ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

キース・スウェット Keith Sweat - I Want Her(1988年の洋楽 Part14)

2024-04-11 20:00:00 | '88年洋楽
1988年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart14は、Keith Sweatの"I Want Her"。最高位は4月2日付の第5位。年間チャートは74位。デビューシングルが大ヒットになりました。

Keith Sweatですが、ニューヨーク出身のR&B歌手、シンガー・ソングライター。
音楽活動を開始したのは70年代半ばから、R&Bグループに所属しながら活動し、80年代半ばからはソロでの活動も開始します。

80年代には、GQというR&Bグループに参加。GQは、79年に、"Disco Nights"ともう1曲Top40ヒットを持っていますね。Keith Sweatの叔父さんがGQのオリジナルメンバーだとのこと、ただ、Top40に入ったのは70年代後半ですので、Keith Sweatは、このヒット後にGQに加入したとのことです。

そのKeith Sweatですが、87年になって、Teddy Rileyのプロデュースのもと、ソロでのデビューアルバム『Make It Last Forever』をリリース、そのアルバムからのファーストシングルがこの曲"I Want Her"で、最高位5位を記録する大ヒットになりました。

"I Want Her"の曲の作者はKeith SweatとTeddy Rileyの共作、プロデュースも、この二人が務めています。

鍵となるのはプロデューサーのTeddy Riley。R&B界の新しい音楽「ニュージャックスウィング」を広めた人で、まさにそのニュージャックスウィングを世に広めたのがこの"I Want Her"のヒットです。

「ニュージャックスウィング」というのは、ブラックミュージック特有のファンキーな音楽に加え、軽快なスピード感と親しみやすいメロディーが特徴のサウンド、だそうです。

この"I Want Her"を聞いた時には、ん?スティービー・ワンダー?に似ている、と思いましたが、スティービー・ワンダーをもうちょっと軽く、おしゃれにした感じでしょうか。

Teddy Rileyは、80年代中ごろから、ブラックミュージックの新しい動きとして、ジャム&ルイスなどとともに一大ブームとなります。
あのMichael Jacksonも、1991年にリリースした『Bad』の次のアルバム『Dangerous 』では、Quincy Jonesと別れ、アルバムの半分ほどはTeddy Rileyのプロデュースでの曲作りになっています。

R&Bの新しい動きとはなっていますが、70年代から80年代のソウルミュージックも感じさせる、メロディアスな曲で、聞きやすい、親しみやすい曲になっています。
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ビルボード Billboard All American Top40 1988年4月9日付 デビー・ギブソン Debbie Gibson - Out of the Blue

2024-04-07 20:00:00 | 1988年ビルボードTop40
1988年ビルボード Billboard All American Top40、1988年4月9日付、1位の交代がありました、3位から上がって1位はBilly Oceanの"Get Outta My Dreams"。Billy Oceanですが、初めてのTop40ヒットが1976年の"Love Really Hurts Without You"、そこから8年後に突然"Caribbean Queen"がNo.1ヒット、それから大ヒットを連発、この曲で10曲目のTop40ヒットで、5曲目のTop5ヒット、"There'll Be Sad Songs"に続く3曲目のNo.1になりました。

2週間の1位からダウンして2位はMichael Jacksonの"Man In The Mirror"。アルバム『Bad』からは、この曲が4枚目のシングルですが、ファーストシングルの"I Just Can't Stop Loving You"からこの曲でついに4曲連続の1位となりました。Michael Jacksonのソロヒットとしては、通算21曲目のTop40ヒットで15曲目のTop5ヒット、これで10曲目のNo.1ソングとなりました。

3位は4位からアップ、Debbie Gibsonの"Out Of The Blue"。Debbie Gibsonですが、ニューヨーク出身のポップス歌手兼ミュージカル女優。デビューシングル"Only in My Dreams"がいきなりの4位を記録、デビュー2曲目の"Shake Your Love"も同じく4位、3枚目のシングルのこの曲で、デビュー3曲連続のTop5ヒット、初のTop3入りです。

