ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

ビルボード 全米 Top40 1985年7月13日付 サバイバー Survivor - The Search Is Over

2021-07-11 21:54:01 | 1985年ビルボードTop40
1985年7月13日付ビルボード All American Top40、この週も1位の交代です、2位から上がっての1位はDuran Duranの"A View To A Kill"。Duran Duranですが、初めてのヒットで3位を記録した"Hungry Like the Wolf"以来、No.1を記録した"The Reflex"を含め、この曲で6曲目のTop5ヒット、5曲目のTop3ヒット、2曲目のNo.1となりました。

2位は1週のみの1位からダウン、Phil Collinsの"Sussudio"。Phil Collinsですが、Genesisのドラマー兼ボーカル、Genesisでももちろんヒットを持っていますが、ソロでは"Against All Odds (Take a Look at Me Now)"のNo.1ヒット、2位を記録したPhilip Bailey とのデュエット"Easy Lover"、2週間の1位の"One More Night"に続く4曲目のTop3ヒットで、3曲目のNo.1です。
3位は前週と変わらず、Prince & The Revolutionの"Raspberry Beret"。Princeですが、5週間の1位で年間チャートNo.1の"When Doves Cry"、2週間の1位"Let's Go Crazy"、最高位2位の"Purple Rain"に続く4曲目のTop3ヒットです。
4位は5位からアップ、Survivorの"The Search Is Over"。Survivorですが、2曲目のTop40ヒット"Eye of the Tiger"が6週間のNo.1、年間チャート2位のモンスターヒットになりました。この曲で6曲目のTop40ヒットで、"Eye of the Tiger"以来2曲目のTop5ヒットになりました。
5位は6位からアップ、Eurythmicsの"Would I Lie to You?"。Eurythmicsですが、アメリカでの初ヒット"Sweet Dreams (Are Made of This)"がいきなりのNo.1、その後ヒットを重ね、この曲で6曲目のTop40ヒットで、3曲目のTop5ヒットになりました。

この週4位はSurvivorの"The Search Is Over"。最高位はこの7月13日付の1週のみの第4位。年間チャートは48位の大ヒットとなりました。

Survivorですが、もちろん1982年の6週間のNo.1、年間チャート2位の世界的な大ヒット"Eye of the Tiger"で有名なあのサバイバーです。
1977年にアメリカシカゴで結成された5人組ハードロックバンド。

ファーストアルバム『Survivor』は1979年のリリースで、多少は話題になったものの、たいしたヒットには至らず、初めてのTop40ヒットは1981年にリリースした彼ら2枚目のアルバム『Premonition』からのシングル"Poor Man's Son"が33位を記録しました。
ハード・ロックバンドと書きましたが、この"Poor Man's Son"の時から、メロディアスなハード・ポップロックといった曲でした。

そしてこのこの"Poor Man's Son"をロッキーのシルベスター・スタローンが気に入り、映画「ロッキーⅢ」の主題歌にこの"Poor Man's Son"のような曲が欲しい、とサバイバーに頼み、"Eye of the Tiger"世界的な大ヒットを生み出したとのことです。
そのことについては、こちらの記事に書いてあります→→→

"Eye of the Tiger"を含む3枚目のアルバム『Eye of the Tiger』は全米アルバムチャート2位の大ヒットアルバムになりましたが、1983年にリリースされた次の4枚目のアルバム『Caught in the Game』は大コケのアルバムで、ヒットせず、Top40ヒットが1枚も出ないという残念な結果になります。
"Eye of the Tiger"の特大のヒットに押しつぶされ、ほぼ1発屋に終わったかと思いきや、1984年にリリースされた5枚目のアルバム『Vital Signs』で復活いたします。さすが「生存者」です。

このアルバム『Vital Signs』からボーカルが代わっています。"Eye of the Tiger"などのリードボーカルDave Bicklerがバンドを抜け、新たにJimi Jamisonが加入、リードボーカルを務めました。声質は似てはいますが、Jimi Jamisonの方がソフトなボーカルでした。

『Vital Signs』からは、私のブログでは紹介していないですが、まずは"I Can't Hold Back"が最高位13位、年間チャート73位のかなりのヒットとなり、次のシングル"High on You"も最高位8位の大ヒットとなります。そして3曲目のシングルがこの曲"The Search Is Over"で、アルバムからの最大のヒットになりました。
"The Search Is Over"、曲の作者はメンバーのFrankie SullivanとJim Peterikの共作。
この曲は、いわゆるロックバラード、新しいボーカルJimi Jamisonにはぴったりの曲だったです。まさに名曲でした。
このアルバムで、Survivor、二度目のブレイクを果たします。


