日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

ほろ苦い経験

2021-06-24 21:25:08 | 旅日記
残念ながら、前半だけで切り上げることができませんでした。富山は見送り、明日の始発で旅立ちます。
昨秋から漠然と思い描いていたことが、具体化へ向けていよいよ動き出すわけであり、高揚感はもちろんあります。しかし、我ながら突飛なことだけに、実現できるかどうかについては半信半疑、いやそれ以下でしかありません。出発を目前にして甦るのは、若かりし頃のほろ苦い経験です。このblogでも初めて披露するのですが、いわゆるニートとして燻っていた頃に、長崎で電車の運転士の求人が出ているのを知り、一念発起して履歴書を送ったところ、まんまと現地に呼ばれたのです。しかし、結果としてはぬか喜びでした。縁もゆかりもない土地へ単身で乗り込む覚悟があるのかと、懐疑的な見方を一貫して示され、一笑に付されただけで終わったのです。今はなき「さくら」で行き、500系「のぞみ」で帰ったことを始め、活動としては今でも思い出深いものの、けんもほろろにあしらわれた経験に対しては、今なお切なさが募ります。物騒なご時世、いわば「不要不急」の目的で物件を借りようとする者に対して、快く応じてもらえるだろうかと考えたとき、あの苦い経験が否応なしに去来するとでも申しましょうか。
もっとも、このようなご時世にならない限り、異郷に住むという発想はおそらく生まれなかったでしょう。見方によっては、物騒な今だからこそ再挑戦の機会が巡ってきたともいえます。幸いにして、誰もが無闇に怯えていた局面はとうに去りました。昨秋以来、各地を旅してきたものの、他所から来たことを理由に石もて追われたなどということは、ただの一度もありません。瓢箪から駒の思いつきが、よい結果につながってくれることを密かに願います。
コメント