日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

春まだ浅い仙台へ 2019 - なみなみ

2019-03-02 23:57:56 | 居酒屋
一軒目と二軒目にかけては間合いを置きました。しかし、そろそろ日付も変わろうとする頃です。夜更かしすれば翌日に響きます。間髪入れずに「なみなみ」へ飛び込みました。
十年来世話になった「おのちゃん」の店長が退き、代わりに移った店であることについては以前も語った通りです。ただし、新天地でも当然店長なのかと思いきや、ただ一人名札を持たず、あたかも仮住まいのごとき半端な役割にあって、いずれ他へ移るまでの暫定措置である可能性が窺われました。それが今回再訪すると、サスペンダーの装いこそ前回までと同じながらも、胸ポケットには「店長」の名札が。一年ほどかけて引き継ぎ期間を終え、満を持しての店長就任といったところでしょうか。「おのちゃん」の頃と違って、混むのは早い時間だけだといいながら、今夜は常連らしきお客が次から次へと現れて、本来五席のカウンターに一席加える大盛況。詰めて座るということは、多くが常連だからできることでもあります。「おのちゃん」の名がしばしば飛び交うことからしても、あちらから移ってきたお客が多いのでしょう。新店長の人望の厚さが窺われる光景でした。
品書きには筍と鰊の文字があります。初物の筍には刻んだ山椒の葉が添えられてきました。春到来をしみじみ実感するひとときです。

なみなみ
仙台市青葉区国分町2-5-7 Ys51ビル1F
022-267-2332
平日 1800PM-200AM(LO)
日祝日 1800PM-2300PM(LO)

乾坤一・伯楽星・水鳥記
お通し二品(たこ唐揚・ちぢみ雪菜のおひたし)
鰊の三五八焼
たけのこ炭火焼
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春まだ浅い仙台へ 2019 - かん

2019-03-02 22:02:50 | 居酒屋
牛タンの店を当然のごとくはしごしていたこともあります。しかし歳に応じて食が細り、今では一軒で十分と思えるようになりました。正確にいうと、もう一軒ならどうにか行けるには行けるのです。ただし、それを最後に力尽きる可能性は少なからずあります。その点、居酒屋ならはしごもできそうな気がしました。後者を選んで「かん」を訪ねました。
半分以上を新酒が占める酒に対し、一段と春らしくなってきたのが肴です。メバルはともかく、初鰹の文字には意表を突かれました。もちろん三陸の鰹ではなく、鹿児島産ではありますが、ホヤ、空豆ともども春どころか初夏の気配が漂います。月並みな言葉を借りれば、もはや戦後、いや冬ではないと実感する一幕です。

かん
仙台市青葉区国分町2-13-11 ベルサイユビル2F
022-225-8148
1800PM-2330PM(LO)
日曜定休(祝日の場合営業し翌日休業)

角右衛門・乾坤一・澤乃泉・蔵王・戦勝正宗
真鱈あら汁
めかぶ
芹おひたし
おつまみ筋子
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春まだ浅い仙台へ 2019 - 雅

2019-03-02 20:30:59 | 居酒屋
対面通行の高速道に高い通行料を払ったのは、牛タンのためといっても過言ではありません。「旨味太助」は明日に回すという前提で、「雅」の暖簾をくぐりました。
仙台に泊まる機会は決して多くありません。この店についても、近年は専ら昼に訪ねていました。昼の部なら焼きと煮込みをいただけるセットで迷いはありません。一方、久々となる夜の部で何をいただこうかと考えたとき、まず浮かんだのは焼きでも煮込みでもなく生ビールでした。
かねがね申してきた通り、自分にとって牛タンの神髄とは牛タン焼き、テールスープと麦飯の三位一体にあり、牛タンを肴としていただくという発想がありません。少なくとも太助についていえば、定食をいただいて手早く出る店という位置付けです。しかし、ここには気心知れたおばちゃんとお姉さんがいます。毎回定食だけいただいて、すぐに出るのがもったいないという心情もあったのです。それが久々に一杯やっていこうと思い立った理由にでもあります。
ただし、それ以外にも理由があります。喉が渇いていたのです。日中は半袖でも軽く汗ばむ陽気でした。日が暮れてもなお暖かく、薄手の雨合羽で十分です。暖房が効きすぎなのか、屋内では再び汗が滲んできました。仙台もすっかり春の趣です。

牛たん料理 雅
仙台市青葉区一番町2-6-17 内ヶ崎ビル
022-268-0715
1130AM-1330PM/1700-2100PM(LO)
日曜定休
たん焼き定食1700円
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春まだ浅い仙台へ 2019 - 痛み分け

