京浜東北線が止まる中、19時半に、代々木へ。
『なぜアーティストは生きづらいか?』投げ銭トークイベント。
この本の著者の一人である手島将彦さんの「誰にだって、大切にしていること、こだわっていることがあって、それをバカにしちゃいけない。もっと大事にしたい」という言葉。今、いろんなことに通じる、まさに大事な視点だと思いました。
そして、せっかくの機会ですので、この本について、少々(全然。少々じゃないですが・笑)
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タイトルに、"アーティスト"、"生きづらい"と、なかなかインパクトの強い言葉が使われていますが、内容としては、「自閉症スペクトラム」や「アスペルガー症候群」といった「発達障害」について、分かりやすく紹介/解説されている書籍です。
こういった病名が出てくると、ハードルが高そうに感じるかもしれませんが、平たく言えば、
・どうしても時間を守れない人
(逆に、過剰に時間に厳しい人)
・特定分野には異常なこだわりを持つ一方で、それ以外の分野には無関心/常識に欠ける人
・空気を読めない人
などなど、いわゆる『面倒クサい人(あるいは、ファンキー野郎^^;;;)』の中には、単に「やる気がない」「根性がない」「常識外れ」「ダメはヤツ」といった話ではなく、軽度な発達障害が起因している可能性があること、そしてそういう人が、なぜそういった『面倒な振る舞い』をしてしまうのかといった理屈が、精神科医師の本田秀夫氏と、専門学校ミューズ音楽院・新人開発室室長の手島将彦氏による対談形式を主として記載されています(もちろん、本当に「ダメはヤツ」は、根本的にダメですよ^^;;;)。
これが実に、僕にとっては、本当に"目からウロコ"の内容でした。
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僕は当初、仕事相手の大半がミュージシャンだから、こういう知識も得ておこう……という「相手を知る」目的で手に取ったのですが、いざ読み始めたところ、むしろ自分の長所・短所を分析してくれ、それ見つめ直すような内容で、気付きの連続でした。
「だから自分はこれが苦手なのか」
「ここにどうしてもこだわってしまうのは、こういう理由なのか」
相手を知るよりも、無自覚の自分を知ることができ、まさに、自分の"取説"のように感じました。もちろん同時に、「相手を知る」目的としても、いろんな人の顔が浮かびましたが(笑)。
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ただ、この本は、『だから、こうするといい』『こう接したらいい』といった解決策が提示されているわけではありません。そうではなく、まず「そういう人がいるんだ」ということを知ることの大切さ、それが書かれています(具体的な解決策は、おそらく次のステップになるのだと思います)。
たとえば、仕事仲間や上司/部下、学生の中に、(ごく軽度な発達障害が起因して)どうしても遅刻してしまうヤツがいたとしたら、遅刻する理由までは納得できなくても、「理由があるんだ」ということを知ることで、彼との対応の仕方や接し方など、「コミュニケーションの根本的な在り方を自然と考えることができるでしょ?」といった提案的な内容と言えます。
そしてポイントは、こうした事例って、音楽とは無関係に誰にでも当てはまる内容だということです。だって、「空気読めないヤツ」や、「必ず遅刻するヤツ」って、普通に周りにゴロゴロいますよね(笑)。
そもそも音楽業界って、意外とちゃんとしてるんですよ。世間的には、「変わってるヤツの集団」みたいな印象があるかもしれませんが(苦笑)、大学、一般企業、そして30代から音楽業界へと身を置いてきた僕の経験談としては、大学やサラリーマン時代の方が、よっぽど「変わったヤツ」は多かったです(笑)。
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そういう個人的な経験談もあって、タイトルにある「音楽」「アーティスト」にあまり重きを置かず、広くたくさんの方に読んで欲しい内容ですし、「自閉症スペクトラム」や「アスペルガー症候群」を知って欲しいと思った次第です。
特に、学校の先生とか、一般企業の人事や管理職の人など、人をマネージメントする人や、サポートする人、教育する人には、是非とも読んでいただきたいと思っています。ちなみにこの本、僕は書籍版を90分ほどで読めました。それくらい、結構ライトな内容です。
なお現時点ですと、Kindle版が421円と非常にお得です(割引期間がいつまでか分かりませんので、読んでみたい方は、速攻DL!)。もしご興味がありましたら、ぜひこの機会にどうぞ!
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最後に、著者である手島さんのブログも紹介しておきます。
このテキストも、併せてお読みください。
◇2016年06月30日
NAGESEN MEETING 「音楽がなくても死なない」が…。
http://blog.livedoor.jp/monday_friday/archives/62585622.html