今週 先週 song / artist
1 2 A VIEW TO KILL / DURAN DURAN
2 1 SUSSUDIO / PHIL COLLINS
3 3 RASPBERRY BERET / PRINCE & THE REVOLUTION
4 5 THE SEARCH IS OVER / SURVIVOR
5 6 WOULD I LIE TO YOU? / EURYTHMICS
6 8 EVERYTIME YOU GO AWAY / PAUL YOUNG
7 7 YOU GIVE GOOD LOVE / WHITNEY HOUSTON
8 9 VOICES CARRY / 'TIL TUESDAY
9 11 GLORY DAYS / BRUCE SPRINGSTEEN
10 12 THE GOONIE'S 'R' GOOD ENOUGH / CYNDI LAUPER
11 13 IF YOU LOVE SOMEBODY SET THEM FREE / STING
12 4 HEAVEN / BRYAN ADAMS
13 15 SENTIMENTAL STREET / NIGHT RANGER
14 23 SHOUT / TEARS FOR FEARS
15 17 CRAZY IN THE NIGHT / KIM CARNES
16 21 19 / PAUL HARDCASTLE
17 10 ANGEL / MADONNA
18 25 GET IT ON / POWER STATION
19 24 JUST AS I AM / AIR SUPPLY
20 29 NEVER SURRENDER / COREY HART
21 31 WHO'S HOLDING DONNA NOW / DEBARGE
22 27 PEOPLE ARE PEOPLE / DEPECHE MODE
23 22 TOUGH ALL OVER / JOHN CAFFERTY & THE BEAVER BROWN BAND
24 16 THINGS CAN ONLY GET BETTER / HOWARD JONES
25 14 EVERYBODY WANTS TO RULE THE WORLD / TEARS FOR FEARS
26 32 YOU SPIN ME AROUND / DEAD OR ALIVE
27 26 GETCHA BACK / BEACH BOYS
28 28 CANNONBALL / SUPERTRAMP
29 35 THE POWER OF LOVE / HUEY LEWIS & THE NEWS
30 34 FREEWAY OF LOVE / ARETHA FRANKLIN
31 33 WHAT ABOUT LOVE? / HEART
32 18 SMUGGLER'S BLUES / GLENN FREY
33 30 POSESSION OBSESSION / DARYL HALL & JOHN OATES
34 19 WALKING ON SUNSHINE / KATRINA AND THE WAVES
35 42 ROCK ME TONIGHT / FREDDIE JACKSON
36 38 FIND A WAY / AMY GRANT
37 20 IN MY HOUSE / MARY JANE GIRLS
38 46 SUMMER OF '69 / BRYAN ADAMS
39 40 NOT ENOUGH LOVE IN THE WORLD / DON HENLEY
40 45 STATE OF THE HEART / RICK SPRINGFIELD
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スーパートランプ Supertramp - Cannonball(1985年の洋楽 Part26)

2021-07-08 22:36:18 | '85年洋楽
1985年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart26はSupertrampの"Cannonball"。最高位は7月6日と13日付の第28位。年間チャートは圏外でした。

Supertrampですが、もちろん、1979年のあのメガヒットアルバム『Breakfast in America』で世界的な人気バンドとなりました。
イギリス出身のバンドで、元々はプログレッシブロックの要素が強かったですが、ポップな要素も取り入れた独自のロック。特に、リーダーのRick Daviesと、独特な繊細なボーカルのRoger Hodgson の二人の個性的なボーカルが特徴です。

ファーストアルバムのリリースは1970年、『Supertramp』です。このアルバムはイギリスでもアメリカでもヒットはしませんでした。まだプログレ要素が強いアルバムでした。

初めてヒットしたのは1974年にリリースした3枚目のアルバム『Crime of the Century』です。
このアルバムからは初めてのシングルヒット"Bloody Well Right"が35位を記録し、アルバムもアメリカで35位、イギリスでは4位とヒットアルバムになりました。この時はだいぶポップな要素も強くなっての大ヒットアルバムでした。

そして1979年にリリースした彼ら6枚目のアルバム『Breakfast in America』がついにアメリカでのアルバムチャート1位を記録。その印象的なジャケットでも有名になりました。
次の7枚目のアルバム『...Famous Last Words...』もヒットして、シングルも"It's Raining Again"など2枚のTop40ヒットが生まれます。

しかし、このアルバム発表後、看板ボーカルの一人Roger Hodgson がバンドを脱退、ボーカルがRick Davies一人になってしまいます。
そして1985年にリリースされたのが彼らの8枚目のアルバム『Brother Where You Bound』で、このアルバムからのファーストシングルがこの曲"Cannonball"です。