2019-03-02 20:08:14 | 東北
385kmを走破して仙台に着きました。宿泊は去年の七夕以来です。
いわきから仙台へ向かうにあたり、悩ましい問題がありました。最短距離ながらも対面通行の常磐道と、遠回りでも全区間四車線の磐越道、東北道のいずれで行くかということです。距離で二割の差がつくことから、結局前者を選んだものの、何とも微妙な選択でした。
自分にとって対面通行の難点とは、速度が出ないことよりも、先行車を意識しなければならないのが煩わしいとことにあります。かような観点からすると、対面通行であっても交通量が少なければまだましなのです。ところが実際には、交通量がそこそこあるにもかかわらず対面通行という、かつての上信越道を彷彿させる状況が延々続きました。時折現れる追越車線も短過ぎ、先行車を抜ききれないまま終わってしまうため、大半の区間で遅い先行車が立ち塞がる始末です。自動車専用のパイパスと大差のない流れにもかかわらず、新幹線の特急料金並みに割高な通行料を取られては全く割に合いません。
それでも渋々払ったのは、仙台に少しでも早く着きたいという事情があったからに他なりません。昨春訪ねたときは高速料金を出し惜しんだ、というより無味乾燥な移動を嫌い、高速道の利用を最小限に抑えた結果、仙台に着くのが遅れて、牛タンの店がことごとく早仕舞いしているという誤算に見舞われました。その教訓が活かされて、どうにか八時前には着きました。磐越道と東北道を飛ばしても、距離の差を考えると時間的には変わらなかったと思われます。痛み分けということにしておきましょう。
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春まだ浅い仙台へ 2019 - 勿来駅

2019-03-02 17:40:58 | 東北
暮れなずむ国道6号線を下って県境を越えました。勿来駅を定点観察してから常磐道に乗ります。
磐越道に入って西進すれば会津、そのまま行けば仙台という状況で、結論としては後者を選ぶことにしました。決め手は宿泊事情です。国内主要都市の中でも、仙台の宿泊事情の厳しさは一、二を争います。それだけに、泊まる機会を作るのも容易でなく、空いたときを狙い撃ちするしかありません。その点今夜は比較的余裕があり、先ほど照会したところ、一等地にある老舗の宿をほどほどの値段で手配できる状況でした。その時点で腹は決まった次第です。
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春まだ浅い仙台へ 2019 - 高萩駅

2019-03-02 16:41:18 | 関東
東海から常磐道に再び乗り、日立北で下りました。続いて訪ねるのは高萩駅です。
てらいのない駅舎が多い常磐線の中で、半切妻の大きな屋根とファサードを持つ洋風駅舎は、原ノ町と双璧をなす名建築です。しかし、沿線を通るというと常磐道を駆け抜けてしまうことが多く、七年もの無沙汰となってしまいました。しかも、前回訪ねたときは逆光となる朝方でした。駅舎が西日を浴びる夕方に通るとなれば、再訪しない手はなかろうと考えた次第です。
駅舎は健在、しかも改装されて面目を一新していました。ただし、瓦を葺き替え壁を塗装し、玄関の扉をガラス戸にする程度です。ファサードに掲げられた駅名標にJRの文字はなく、国鉄時代とほぼ同じ簡素なものが引き続き使われています。駅舎の脇にあるNEWDAYSが、KIOSKならばなおよしといったところではありますが、原型を極力保つ形で修復されたのは喜ばしいことです。
ある程度乗降客がいる駅なら、真っ先に橋上化されてしまってもおかしくはありません。しかし、改装されたということは、この駅舎が当分使われるということでもあります。隣の南中郷が、ご多分に漏れず安普請の駅舎に改築されてしまった中、この駅舎が奇跡的に残っているのは、地元の意向によるものなのでしょうか。あるいは当局の英断なのでしょうか。真相のほどはともかく、歓迎すべきことではあります。
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春まだ浅い仙台へ 2019 - 佐和駅

2019-03-02 15:31:42 | 関東
偕楽園を後に移動を再開します。ただし、明るいうちから高速道を延々行くつもりはありません。佐和駅を定点観察していきます。
東日本管内の木造駅舎が片っ端から取り壊されていく中、常磐線にはてらいのない木造駅舎が点在しており、昨春は草野と四ツ倉を訪ねました。水戸の二つ隣にあたるこの駅にも、それらと同じ切妻の木造駅舎が残っています。その駅舎が西日を浴び、なおかつ十分な引きもとれるという条件は申し分ありません。
沿線の駅舎の多くに共通する特徴として、玄関に掲げられた駅名標が国鉄時代の様式のまま保たれていることが挙げられ、この駅についても同様です。水戸支社の方針なのかというと、水戸線、水郡線ではそのようなこともなく、常磐線でも大半が水戸以北に集中しています。古い駅舎は維持費をかけずに取り壊す東日本の管内にあって、何故この区間にだけ残ったかは謎ながら、趣味的な見地からは歓迎すべき話です。
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春まだ浅い仙台へ 2019 - 偕楽園

