死生観

東日本大震災から1年過ぎ、TV各局はその前の週は特集一色やった。
（3/11過ぎたら特集しないのね）
最近の新聞では書かれてないが連日死者・行方不明者の数字が
書いてあるとマヒしてしまうことがある。
その死者1万5000人には家族や周りを含めると10万人以上が悲しみ
行方不明者が4000人居ると2万人以上の人々が、同じくそういう思いをしてるだろう。

死なれる悲しみは物凄いショックである。
それが親、子供、ダンナ、嫁さん誰であっても。
５年前の3/18に私の家内が身ごもった子供を失っているが
自分がどうして病院へ連れて行って、どうして区役所に
死亡届提出して、どうして火葬場へ持って行ったか
よく覚えていない。

ただ、おもちゃ屋へ行って独楽を三個買ってた（笑）
私と、長男の分と、棺（棺ではなく菓子折りみたいな白い箱）に
もうひとつ入れておいた。
何もしてあげることが出来なかった子への
最初で最後のプレゼント。

それから家内の中で死生観が出来てしまったのか
報道で事故死などのニュースを見ても
「天命なんかなあ」とか言っていた。
自殺にしてもそうだが、（周りは）辛いのだけれど
私は、病に倒れた天命なのだと解釈している。

それだけに弱弱しくても生きている者に対しては
手を差し伸ばしたい思いは強い。
大阪の２児放置事件で母親に懲役30年が下された。
彼女の幼児体験が母親になって影響したという
弁護側の主張は通らなかった訳だが
それ以前に親、人間、動物としての本能が喪失されている。

野生のサルでも、子猿が死んだときに母親はミイラになっても
抱いている。
ウチの母方の出身である沖縄には、ニライカナイ思想というのがあって
遥か東方に異界が存在し、生まれくる者はそこから来て
死にいく者はそこへ帰るという。
死を厳粛に受けとめ、またニライカナイで会えると信じて
去っていく人とは別れて、これからを生きていきたいね。
私もいつかあの世で子供と独楽回しして遊ぶのだ。

そうそう、その沖縄の墓は亀甲墓と言って
墓の前で家族親戚（門中）が弁当やご馳走を食べたりすることもある。
丸い囲いに囲まれて（子宮を意味するらしい）
彼の地の人を懐かしみながら・・・