4位は7位からアップ、INXSの"Devil Inside"。INXSですが、オーストラリア出身のロック・ポップグループ。1982年の"The One Thing"が最高位30位で初のTop40ヒット。続いて1985年に"What You Need"が最高位5位、3曲目のシングル"Need You Tonight"でついにNo.1を獲得、この曲で4曲目のTop40ヒット、3曲目のTop5ヒットとなりました。

5位は10位からジャンプアップ、Whitney Houstonの"Where Do Broken Hearts Go"。Whitney Houstonですが、初のシングルヒット"You Give Good Love"が最高位3位を記録、その後は、"Saving All My Love for You"を皮切りに、前のシングル"So Emotional"まで、6曲連続の1位を記録、この曲で8曲目のTop5ヒットとなりました。

この週3位はDebbie Gibsonの"Out Of The Blue"。最高位はこの4月9日付の第3位。年間チャートは54位。デビュー3曲連続のTop5ヒットで、この曲がこの時点での彼女の最大のヒットとなりました。

Debbie Gibsonですが、アメリカニューヨーク出身のシンガー・ソングライター。1983年、13歳の時、歌のコンテストに出場して優勝し、注目されました。

レコードデビューは1987年、ファーストアルバム『Out of the Blue』をリリース、1970年生まれですので、この時まだ17歳でのレコードデビューとなりました。このアルバムからのファーストシングルが"Only in My Dreams"で、最高位は4位を記録しました。こちらをご覧ください→→→

そのデビューアルバムから、続くシングル"Shake Your Love"も最高位4位、そしてこの曲"Out of the Blue"が、デビュー3曲連続のTop5ヒットとなり最高位3位、3曲中最もヒットした曲になりました。

"Out Of The Blue"の曲の作者はもちろんDebbie Gibson。プロデュースも、Debbie Gibsonと、レコードプロデューサーのFred Zarr。弱冠17歳で、作詞作曲とプロデュースまで自身で行う、恐るべき天才ミュージシャンです。

"Out Of The Blue"ですが、3枚目にしてアルバムタイトル曲をシングルカットしました。それまでのシングルカット2曲がダンサブルな曲だったのに比べ、この曲はポップロックな曲、私としては、この3曲の中ではこの"Out Of The Blue"が最もお気に入りです。

ダンサブルな2曲のシングルに比べ、この曲では、Debbie Gibsonのボーカルの良さがよくわかります。Debbie Gibsonには、ダンサブルな曲よりも、この曲のようなポップロックな曲やバラードがあっているのではないでしょうか。

今週先週song/artist
1 3 GET OUTTA MY DREAMS/BILLY OCEAN
2 1 MAN IN THE MIRROR/MICHAEL JACKSON
3 4 OUT OF THE BLUE/DEBBIE GIBSON
4 7 DEVIL INSIDE/INXS
5 10 WHERE DO BROKEN HEARTS GO/WHITNEY HOUSTON
6 6 ROCKET 2 U/THE JETS
7 2 ENDLESS SUMMER NIGHTS/RICHARD MARX
8 9 GIRLFRIEND/PEBBLES
9 5 I WANT HER/KEITH SWEAT
10 12 WISHING WELL/TERENCE TRENT D'ARBY
11 17 I SAW HIM STANDING THERE/TIFFANY
12 16 ANGEL/AEROSMITH
13 14 SOME KIND OF LOVER/JODY WATLEY
14 11 (SITTIN' ON)THE DOCK OF THE BAY/MICHAEL BOLTON
15 18 CHECK IT OUT/JOHN COUGAR MELLENCAMP
16 23 PINK CADILLAC/NATALIE COLE
17 20 PROVE YOUR LOVE/TAYLOR DAYNE
18 8 NEVER GONNA GIVE YOU UP/RICK ASTLEY
19 25 ONE STEP UP/BRUCE SPRINGSTEEN
20 29 ANYTHING FOR YOU/GLORIA ESTEFAN AND MIAMI SOUND MACHINE
21 13 HYSTERIA/DEF LEPPARD
22 26 ELECTRIC BLUE/ICEHOUSE
23 27 YOU DON'T KNOW/SCARLETT & BLACK
24 15 I GET WEAK/BELINDA CARLISLE
25 22 ROCK OF LIFE/RICK SPRINGFIELD
26 19 FATHER FIGURE/GEORGE MICHAEL
27 30 FISHNET/MORRIS DAY
28 36 NAUGHTY GIRLS (NEED LOVE TOO)/SAMANTHA FOX
29 44 ALWAYS ON MY MIND/PET SHOP BOYS
30 21 SHE'S LIKE THE WIND/PATRICK SWAYZE(FEATURING WENDY FRASER)
31 31 GOING BACK TO CALI/L.L. COOL J
32 35 I WISH I HAD A GIRL/HENRY LEE SUMMER
33 39 SHATTERED DREAMS/JOHNNY HATES JAZZ
34 34 PAMELA/TOTO
35 38 TWO OCCASIONS/THE DEELE
36 42 I DON'T WANT TO LIVE WITHOUT YOU/FOREIGNER
37 41 WAIT/WHITE LION
38 40 PIANO IN THE DARK/BRENDA RUSSELL FEATURING JOE ESPOSITO
39 24 JUST LIKE PARADISE/DAVID LEE ROTH
40 28 NEVER KNEW LOVE LIKE THIS/ALEXANDER O'NEAL FEATURING CHERRELLE
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ルイアームストロング Louis Armstrong - What a Wonderful World「この素晴らしき世界」(1988年の洋楽 Part13)

