本日の晩酌 - 美弥

一連の騒動が表面化する以前から、集団生活への耐性は極度に低い人間でした。ましてや「社会的距離」なるものが叫ばれる昨今において、職場に続けて通えるのはせいぜい二日が限度です。今日は久々の連勤でした。帰りに買った「美弥」の肴で晩酌します。
開店したのは一月中旬、つまりお上による強硬策が発動された直後です。雑居ビルの上層階にあったという店を畳んで、路面店で勝負をかけたにもかかわらず、今までのところ一度としてまともに商売できてはいないことになります。せめてもの支援を兼ね、惣菜をしばしば買ってはきたものの、傍目には採算が合っているのか気がかりでした。真空パックの惣菜は、安いものなら三百円台、高くとも五、六百円台という、大衆酒場並みの値段です。どれだけ売っても、赤坂の家賃に見合うものとは思われませんでした。しかしそれは老婆心に過ぎないのかもしれません。店先に立っていたのは店主ではなく、自身初見のお姉さんでした。つまり、従業員を雇うだけの余裕はあるということです。先日通りがかったときは、待ち客がいて敬遠したこともあります。一品ずつ手頃な値段で買えるところが受け入れられたのでしょうか。真相のほどはともかく、軌道に乗りつつあるようなのは幸いです。

★美弥
東京都港区赤坂2-15-13 山東ビル1階
03-6426-5290
土日祝日定休