先月の終わり近く、私は62歳になった。といっても、(前に書いたように)数字はあんまり気にしたことがない。年齢を書類などに書き込まなければいけないときにも、「1954年生まれだから、今年は・・・」と、いちいちアタマの中で計算しないと間違えたりする(実話~)。
誕生日についても、毎年本人は忘れているのが普通で、家族もあまり特別なコトはしない方が・・・と気を使ってくれる?らしく、普段は(覚えていた人だけが)「お誕生日おめでとう」と言ってくれるくらい。(もちろん、ケーキが現れたり、プレゼントが用意されてたりすることもあるけど)
ところが、今年の誕生日には珍しい経験をした。
その前3週間ほど、私がいつになく「元気」だった・・・というだけのことかもしれないけれど、私は(もしかして生まれて初めて?)自分で思ったのだ。
「あ、(そういえば)今日は私の誕生日だったんだ」
若い友人のひとりはそういうことに律儀?なところがあって、起きてくる早々丁寧にアタマを下げ、「おめでとうございます」。
でも、他の家族は、ケーキを宅配に頼んでくれていたにもかかわらず何も言わないので、気になってちょっと聞いてみた。
「お誕生日おめでとうって、今年は言ってくれないの?」
家族はシブイ顔をして黙っている。
若い友人の方がドギマギしたようにフォロー。
「 本人(私のこと)があんまり気がないみたいだから、特別さわらない方がいいのかな~とか。だって、別におめでたいとか思ってないでしょ?」
「う~ん、それがね・・・なぜか今回は、『あ、誕生日が来たんだ。(ウレシイな~)』みたいな感じがしたんだよね。こんなこと、今まで思ったことないのに」
若い友人は眼を丸くして
「へぇ~そーなんだ。ビックリした(笑)。でも、それはそれでいいこと・・・なのかな?」
「うん。たぶん。あと何回来るかもわからないし・・・とか、そーゆーのでもないし」
すると、黙って聞いていた家族は、ひとことずつ区切るように
「62回目の、お誕生日、おめでとう、ございます」
「62回目」というところが特に大きな声だったので、ニブイ私も漸く気がついた。彼は、「誕生日(年を取る)なんて、今はもう嬉しくないだろう」という風に、気を使ってくれたのだ。年齢(老いること)に鈍感な私は、そういう気分がよくわかっていなかったので、ちょっと前の彼の誕生日には、いつも通り「おめでとう」と言ってしまい、「あんまりおめでたくもないかも(苦笑)」と言われたのを、やっと思い出した。
(その後、家族からは外国のミステリーの本をプレゼントに貰った。私は無神経なコト言っちゃって悪かったな・・・と反省した(^^;)
まあ・・・家族の反応はともかく、私は自分が自分の誕生日をちゃんと認識?したこと、しかもちょっと嬉しい(ような)気分になったことに、自分でもビックリしたのだ。
ケーキや花を前に、祝ってもらうような場面でも、私は正直「嬉しい」とは思ったことがなかった。(あくまでそういうセレモニーの一種といった気分だったので、私の好みを考えたプレゼントが用意されていたりすると、自分が素直に嬉しいと感じられないことが、申し訳ないと思った)
その一方で、自分以外の人については「おめでとう!」と本気で思った。その人が生まれてきたからこそ、自分は知り合うことが出来た。それが「ほんとに嬉しい」という風に感じたからだ。
私は、私という人に対して、「知り合えて良かった」と、少しは思うようになったのだろうか。
年と共に、自分がいかにショーモナイ人間かということが、自分の前にさらけ出されてきている毎日・・・という気がするけれど、ここまで色々なコトが外気に晒されてしまうと、逆にそれらの些末さ、他愛なさを、安心して愛でる?気持ちになれるのだろうか。
長年の間、さして興味も持たなかったけれど、それでも身近にはあった数々のモノたち。その一つがやっと眼に入った?・・・そんな気がした「私の誕生日」だった。
素直にご自分の誕生日を嬉しく思えるのは、とっても幸せな事ですね。
先輩達がそうやって、年齢を重ねる事を
マイナスに受け取らないと
私も60代になる事が嫌じゃなくなります。ムーマさんにとって良い1年になりますように(^ー゜)
お誕生日コメント、嬉しいです。
いい1年~♪になりそうな気が俄然してきました。
私も「年齢を重ねることをマイナスに受け取らない」年上の友人がいて
知らず知らずのうちに、その人の影響を受けたのかも・・・って
更年期さんの言葉で初めて気がつきました。
(ゲームとメタルとアメフトが好き!という人です(^^))
更年期さんはお嬢さんが身近におられていいですね。
オシャレの話が出来る相手がいると楽しいし
気持ちも若くいられるんじゃないかなあ・・・って想像します。
(うちは身なりを構わないヤツばっかり(自分も)で
気は若くても外見が一番正直に年を取りそう・・・などなど)
あはは、つまんないオシャベリしてしまいました(^^;
来て下さって本当にありがとうございました。
ムーマさん今読んだけれど誕生日が少し嬉しくなったて、すてきですね。お誕生日おめでとうございます。
そうゆう時間を共有出来る人が居ると言うのは、素敵なことだな〜と思うようになりました。
まさか自分がこーゆーコト思うようになろうとは・・・
なあんてことが、これからチョコチョコ出てくるんでしょうか。
でも、なんにせよ「そうゆう時間を共有出来る人が居るというのは
素敵なこと」なんだと私も思います(^^)。
でも、来年の誕生日にどう思うかは・・・ワカラナイ。(たぶん全部忘れてる)
そういう風、「ドリー」度が進むのも含めて
年を取るのもオモシロイ・・・なんか、そう思うようになりました(^^)。