日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

花見の旅in九州 - サンライズ出雲

2019-03-24 22:42:57 | 中国
福山で通過待ちの合間にホームへ下りたところ、城郭に夜桜の提灯が並んでいるのに気付きました。春到来をありありと実感する光景でした。「のぞみ」に道を譲って発車した後、車窓に見えてきたのは赤い月です。今夜も月明かりを眺めながらの帰り道となります。
春分の飛び石連休で九州へ行くことについては既定方針でした。そのため、帰りの列車の手配だけは早めに済ませるつもりでした。ところが驚いたのは、サンライズのシングルが満席というまさかの回答です。その時点で発売の翌日でした。あれほど混んだ11月の連休でさえ、余裕を持って手配できたことを考えると、団体客に重なった可能性が疑われました。真相のほどはさておき、九州から新幹線で延々戻るというのも味気ないものがあります。一時は日程の見直しも覚悟したところ、幸いソロが空いていたため、そちらで妥協するという顛末です。
そのような事情もあり、シャワーカードは岡山へ着く以前に早くも売り切れていました。しかし、不幸中の幸いというべきか、今日は汗をほとんどかきませんでした。風頭公園からバス停までの急坂を上ったときと、ちゃんぽんをすすったときの二度だけです。「瀬戸」の編成ならまだ残っている可能性はあるものの、前の方まで延々歩いて買いに行くのも煩わしいものがあります。風呂は見送り、その分早めに休むつもりです。

★岡山2234/サンライズ出雲(5032M)/708東京
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花見の旅in九州 - こだま762号

2019-03-24 20:09:01 | 中国
二駅先の新下関で降り、長い長い通路を歩いて新幹線に乗り継ぎました。かつての花形500系で岡山へ向かいます。
時代の数歩先を行く性能が、扱いやすさ、画一性を重んじる東海からはかえって嫌われ、西日本管内に封じ込められてから十年近くが経ちます。今ではN700系に何度も道を譲りつつ、山陽路を細々と走っているに過ぎません。「出る杭は打たれる」の諺を鉄道車両に当てはめるなら、最たる例の一つというべき形式です。現代の新幹線車両が失った華々しさをこの車両は持っています。幸いにして、今春の改正でも「サンライズ」に接続する運用は残りました。少なくとも来春まではこのままでしょう。その間に九州へ何度足を運ぶかは未知数ながらも、帰りはこの列車を極力利用するつもりです。

★新下関1955/こだま762(762A)/2217岡山
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花見の旅in九州 - 3500番台

2019-03-24 19:45:37 | 中国
「三枡」に長居したことにより、115系に乗れる区間はわずかとなってしまいました。3500番台を間に挟んだ四連で、新下関へ移動します。
予定していた列車を逃し、新山口まで上ることができなくなり、やむなく新下関で乗り継ぐという結果は、昨秋訪ねたときと同様です。ただし、その内容には歴然とした違いがあります。あのとき直接の原因となったのは、注文した湯豆腐がなかなか出てこなかったことです。さらに元を正せば、博多と下関での乗り継ぎが噛み合わず、着くのが小一時間遅れたという伏線があります。つまり、自身にはどうにもできない事情による待ち時間が響いて、115系に乗れる時間がその分短くなったということです。それに対し、今回注文したものは、いずれもこちらの予想をはるかに超える、往年と比べても遜色のない早さで提供されました。元々見送るつもりだったふくちりと雑炊をいただいて、滞在時間を倍近くに引き延ばした代償が、乗車時間に反映された形です。前回と違って、失った乗車時間以上のものを取り返しているわけであり、全体を通じてみれば勝ちといってもよいでしょう。

★下関1939/3418M/1947新下関
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花見の旅in九州 - 三枡

