口は災いの"素"

音楽テクニカルライター布施雄一郎のポジティブなネガティブ語録/独り言編

ロック写真の巨人たち

2007-08-11 13:25:11 | YMO &more

3時就寝、8時起床。

寝起きのまますぐに仕事に取り掛かって昼過ぎに終わらせ、
細野さんの生誕60周年記念Tシャツを着て、
どたばたと原宿のKDDIデザイニングスタジオへ。

ヤッコさんこと、高橋靖子さんはホストを務める


   『午後3時のトークショー ~表参道物語~ Vol.8』


に行って来ました。

今年の4月、幸宏さんがゲスト出演したときに
このトークショーに初めて行ったんですが、

これがなかなか面白いイベントで、
またぜひ行きたいなぁ~、と思ってたんです。

で、今回、当初は布袋寅泰さんが出演する予定だったんですが、
とある事情で直前にキャンセルとなりまして ^^;)

そのこと自体はニュース等で知っていたんですが、
急遽、布袋さんに代わるゲストとして急遽企画されたのが、


   伊島薫、井出情児、鋤田正義、平間至、三浦憲治、
   ハービー・山口、信藤三雄、君塚太


という、超豪華なメンツ。
そう、先日このブログでも紹介した


   『日本ロック写真史 ANGLE OF ROCK


の写真家、アート・ディレクター、そして編集者のみなさんです!
すげぇ~!棚ボタ企画!( ̄□ ̄;)

この写真集は大好きで、1カット1カットをじっくり見て、
そして解説文も一字一句読んていたので、
そのカメラマンのお話が聞けるとあって、大喜びで行ってきました。


幸宏さんの動画は、コチラ(ヤッコさんの写真をクリック)で見れますよ!


   *****


このれだけ豪華なトークショーなんですが、
事情が事情ですから、僕ですら前々日に初めて知ったくらいで、
開場時間ちょい前に会場にたどり着くと、観客はまばら。

ちょっと心配しましたが、開演時間には、
立ち見も出るほどの大勢の人が集まっていました。

当初は、鋤田正義さんや三浦憲治さん、そして信藤三雄さんあたりから
YMOネタが聞けるかも、というミーハー心理で参加したのですが、

やはりいずれの方もロック写真の巨人ですから、
それ以上に、何倍もの興味深いお話を伺えました。


お話の内容は、まあ、放送禁止ネタもあったりして
ここには書けないネタも多いんですが ^^;)

個人的には、それぞれの写真家のキャラクターを知ることができたことが、
とても面白かったし、最大の収穫でした。


   巨匠という言葉がピッタリの鋤田正義さん。

   この人自身がロックなんだなぁ、と感じさせる伊島薫さん。

   非常にユーモラスで遊び心たっぷりな三浦憲治さん。

   緻密でアカデミックな雰囲気を漂わせるハービー・山口さん。

   単なるロック好きとはひと味違った視点で切り込もうとする伊島薫さん。

   そして、新しいロック写真を追求している平間至さん。


う~ん、これらの巨人たちのお話を伺ったうえで、
この写真集を見ると、また1枚の写真の味わい方が変わってきます。

そんなたくさんのお話の中で、非常に印象的だったこと。
それは、多くの写真家が、


   80年代前半から、カメラを向けるとミュージシャンが
   自らポーズを取るようになってきた。


という、『ミュージシャンがカッコよさを意識し始めた時代』と語った一方で、
アート・ディレクターの信藤三雄さんだけが、


   80年代以前は、本当の意味で
   ミュージシャンがカッコよかった


という、『レンズを見ないカッコよさ、見て下さいと言えないカッコよさ』
ということを話していたのが、とても印象的でした。

布袋さんのファンの方々は残念だったでしょうけど、
僕にとっては、このうえなく贅沢で、勉強になった貴重な時間でした。


   *****


せっかくなので、オマケをひとつだけ。

YMOファンなら、誰もが知っている写真集『SEALED』。

これは、三浦憲治さんが撮影した作品ですが、
中でも有名なのが、3人の姿を石に焼き付けた、あの写真ですよね。

実は、この写真を見たとある方から、
『一緒にビジネスをしませんか?』と誘われたんだそうです。
その相手とは…


   墓石業者さん


だったそうです( ̄w ̄)ぷぷぷ


■YMO『SEALED』 小学館 1984年