日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

活動回顧録 2018 - 京都三部作

2019-03-14 22:59:21 | 旅日記
人並み外れた暑がりの自分にとって、夏は例年活動休止期間ですが、その期間が年々短くなってきました。耐え難く暑い期間は限られており、それさえ避ければ十分楽しめるということに気付いてきたのです。初夏の京都を三度にわたって訪ねたことは、さらなる境地を開拓する契機となりました。北陸への長旅に比べればささやかではあったものの、去年目新しかったことは何かと考えるに、長崎での連泊、沖縄への船旅とともに浮かぶのがこの三部作です。それに先立つ四国への旅と合わせて振り返ります。

・薫風の土佐を行く 2018(6/2-4 3日間)
天候不順による活動休止を一週挟み、六月の第一週は高知を訪ねました。正月にも訪ねてはいたものの、いかんせん高知が一泊限りでは全く足りません。然るべき時期に再訪するつもりでいたところ、前年同様六月初旬の再訪に落ち着くという顛末です。
梅雨空の印象が色濃い六月も、初旬となれば話は別です。好天に恵まれた前年の再現を狙ったところ、幸いにして的中しました。まず岡山に寄ってから明るいうちに高知へ乗り込み、夜はもちろんはしご酒です。翌日も昼から一杯やるにやぶさかでないところではありましたが、雨ならともかく快晴の日にやるべきことでもありません。前年同様レンタカーを手配して東へ走り、魚梁瀬森林鉄道の遺構を訪ねて戻りました。最後に一杯やる時間は残らなかったものの、正月に一度訪ねたこともあり、所期の成果は達成するという顛末です。

・梅雨空の京都を行く(6/9-10 2日間)
高知を訪ねた週までは、なお薫風と形容したい清々しい気候でしたが、それもせいぜい上旬までというのが例年の流れです。果たして梅雨には入ったものの、西日本では一日とはいえ晴の予報が出ていました。自身の誕生日に重なったこともあり、それにかこつけ半年ぶりに訪ねたのが京都です。
行きがけの駄賃として岐阜に昼まで滞在し、もう一ヶ所寄り道してから京都へ向かうつもりでした。どこへ寄るかと思案の末に選んだのは、かねがね訪ねてみたかった近江八幡です。琵琶湖の水運で栄えた昔を偲ばせる、趣のある町並みを訪ね歩いて時間が尽き、残念ながらロープウェイに乗る時間まではなかったものの、翌週早くも再訪することになります。
翌日は予報通りの梅雨空でした。しかし、それもあながち悪くないと思わせる出来事がありました。当てもなく小さな寺を訪ねたところ、境内に蓮の花が咲いていたのです。しかし、本当の山場はその直後に訪れました。俄雨をやり過ごすと、蓮の葉にできた大きな水玉が、花と左右で対をなし、静かに揺れていたのです。その後に訪ねた長居の紫陽花園も上々。梅雨というと屋内、車内でやり過ごすしか頭になかった自分にとって、新たな境地を拓く契機となりました。

・梅雨空の京都を行く 続編(6/16-17 2日間)
直近の成功に味を占め、二匹目のどじょうを狙っての活動でした。今になって振り返ると、印象の鮮烈さでは初回に譲るものがあり、見方によっては二番煎じに終わったといえなくもありません。しかるにそうとも思わないのは、好天が二日続いたからでもあります。それも、風薫る五月を彷彿させるような清々しい快晴でした。
仮に晴れても蒸し暑かろうと予想して、出発前には屋内、車内を主体にした行程を立てたものの、この好天を活かさない手はありません。初日こそおおむね予定していた通りに動いたものの、和歌山へ行くつもりだった二日目は、予定を全面的に見直してレンタカーでの活動としました。琵琶湖に沿って左回りに周回していき、前の週に行き損なった八幡のロープウェイで山上に登るという行程でした。暮れてゆく西の空を眺めつつ、湖岸道路を南下した帰り道がとりわけ印象に残っています。

・梅雨空の京都を行く 完結編(6/30-7/1 2日間)
車検と免許の更新に一週を費やすも、翌週は「二度あることは三度ある」の諺通りとなりました。京都三部作の完結編となった活動です。
前回和歌山を見送ったことにより、一日をそちらに充てることについては決めていました。問題はもう一日をどうするかですが、それについても比較的迷いはありませんでした。二週前と違って相当蒸し暑くなり、屋外での活動はかなり厳しくなっていたため、阪急電車で聖地を巡る活動に落ち着きました。豊中の高校野球発祥の地記念公園を振り出しに、阪急西宮ギャラリーに至るまで、聖地を四ヶ所掛け持ちし、その足で京都へ向かうという行程でした。関東ではどこへ行っても安普請の電車がはびこり、近隣へ出かける意欲も起こりません。私鉄王国たる関西ならではの活動だったともいえます。
翌日和歌山へ行くつもりにもかかわらず、わざわざ京都に泊まったのは、梅雨時なら安く宿泊できるからに他ならず、必ずしもそれ以上の期待をしていたわけではありません。それだけに、図らずも祇園祭の初日に重なり、雰囲気の一端に触れられたのは幸運でした。三度にわたる京都詣ではこれをもって完結し、翌週からしばしの活動休止期間に入ります。
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