最後のランチ - ばんび

在宅勤務が主体となったことにより、長らく素通りしていた店を訪ねる機会が増えました。収穫の一つに最近加わったのが「ばんび」です。
「メーヤウ」の流れを汲む店と知ったのは比較的最近になってからでした。信濃町にある本家で修行した店主が松本に店を構えた後、早稲田にも出店したと小耳に挟んだことがあります。そのいずれをも訪ねたことがあるのに対して、早稲田店から派生した神保町の店については、何となく認識している程度でした。全国一のカレー激戦区にあっては、自身こよなく愛用してきた名店の看板さえも埋没してしまったのです。その店が屋号を変え、さらには移転したことをふとした弾みによって知り、今更ながら訪ねてみようと思い立ったわけなのですが、食わず嫌いをしていた不明を恥じる結果となりました。
メーヤウといえばチキンカリー、信大前店でいうところのイエローカリーですが、当店ではポークカリーが主役を張ります。ただし、ポークといっても信大前のブラックカリーとは別物です。ルーの味わいはイエローのそれにきわめて近く、匙でほぐれる巨大なバラ肉にも、やはりイエローカリーの骨付き肉に通ずるものが感じられます。伝統を受け継ぎながらも当店独自の逸品に昇華されているのは天晴れです。

★カレー屋ばんび
東京都千代田区神田小川町3-10-17 木邑ビル1F
03-3233-0034
平日 1100AM-2200PM(LO)
日祝日 1100AM-1430PM(LO)
不定休