配信リリースされたMrs. GREEN APPLEの最新曲「クスシキ」を聴きました。
◆Mrs. GREEN APPLE「クスシキ」⇒https://lnk.to/MGA_kusushiki
とにもかくにも、第一印象として全編に渡ってベースがすごい。しかも、明らかにミックスバランスも大きい。どう考えても、このベースにキーポイントがあると思う。そのベースラインをどうやって組み立てたのかに興味津々。
基本的にMrs.GREEN APPLEの楽曲は、すべて大森元貴さんが作詞・作曲・編曲を手がけているので、彼のアイデアなのか。だとしたら(ベーシストではない大森さんがこのフレーズを編み出したのだとしたら)純粋に、それってすごいなと思うし、さらにバンドメンバーにはいないベースをバッキングの主役にもってくるあたりの発想(あるいは意図)をぜひ聞いてみたい。
一方で、サポート・ベーシスト(推測するに二家本さんかと思うが、現時点ではクレジットがないのであくまでも想像)に主導権を委ねてこのベースラインが出来たのだとしたら、それ自体はそこまで驚くものではないものの(特にセッション・ベーシストであればこのくらいのベースラインを作り出しても不思議ではない)、「大森さんが、サポートメンバーに主導権を与えた」という部分で、とても興味深く。
なぜかというと、繰り返しになるがMrs.GREEN APPLEの楽曲はすべて、細部に至るまで大森さんの意志が宿っているわけで、そこをメンバー以外のミュージシャンに委ねるということは、これまでMrs. GREEN APPLEを取材し続けてきた自分からすると驚くべき新発想だと感じる。それに、フレーズ(ベースライン)をサポートメンバーに委ねるということは、良くも悪くもそこにサポートメンバー個人の"色"が出てくるわけで(逆に言えば、個人の"色"が出てこないと面白くないし、委ねる意味が薄まってしまう)、それにGOサインを出した大森さんの思惑にも、とても興味が湧いてくる。
つまり、どういう作り方をしたにせよ、この楽曲が生まれた過程は、非常に興味津々だ。
それに、基本的にこの楽曲は、3人&Dr&Bsの音でアンサンブルが構成されている。和テイストの音色も散りばめられてはいるものの、例えば壮大なストリングスだったり、エレクトロ的なプログラミングのサウンドはほぼ皆無。あくまでも5人で再現しうるバンドサウンドで構築されている点も注目だ。
超絶ベースラインとバンドサウンドへのこだわり。きっとここに、Mrs. GREEN APPLEが「クスシキ」に込めた意志が宿ってるはず。さらに言えば、大森さんが主演をつとめた映画『#真相をお話しします』主題歌「天国」との対比も、とても面白い。
いまや日本でトップクラスの多忙さを極めるMrs. GREEN APPLE。彼らに取材できるチャンスが訪れるかどうかは神のみぞ知るだが、チャンスがあれば、ぜひとも直接話を聞いてみたい。