moving(連想記)

雑文(連想するものを記述してみた)

「賢いオッパイ」という本を斜め読み・・・

2005-05-18 | エッセー(雑文)

「賢いオッパイ」という本を斜め読みした。
作者は女優の桃井かおり。
その独特の感性からつづられる文章は面白い。
役者という一般人とは異なる感性を、役者仲間の言葉と
して語る。それも潔くあの世にいってしまった仲間だから、
有無を言わせない語り口だ。 恐るべき言説!!
人と人との関わりを常に念頭においてる感性は、
その身体観にともない、微妙なエロティシズムを喚起させる。
タイトルからも推察されるように、オッパイが重くなったとか
3センチ下がって、ファッションの着こなしが塩梅よくなったとか、
自分の加齢にともなった変化を、嘆くのではなく、楽しんでる風情が、
伝わってくる。生を謳歌してると言えばいいのかもしれない。
なにげなくだが、「僕を探して」(シルヴァ・スタイン著)
という絵本を思い出した。
まん丸ではないため、上手に転がることができないので、
ぴったりのかけらに出会う旅にでる。
そこで、かけらと出会い、はめてみるが、花の香りをかいだり、
しゃべれない、歌も歌えなくなってしまって、
結局かけらをそっとおろし、再び自分探しの旅に出ていくという物語。
安易に自己完結するのではなく、常によりよい自分へと、
チャレンジする精神のようなものを感じた。
常に何かに関心をはらい続ける態度を、アンガージュしてるような態度
(無関心とは、あるはずの関心が欠如した状態だそうだ)を感じた。
桃井かおりという女優は、ある意味実存という哲学に、
近い態度で生きてるんだなと・・・思ってみた。