2019-03-24 17:41:00 | 居酒屋
下関で列車を降り、脇目も振らずに駅前の歩道橋を渡りました。目当てはもちろん「三枡」です。
九州からの帰り道、ここで一献傾けてから山陽本線を上り、新山口から500系の「こだま」に乗り継ぐ行路が最近定着しつつあります。そのためには下関を七時前の列車で出る必要があります。下関に着くのが五時半になることを考えると、実質的な持ち時間は一時間ということです。それだけに、今回ふくちりまでいただくのは難しかろうと思っていました。博多での乗り継ぎの合間に、折尾のかしわめしを押さえたのも、手早く呑んで席を立ち、〆はその後済ませるという前提があってのことです。しかしいざカウンターに向かうと、時間を気にしながら呑むのがもったいなく思えたとでも申しましょうか。ガラスケースにあった鯵のせごしをまず選び、ゴマサバと鯨煮を加えるころまでは想定通りだったものの、それに加えて衝動的にふくちりを注文してしまいました。たとえ列車を逃しても、後は野となれ山となれの心境という点では、いわば「未必の故意」ということもできます。
独酌にもかかわらず何皿も並べるのは野暮であり、席に着くなり四品も頼むことはまずありません。ここに限ってそうするのは、提供時間が読みづらいという事情によります。ところが今日は前回以上に順調です。ガラスケースにあった鯵せごしがすぐに出るのは予想通りとして、ゴマサバと鯨煮もすぐに運ばれ、ふくちりも三十分でお出ましとなりました。三組いた先客のうち一組が入れ違いに出て、落ち着いた間合いに重なったという事情によるところもさることながら、若主人の腕前が次第に上がってきたということでしょうか。店の老朽化に女将の体力面など、まだまだ予断を許さない状況ながらも、一時の苦境を思えば、ここまで立て直したのは天晴れです。今日はとことん呑むと決め、雑炊までいただいて席を立ちました。

三枡
下関市竹崎町2-13-1
083-223-8608
1500PM-2300PM
第一水曜及び盆正月休業

菊川三合
あじせごし
ごまさば
鯨煮
ふくちり
雑炊
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花見の旅in九州 - 415系

2019-03-24 17:17:45 | 九州
あえて一本見送ったのに続いては、一つ手前で降りました。戸畑から乗車したのは415系の普通列車です。
下関へ行く列車の大半が小倉または門司始発、さもなければ日豊本線からの直通となるのに対して、こちらは折尾始発の珍しい列車です。博多から乗ってきた「ソニック」がスペースワールドでこの列車を抜き、直後に停車するのが戸畑で、小倉まで乗ったとしても結果としてはこの列車に乗り継ぐことになります。その結果、一つ手前で降りた方が、待ち時間は短くなるという寸法です。
やってきたのはロングシートに改造された100番台です。見方によれば、小倉まで乗れたはずの「ソニック」を下り、わざわざ乗り継いだのは損だったともいえます。しかし、この車両とて国鉄型には違いありません。自由席が混み合う日曜の夕方、一駅とはいえ手前で降りて席を譲り、国鉄型に長く乗ろうと考えた次第です。

★戸畑1705/220M/1730下関
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花見の旅in九州 - ソニック39号

2019-03-24 16:24:04 | 九州
「かもめ」に博多まで乗り通すと、4分の間合いで「ソニック」に接続します。しかし、日曜の夕方という条件も考えると、発車間際の着席は難しかろうと思われました。しかも、小倉では下関行の列車に紙一重の差で接続せず、無駄な待ち時間が出るのも分かっています。あえて一本やり過ごし、後続列車に乗りました。乗り継ぎの合間に土産も買い、一石二鳥という寸法です。

★博多1619/ソニック39(3039M)/1701戸畑
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花見の旅in九州 - かもめ96号

2019-03-24 14:25:34 | 九州
宿に預けた荷物を引き取り駅へ移動。列車に乗り込み、最後にもう一度だけ外の空気を吸ったところで、出発信号機が変わりました。長崎を後に博多へ戻ります。
この列車のために開発された885系こと「白いかもめ」に対し、いわば「つばめ」のお古である787系による運用です。帰りも花形である「白いかもめ」に乗れればそれに越したことはありませんでした。しかし、これ以上遅くなると「三枡」へ寄るのに十分な時間が残りません。大分までの片道と合わせ、道中で既に三回乗ったこともあり、帰りは実をとりました。
下関に早く着けるだけでなく、他にもよいところがいくつかあります。臨時列車のため格段に空いているのが一つ。885系と違って遮光フィルムが貼られないため、車窓がより鮮明になることが一つです。もう一つの違いとして、振子式の885系よりも重量感があって乗り心地がよい点を挙げることができます。今でこそ脇役に甘んじてはいるものの、こちらもかつての花形には違いありません。「きりしま」とは一味違う、本来の性能を目一杯に使った走りは貴重です。老優の走りに身を任せつつ帰ります。

★長崎1346/かもめ96(9026M)/1553博多
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花見の旅in九州 - 天天有