このアルバム『Brother Where You Bound』の曲はすべてRick Daviesの作となっています。
ちょっと昔に戻ったようなプログレ要素が復活していたところもあるアルバムになっています。
B面の1曲目のタイトルソング"Brother Where You Bound"は、16分超の大作で、ギターはDavid Gilmour。もう一人のギターがアイルランドのロック・バンド「シン・リジィ」のツインギターの一人Scott Gorhamです。特にこの曲はかなりプログレっぽい曲でありました。
Rick Davies.のボーカルも特徴あるボーカルですが、やっぱり一枚ボーカルでは厳しかったのでしょうか。アルバムチャートでは最高位21位のヒットで終わってしまいました。

Supertrampですが、次の9作目のアルバム『Free as a Bird』の発表後、残念ながら解散してしまいました。結局のところ、この"Cannonball"が彼ら最後のTop40ヒットになってしまいました。
その後は何回か再結成しながら今に至っています。

コメント (22)
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ビルボード 全米 Top40 1985年7月6日付 Katrina & The Waves - Walking On Sunshine

2021-07-04 20:43:17 | 1985年ビルボードTop40
1985年7月6日付ビルボード All American Top40、1位の交代がありました、2位から上がっての1位はPhil Collinsの"Sussudio"。Phil Collinsですが、Genesisのドラマー兼ボーカル、Genesisでももちろんヒットを持っていますが、ソロでは"Against All Odds (Take a Look at Me Now)"のNo.1ヒット、2位を記録したPhilip Bailey とのデュエット"Easy Lover"、2週間の1位の"One More Night"に続く4曲目のTop3ヒットで、3曲目のNo.1です。

2位は3位からアップ、Duran Duranの"A View To A Kill"。Duran Duranですが、初めてのヒットで3位を記録した"Hungry Like the Wolf"以来、No.1を記録した"The Reflex"を含め、この曲で6曲目のTop5ヒット、5曲目のTop3ヒットです。
3位は4位からアップ、Prince & The Revolutionの"Raspberry Beret"。Princeですが、5週間の1位で年間チャートNo.1の"When Doves Cry"、2週間の1位"Let's Go Crazy"、最高位2位の"Purple Rain"に続く4曲目のTop3ヒットです。
2週間の1位からダウンして4位はBryan Adamsの"Heaven"。Bryan Adamsですが、カナダ出身のロックシンガー。83年の"Straight from the Heart"が初めてのTop40ヒットで10位を記録、その後ヒットを重ね、この曲で6曲目のTop40ヒットで、3曲目のTop10ヒット、初めてのNo.1に輝きました。
5位は6位からアップ、Survivorの"The Search Is Over"。Survivorですが、2曲目のTop40ヒット"Eye of the Tiger"が6週間のNo.1、年間チャート2位のモンスターヒットになりました。この曲で6曲目のTop40ヒットで、"Eye of the Tiger"以来2曲目のTop5ヒットになりました。

この週19位はKatrina & The Wavesの"Walking On Sunshine"。最高位は6月22日付の1週のみの第9位。年間チャートは75位、初めてのヒットが大ヒットになりました。

Katrina & The Wavesですが、イギリス人とアメリカ人の混成バンド。1982年に、前身のバンドThe Wavesの名前でシングル"The Nightmare"とファーストアルバム『Shock Horror!』をリリースします。このシングルとアルバムはイギリス、アメリカ両国ともヒットチャートには入りませんでした。

そしてボーカルのKatrina Leskanichの名前を前面に出しKatrina and the Wavesと改名、1985年にはそれまでに録音した曲を、リミックスしたり、再録音した曲を集めたアルバム『Katrina and the Waves』をリリース。そのアルバムからシングルカットされたのがこの曲"Walking On Sunshine"です。

この曲"Walking On Sunshine"ですが、元々は1983年にリリースした彼ら2枚目のアルバム『Walking On Sunshine』に収録されていた曲で、再録音して4枚目のアルバムに収録、シングルとしてリリースされた曲なのです。

曲の作者はバンドのリーダーでリードギター担当のKimberley Rew。
テンポよく、明るい、「ゴキゲン」な曲ですね。元気なKatrina Leskanichのボーカルが曲にぴったりです。


Katrina and the Wavesですが、89年に、6枚目のアルバムからのシングル"That's the Way"が16位のヒットとなりますが、その後は、アメリカではHot100のチャートに入るヒット曲はありませんでした。