2024-04-04 20:00:00 | '88年洋楽
1988年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart13は、Louis Armstrongの"What a Wonderful World"。邦題は「この素晴らしき世界」。最高位は4月2日付の第32位。この曲、多分全世界的にたくさんの方々が知っているジャズのスタンダードナンバーですので、過去に大ヒットしたのかと思っていましたが、この曲が発表された1967年にはアメリカでは全くヒットせず、ビルボードのチャートに入るのはこの1988年が初めてのことだとのことです。

Louis Armstrongのことは、この曲はのほかにも有名な曲がたくさんあり、カリスマ的なジャズ・トランぺッターで、ジャズ・ボーカリストということは知っていましたが、詳しい経歴などは知りませんでしたので、今回いろいろと調べてみました。

1901年、アメリカ・ニューオーリンズ生まれ、20代でデビュー、天才ジャズ・トランぺッターとして、ジャズ音楽界では有名な存在になっていきます。

さらに、すぐに彼のボーカルだと分かる独特な声質と、豊かな声量で、ジャズボーカリストとしても、カリスマ的な人気を博します。

音楽界での活躍は、1920年代から60年代まで50年間にもわたり、その間のスタンダードなヒット曲だけでも、この曲を筆頭に、「バラ色の人生」や「キッス・オブ・ファイア」「ハロー・ドーリー!」などなど、多数あり、当時の音楽家たちに多大な影響を与えました。

この曲"What a Wonderful World"は、発表されたのが1967年で、ルイ・アームストロングが亡くなったのが1969年、69歳でしたので、この曲は亡くなる2年前、67歳の時の曲でした。

アメリカでは、プロモーションの契約の関係で宣伝されず、ほとんどヒットしなかったようですが、イギリスをはじめ世界中で大ヒット、全英チャートでは1位を記録しています。

"What a Wonderful World"は、プロデューサーの Bob Thieleと ソングライターのGeorge David Weissの共作。

この1988年に、突如としてチャートを上がってきたのは、1987年のアメリカ映画『グッドモーニング, ベトナム』で、BGMとして起用され、再ヒットにつながったものです。

日本でも、自動車や飲料、保険、携帯など、様々な商品のCMに幾度となく使われ、TVからも流れてきていました。大きなインパクトを持っていて、いつまでも耳に残る強烈な曲なので、CMに使うのには最高の曲なのでしょう。


こちらはNHK朝のテレビ小説「カムカムエヴリバディ」で取り上げられていた"On the Sunny Side of the Street"「明るい表通りで」。今でも、 映画やテレビなど様々な場面で、ルイ・アームストロングの曲が使われているのですね。
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