日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

本日の晩酌 - サクレフルール

2021-06-22 21:27:31 | 晩酌
気違いじみた「要請」が一応緩和されたものの、正常化に向け一歩前進しただけです。実質七時で看板なら、店で呑むにも一筋縄には行きません。とはいえ、休業に追い込まれていた店が再開されるだけでも歓迎すべきことではあります。「サクレフルール」が久々の登場です。
守備範囲外の洋風酒場を愛用し始めたのは、当日に寄っても一品から持ち帰れる手軽さと、調味料に極力頼らず素材を活かした調理法が、晩酌の肴として誠に好適だったからです。ところが卑劣な政策によって休業に追い込まれ、神楽坂では心当たりのある店が全滅するに至りました。「酒ト壽」の再開がいまだに見通せない中で、いち早く再開を告知していた当店を、見舞いがてら訪ねておきたかった次第です。
店頭のガラスケースに惣菜が陳列される形式は休業前と同様ながら、目に留まったのは玄関の張り紙です。その主張はきわめて正当でした。儲けだけを目的にしてはいないという価値観を示しつつ、なけなしの「協力金」すら支給されない生産者と流通業者に支えられての商売を守り抜くためにも、細心の注意を払いつつ通常営業するというのがおおよその内容です。自然の恵みに感謝しつつ、食材を最大限に活かしきるという価値観の下に結集した人々は、「水商売」という偏見に基づいて、いわれのない攻撃を常に受けてきました。その風潮に敢然と疑義を唱えたのが、獺祭の蔵元による提言です。依然として世論を一変させるまでには至らないものの、弱い者が泣き寝入りをさせられていた現状に一石が投じられたことにより、局面は若干変わってきたと感じます。当店の英断に心からの敬意を表したいものです。

ローストビーフ
牛リエットのポテトサラダ
パテドカンパーニュ
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