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口は災いの"素"

音楽テクニカルライター布施雄一郎のポジティブなネガティブ語録/独り言編

John&Paul Kazukoh

2007-08-09 11:44:29 | 取材

2時就寝、7時起床。

昨夜の『カリキュラ祭』から一転、
今日は朝から緊張気味。

そう、つい3日前に『もし取材ができるようであれば…』なんて書いた
加藤和彦さんと坂崎幸之助さんの新ユニット『和幸』の取材が、
急転直下、本日行われることになったのです。

ということで、絶対遅刻しないように、早め早めに準備万端!

…だったのに、出掛けの玄関でバッタリ某訪問販売の兄ちゃんと鉢合わせ。
押し問答しているうちに、ああ、予定していた電車に間に合わない…。


   ま、試供品くれたからイイか( ̄w ̄)ぷ


そんなこんなで、結局汗だくになりながら、
当初予定していた乗換えルートを大幅に変更して、
予定時間の11時45分に無事、六本木一丁目のコロムビア本社に到着。

ここから、都内某所の加藤和彦さんのプライベート・スタジオへ
レコード会社担当の方と大移動。

ほぼ1年前の昨年9月、再々結成ミカ・バンドの取材でも
加藤さんのプライベート・スタジオを取材させていただきましたが、
そこからスタジオ移られたとのことで、今回が初訪問。

必要最小限の機材がシンプルにまとめられた、
実に効率的かつ実用性の高いスタジオです。


   もちろん、すべての機材が超一流品。
   それ以上に、部屋の装飾が、スタジオの域を遥かに超えたハイ・センス。


ため息が出てしまうとともに、
動き回って機材や装飾品にぶつかってしまわないか、緊張しっ放し。
こういう時って、ナゼだか息を止めてしまうんですよね ^^;)

スタジオ外の廊下には、英国EMIから贈られたと思われる
ミカ・バンドの『HOT! MENU』のプラチナ・レコードが飾られていました。


   *****


スタジオの取材は基本撮影のみで、昼過ぎに一度解散。

僕は渋谷に行って、道玄坂のロイヤルホストでしばしお仕事。
ファミレスがこんなにウルサイとは思わなかった。

そして18時30分に、再びコロムビア本社へ。
ここから、加藤和彦さんと坂崎幸之助さんへのインタビューです。

お二方とも、日頃僕らがテレビやラジオで見聞きするのと
まったく同じ雰囲気でお話いただけるので、

何かこう、自分と話しているのではないかのような、
とても不思議な感覚に陥ってしまいます。

今回のこのアルバム『和幸:ゴールデン・ヒッツ』は、
先日の制作発表会の記事にも書いた通り、
60年代中盤~70年代の世界の名曲を彷彿とさせる、
極上の大人のユーモアに満ちた作品です。

一聴すると、すぐに『あ、サイモン&ガーファンクルだ!』とか、
『これは、ビートルズのサージェント・ペパーズじゃナイですか!』など、
もうこのサウンドとこの響きはアレ!的な要素が散りばめられているのですが、

具体的にメロディーを頂いてきているわけではないのです。
あくまでも、精神をカバーした作品と言えるでしょうか。


例えば、奥田民生さんがパフィーに書いた作品っていのは、
あれは


   上品なパロディー


ですよね。
それに対して和幸は、


   贅沢なユーモア


と言えるんじゃないでしょうか。


それと、加藤さんと坂崎さんのコンビと言うと、
2002年に再結成した『ザ・フォーク・クルセーダーズ』
での競演を思い浮かべる方も多いでしょう。
でも、それと『和幸』は、明らかにサウンドが違います。


   フォークルは、日本のフォーク。
   和幸は、洋楽。しかも、古臭くない、新しい音。


これは、音を聴いてもらえれば、すぐに感じられると思います。
そんなサウンドがどのようにして作られたのか。

そこにはやはり、坂崎さんの膨大な音楽的知識と、
フォークル、ミカ・バンドと数々の斬新なサウンドを生み出した
加藤さんのスタジオ・ワークがありました。

ここの部分を、9/9発売のサウンドデザイナー誌で
深く掘り下げてみたいと思っています。


長い時間、取材にご対応いただき、ありがとうございました。


   *****


以下、おまけ。

アルフィー・ファンのみなさんにとっては、
坂崎さんが作曲している(Kazukoh名義)、エレキを弾いているというのも
大きなニュースのひとつでしょう。僕も驚きました。

その点を質問してみたところ、
坂崎さん的にはそれほど特別なことではなかったようで、

『僕はエレキ出身ですから。酒屋の息子だからアコギを買っただけで(笑)』
『熱帯魚を見ながら"ポール・サイモン降りてこい!"って曲を作りました(笑)』

と、笑いながら話していただけました(^◇^)

そうは言っても、『モノリス(70年代に和幸がドラッグ・カルチャーに
毒されていた頃の作品。という架空の想定 ^^;)』での
加藤さんとのギター・バトルは、注目ですぞ!?


なお、和幸オフィシャル・サイトに
先日の制作発表会のダイジェストムービーがアップされています!

■オフィシャルサイトはコチラ
■ダイレクトに動画を見る場合は、コチラ


また、西日本新聞のサイトにも、上とは別編集の
記者会見動画がアップされていましたので紹介しておきます。

西日本新聞/九州ネット/芸能動画ニュース
■ダイレクトに動画を見る場合はコチラ


#そう言えば、井筒監督の名前って、和幸(かずゆき)なんですよね( ̄w ̄)ぷ
#井筒さんのお弟子さんによるミカ・バンドの映画も楽しみです。

『和幸:ゴールデン・ヒッツ』9/12発売
COCP-34499 ¥3,150(税込)