2019-03-02 13:28:46 | 関東
偕楽園の本園を通り抜けて拡張部に入り、窈窕梅林の南端まで歩きました。半袖と雨合羽を組み合わせたのは正解でした。駐車場から歩いて行くとたちまち汗ばみ、偕楽園に着くと同時に脱いだからです。それでもなお、歩くと軽く汗ばんできます。ただし、陽気の割に開花は進まず、先週末と比べても大差はありません。その一方で人出は増え、ざっと五割増から倍程度といった見当です。師走に入るやいなや静まり返る京都と逆の現象が、三月の水戸では起こるのかもしれません。
園内の外れにあるここまで来る物好きはさすがに少ないものの、田鶴鳴梅林の芝生に露店が出ていて、大音量の音楽がこちらの方まで聞こえてくるのには興ざめします。しみじみ観賞したいなら二月中に限るという、先週下した結論を再確認する結果となりました。あちらには近寄らず、本園をもう一度通り抜けて帰ります。
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春まだ浅い仙台へ 2019 - 油断

2019-03-02 12:20:13 | 関東
寝坊したにもかかわらず悠長に一般道を下っていき、さらにはセイコーマートにも立ち寄って、早くもお昼になりました。油断がたたって、見事に足をすくわれました。適度な人出だった先週末から一転、偕楽園が大盛況だったのです。
まず向かったのは千波湖のほとりの駐車場です。偕楽園までそこそこ歩きはするものの、収容力が十分あるのは分かっています。午前中なら入れるだろうと高を括っていました。ところが誤算だったのは、講演会とやらの来場者向けに、その駐車場が半分ほど締め切られていたことです。当然ながら、残りの区画はとうの昔に埋まっています。仕方なく有料の駐車場へ向かうも、かなり手前の方から車列ができ、入るまでにどれだけかかるか見当もつきません。こちらも取り付く島なしと見て、市街の時間貸駐車場に目標を切り替えると、徒歩圏内に日中最大300円の駐車場があったため、そちらに止めるという顛末です。
本園までは歩いて五分少々といったところでしょうか。気温は12度、しかし日差しがますます強くなり、車内では軽く汗ばむ陽気です。半袖シャツに着替えて雨合羽を羽織り、いつでも脱げるようにしてから向かいます。
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春まだ浅い仙台へ 2019 - セイコーマート

2019-03-02 11:16:00 | B級グルメ
千代田石岡で一般道に下りました。その時点で水戸まではまだ30km以上ありました。しかし、三角形の二辺を通る線形の常磐道に対して、国道6号線は直線的に向かうため、時間差を多少なりとも挽回できます。セイコーマートも途中にあって、一石二鳥という寸法です。ところがとんだ誤算でした。流れが思ったよりもはるかに悪く、あまつさえセイコーマートが廃業していたのですorz
飲まず食わずで飛び出したため空腹感も限界です。山田うどんとゆにろーずが沿道に現れたため、それらで妥協することも考えました。しかし、水戸へ行こうと思った時点で、朝兼昼はセイコーマートと決めていました。初志を貫き、水戸市街の店舗にようやく辿り着くという顛末です。
昼時に備えたか、厨房からは今まさに出来立てのカツ丼が出てきました。大いに捨てがたいものの、昨秋の渡道以来五ヶ月ぶりということもあり、お約束のフライドチキンと百円パスタ二つの組み合わせを選択。海老トマトクリームパスタなる新商品と被るのを避け、二品目はクリーミーカルボナーラに代えてチキンたっぷりペペロンチーノにしました。イートインのテーブルを拝借していただきます。
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春まだ浅い仙台へ 2019 - 行きがけの駄賃

2019-03-02 09:41:42 | 関東
三週続けて遅めの出発となりました。八時過ぎに出て常磐道を下り、千代田PAで休憩をとっているところです。気温は10.5度、春らしい霞んだ青空が広がっています。
常磐道を下るのは、偕楽園へ寄るために他なりません。というのも、先週訪ねたときは実質的に本園しか観ていない上に、盛りにもまだ早かったからです。そのことが心残りで仕方なく、どうしても再訪したかったというほどではないものの、行きがけの駄賃に寄れるなら話は違います。拡張部を中心に手早く回り、しかる後に北上しようという寸法です。
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