の眼に映った『ザ・ギフト』という映画は「復讐」を描いた作品ではなく、「贖罪の機会を与え続ける」(そしていちいち無視されたり裏切られたりする)人間の物語だった・・・ということになる。
もちろん、スリラーとしてもよく出来ていて、映画館で観ていたら悲鳴を上げたんじゃないか(マジ)・・・というような場面もあった。脚本がよく考えられている上に、演出の控えめさ(品の良さというか)が逆に「怖さ」を盛り上げるので、追い詰められていく「妻」の心境に、ごく自然にシンクロナイズしてしまうのだ。
エドガートン以外のキャストも適役で、「夫」(ジェイソン・ベイトマン)は色々な意味で「ああいう人、いるよね」と思わせるし、「妻」(レベッカ・ホール)の繊細な表情からは、終始目が離せなくなるし・・・。
妻の方には夫に気を遣わざるを得ない事情があり、夫も決して横暴一辺倒ではない、妻を彼なりにとても愛している風情がある。それが脚本上きちんと作られているので、妻の「成長物語」としても良くできていると思った。
単なるストーカーものとか「奇妙な隣人」モノなんかとは全然別種の作品で、残虐シーンは全く無く、しかも「人を翻弄する」とはどういうことなのか、「人生には悪いことが多々起きる。しかし人生における良いことは、悪い出来事から生まれる」とか、「人は過去を忘れるけれど、過去は人を忘れない」とか・・・人を考えさせるだけの深みもある内容だったと思う。
タイトルの「ギフト」という言葉の意味も凄いけれど、映画のラスト、エドガートンが肩の治療用ホールダーを無造作に外して残していく、その意味(彼の「嘘」の程度というか)をどこまでのものと受け取ったらいいのか・・・「悪いヒト」には見えなかっただけに、ゾッとしたのだけれど・・・それでもやはり、彼は「夫」だけにしか「闇」は残さなかった筈・・・と思う。
エドガートンは、脚本、監督、製作も担当していて、とにかくこの人の才能!に驚かされた。次はどんな映画を作るんだろう。
見たいリストに入れました。
最近はTUTAYAにも借りに行かなくなってしまって、もっぱらamazonプライムで配信されてる中から選んで観てる感じで
なかなか面白い‼︎って映画に出会えていないです。
ギフトは興味深いので
検索してみますね〜(*゚∀゚*)
ありがとうございますm(_ _)m
「面白い!!って映画に出会えない」のは、家で映画チャンネルを見渡して
「これ、どんなかな~?」って試してる私も一緒ですぅ(^^;
この『ザ・ギフト』も、お気に召すといいんですが。
(こればっかりは、時間使って観てハズレだとイヤになっちゃうのに
実際観てみないとワカラナイという・・・)
でも、amazonプライムにありますように。
気に入るかどうかは別(最後の「ギフト」がイヤだという意見もあるかも(^^;)としても
久しぶりに、「映画として面白く出来てる」作品に会えたと(私は)思ったので。
更年期さんも、また面白い映画に出会ったら、教えて下さいね。
(あ、小説まだ読み終わりません。読むの遅くてゴメンナサイ(^^;)
私、間違えて『ギフト』を検索して、全然別のが出てきて驚いたことがあります。
こちらも有名な映画(2000年製作)らしくて
もしかしたら面白いのかもしれませんが(まだ観てないヒト)。