ただ、1997年になって、アメリカではヒットしませんでしたが、ヨーロッパを中心に"Love Shine a Light"がヒット、全英チャートで3位となり、イギリスでの最高のヒット曲となりました。それがこの曲で、私はぜひこの曲を紹介したかった、すごく良い曲です。


今週 先週 song / artist
1 2 SUSSUDIO / PHIL COLLINS
2 3 A VIEW TO KILL / DURAN DURAN
3 4 RASPBERRY BERET / PRINCE & THE REVOLUTION
4 1 HEAVEN / BRYAN ADAMS
5 6 THE SEARCH IS OVER / SURVIVOR
6 8 WOULD I LIE TO YOU? / EURYTHMICS
7 13 YOU GIVE GOOD LOVE / WHITNEY HOUSTON
8 14 EVERYTIME YOU GO AWAY / PAUL YOUNG
9 12 VOICES CARRY / 'TIL TUESDAY
10 5 ANGEL / MADONNA
11 17 GLORY DAYS / BRUCE SPRINGSTEEN
12 15 THE GOONIE'S 'R' GOOD ENOUGH / CYNDI LAUPER
13 19 IF YOU LOVE SOMEBODY SET THEM FREE / STING
14 7 EVERYBODY WANTS TO RULE THE WORLD / TEARS FOR FEARS
15 20 SENTIMENTAL STREET / NIGHT RANGER
16 9 THINGS CAN ONLY GET BETTER / HOWARD JONES
17 22 CRAZY IN THE NIGHT / KIM CARNES
18 16 SMUGGLER'S BLUES / GLENN FREY
19 11 WALKING ON SUNSHINE / KATRINA AND THE WAVES
20 10 IN MY HOUSE / MARY JANE GIRLS
21 27 19 / PAUL HARDCASTLE
22 23 TOUGH ALL OVER / JOHN CAFFERTY & THE BEAVER BROWN BAND
23 35 SHOUT / TEARS FOR FEARS
24 28 JUST AS I AM / AIR SUPPLY
25 30 GET IT ON / POWER STATION
26 26 GETCHA BACK / BEACH BOYS
27 32 PEOPLE ARE PEOPLE / DEPECHE MODE
28 29 CANNONBALL / SUPERTRAMP
29 34 NEVER SURRENDER / COREY HART
30 31 POSESSION OBSESSION / DARYL HALL & JOHN OATES
31 33 WHO'S HOLDING DONNA NOW / DEBARGE
32 38 YOU SPIN ME AROUND / DEAD OR ALIVE
33 39 WHAT ABOUT LOVE? / HEART
34 43 FREEWAY OF LOVE / ARETHA FRANKLIN
35 46 THE POWER OF LOVE / HUEY LEWIS & THE NEWS
36 37 LITTLE BY LITTLE / ROBERT PLANT
37 18 SUDDENLY / BILLY OCEAN
38 41 FIND A WAY / AMY GRANT
39 21 EVERYTHING SHE WANTS / WHAM!
40 45 NOT ENOUGH LOVE IN THE WORLD / DON HENLEY
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グラハム・パーカー Graham Parker & The Shot - Wake Up (Next To You)(1985年の洋楽 Part25)

2021-07-01 21:08:57 | '85年洋楽
1985年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart25はGraham Parker & The Shotの"Wake Up (Next To You)"。
最高位は6月22日付の第39位。Hot100には3週間のみのランクインで、年間チャートは圏外でした。

Graham Parker、皆さんご存知でしょうか?70年代から活躍するイギリス出身のロックアーチスト、当時は日本では「グラハム・パーカー」と呼ばれていましたが、発音からすると「グレアム・パーカー」というのが正しいようです。

そのGraham Parkerですが、70年代、日本のラジオでは結構曲が流れてきていました。もちろん母国イギリスでも人気のアーチストです。その70年代にはGraham Parker & The Rumourの名前で活動していました。

70年代初めころから活動していたようですが、初めてのアルバムのリリースは1976年、Graham Parker & The Rumourの『Howlin' Wind』がデビューアルバムです。このアルバムは母国イギリスを含め全くヒットしなかったです。

人気が出たのはセカンドアルバム『Heat Treatment』からで、アメリカを含め、イギリス、日本でも人気が確立したのが4枚目のアルバム『Squeezing Out Sparks』からです。
このアルバムは、評論家の間でもかなり評価が高かったアルバムです。

その後も活動を続け、1985年にGraham Parker & The Shotの名前で出した彼の8枚目のアルバム『Steady Nerves』からのシングルがこの曲"Wake Up (Next To You)"で、彼の初めてで唯一のTop40ヒットとなりました。
この曲、Graham Parkerの渋いボーカルが素晴らしいのです。
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