富士市を中心の郷土史

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富士市今泉の昔話(105)

2014年05月24日 10時48分43秒 | 昔話
富士市今泉の昔話(105) 今泉付近の年譜(13)

此の間次の興味の3点が在る。

  1) 報徳社の発足。
    二宮尊徳の逸話は子供の頃教え込まれ、薪を負って
    本を読む銅像が学校に在り、眼に焼き付いている。
    その尊徳の教えに寄る報徳社が各地に結成され、遠
    州で盛と聞いているが当地にも流れが在った。子供
    の頃亡父嘉一が中村氏等近在10名程と時々報徳講の
    名の会合を持った事を覚えている。資料は探し得て
    いないが後日纏めを期したい。
  2) 用水路の整備。
    今泉村の東部一帯は高地で水が無く無住だったと思
    はれるが、1540年義元が善得寺及び善得寺城え
    の用水を原田の中島より得てより開発が進んだよう
    である。詳細は善得寺の水利として記述している。
    揚げ水として水路により配水地まで導き、此処より
    水路と竹樋により善得寺を潤した。善得寺が焼かれた
    後は、領主となった梅雪が新しい入植者に用水を整
    備したと思はれる。此の竹樋は「今泉宝鑑」にも今
    川時代の物として記が在る。此の年譜では明治10
    年に竹樋改修の記が在り、明治27年には土管によ
    る整備が行われ、なんにしても400年以上義元の
    用水が今泉東部の生活を支えてきたことは由々しい。
  3) 植林地(ふじ檜)の始め。
    富士山南麓に内山組合が設立され、明治25年初め
    て杉、松、檜による植林が行われた。是は現在の
    「富士ひのき」の源流であり、富士林業地の発端と
    いへる。発足時に「金原明善」の指導のもとに家祖
    「嘉平」の活躍が在り、別記して見たい。
     写真は大正植え付けの樹齢90年余の檜です。





年次   西暦    事項
明治24 1891 1月。教育勅語謄本を小学校に下付さる。
          (吉原)
          1月8日。教育勅語謄本を役場より受領す。
          而して1月10日奉読式を挙ぐ。(原田)
          1月23日。村と富士製紙株式会社との間
          に汚水問題に関する契約成立す。(伝法)
          5月16日。ロシア皇太子遭難に付き見舞
          電報を打つ。(原田)
          5月22日。聖上御西下。鈴川駅頭にて役場
          員、教員児童らこれを送迎す。(原田)
          8月14日。潤井川支川用水路に関する伝
          法村島田村組合設置の許可下りる。(伝法)
          9月13日。暴風雨。雨量が多く各水路が氾濫した。(市)
          10月28日。午前6時35分地震ありしも幸いにして人
          畜に被害なし。(伝法)
明治25 1892 3月。修業年限4カ年の尋常小学校とす。(今泉)
          3月。西柏原に設置せし分校を廃す。(元吉原)
          4月1日。鈴川郵便局開設さる。(鈴木長太郎氏の田子の
          浦史)電信事務開始の事ならん。
          4月。村立柏原尋常小学校新設さる。
          4月25日。石造眼鏡水門竣工す。(タテ12尺ヨコ12
          尺高さ10尺メガネ幅4尺ずつ、起工明治25,3,7の物)
          (伝法)
          5月。神戸分校を廃止し、其の児童を鵜無ガ淵尋常小学校に
          委託す。
           (今泉)
          6月7日。原田村立原田尋常小学校と改称。(原田)
          6月。吉原郵便局、電信事務を開始す。(吉原)
          10月30日。両陛下の御真影拝受。(原田)
          今泉村外5カ村組合の土地即ち内山組合林に始めて杉、松、
          檜を植ぅ。(原田)
          2カ年の高等小学科程を併立す。(須津)
          明治天皇、皇后の御真影の複写を小学校に対し許さる。
          (吉原)
          日本赤十字社静岡支部吉原町島田村組合分区事務所開設。
          初めて社員を募集す。(吉原)
          21カ村組合、率先して植林を始む。年々5町歩~10
          町歩植林する計画に基ずきてなり。又一般村民を勧誘し開
          墾畑作を行わしむ。(今泉)
明治26 1893 1月7日。吉原区栽判所設置。登記事務並びに民刑事事
          務を始む。(吉原)
          2月26日。午後1時中桁に火災発生し19戸56棟焼
          失す。未曽有の大火と言わる。(伝法)
          県令第33号を以て種痘細別定めらる。これによりて毎年
          春秋2期に種痘を実施す。(元吉原)
          今泉農会創立。(今泉)
          12月16日。富士報徳先行社組織さる。報徳精神の普及
          と実践の社なり。(今泉)
明治27 1894 1月。旧幕臣にして本村に移住開業の医師藤田昌庵は、明
          治10年開通の竹樋用水路廃絶のため住民難渋の状を見て、
          自ら主唱者となり日夜奔走し土管埋設によって引き水せん
          との計画を立て、賛成者漸増に力を得、万苦を超克遂に工
          事着手に至る。(今泉)

庭には「浦島草」が糸を垂れ、「踊り子草」が姫踊り子草と共に繁茂している。 


















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