2019-03-24 13:01:24 | B級グルメ
来た道を引き返し思案橋で下車。お待ちかねのちゃんぽんをいただいて締めくくります。思案橋でちゃんぽんなら三八ラーメンかというところ、その手前に頃合いの店が出現したため飛び込みました。立ち寄るのは「天天有」です。
思案橋横丁の最も電停寄りにある店がここで、隣には雲龍亭の本店があります。あちらと同様、いかにも老舗然とした佇まいの店です。その予感に誤りはなく、昭和初期の創業以来四代続くと品書きにはあります。ちゃんぽん、皿うどんを二枚看板にしたてらいのない品書きの中から、手堅く選んだのはちゃんぽん750円也。1100円する特製ちゃんぽんが、別紙を一枚使って推されてはいるものの、基本の味を知りたいと思ってのことです。しかしてそのちゃんぽんは、やや平たい丼を使った出で立ち、具材の構成から味わいに至るまでてらいがなく、お手本通りの完成された一杯でした。

天天有
長崎市本石灰町2-14
095-821-1911
1030AM-1500PM/1700PM-2330PM(LO)
第二・第三・第四水曜定休
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花見の旅in九州 - 路線バスの旅

2019-03-24 12:28:31 | 九州
レンタカーでもう一度走ることは叶わなかったものの、これでよかったともいえます。仮に車を手配できても、五時頃までには戻らざるを得ず、それほど遠くへ行くことはできなかったからです。立山と風頭山を掛け持ちし、おまけに花見もできたのは上出来といってよいでしょう。
それらに並ぶ収穫として路線バスの旅があります。他の都市ならありえない急斜面にも、住宅が建ち並ぶのが長崎の特徴です。その結果、バスもそのありえない場所を結んで走ります。乗用車ですら難儀する急勾配と旧曲線を、大型のバスが上り下りする光景は見応え十分でした。住宅地の中にある、決して広いとはいえない転回場を、目一杯に使って折り返すところなども楽しいものがあります。そればかりか運賃も安く、立山も風頭山も片道160円でした。このバスが500円で乗り放題になるのであれば、終日注ぎ込んでもよいところでした。

ついでにいえば、長崎に着いたとき、宿までの移動手段もバスにしました。電車の場合、立錐の余地もないほど混み合うことがしばしばあり、大荷物を担いでの乗車は特に難儀でした。去年の暮れに鹿児島を訪ねたとき、あえてバスに乗るのが有効という事実に気付き、二匹目のどじょうを狙った次第です。120円で済む電車より割高とはいえ、荷物を置き、座って楽々移動できることの効果は絶大でした。
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花見の旅in九州 - 桜まつり

2019-03-24 12:01:10 | 九州
電車と並ぶもう一つの副産物がありました。バスを降りるやいなや気付いたのは、桜まつりの幟でした。立山公園には及ばないものの、こちらも地元では知る人ぞ知る名所ということのようです。
まだ咲き始めたばかりとはいえ、起伏のある遊歩道に沿って桜並木とぼんぼりが続き、展望台のある方からはもの悲しげな昭和歌謡が聞こえてくるなど、雰囲気だけは祭です。日当たりの良い場所にあるソメイヨシノが、三分咲き程度にまで開花しており、その近くにある小公園がロープで仕切られ、町内会の札が下がっています。やたらに暑かった初日とも、冷たい風が吹いていた昨日とも違う、適温無風の花見日和です。バーベキューのコンロが並んでいることからして、ご近所同士でこれから花見をするのでしょう。観光客が全く来ない、地元客御用達の名所という点では、函館公園に松本の城山公園、あるいは伊那公園にも通ずる長閑さです。
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花見の旅in九州 - 風頭公園

2019-03-24 11:48:55 | 九州
そのようなわけで風頭公園にやってきました。一言でいうなら、稲佐山からの眺めを鏡に映したかのようです。港口に架かっている斜張橋を起点に、港と駅を通って内陸へと延びていく、南北に長い市街が横たわっており、奥の市街は浦上ではなく蛍茶屋へと続きます。稲佐山の山頂とこちらを結ぶ直線が、駅と港のほぼ中間を通っているということは、あちらのほぼ真向かいから市街を眺めているということです。鏡に映したようになるのも当然ではあります。これは取りも直さず、横方向に間延びするということに他なりません。全景としてまとまりがあった立山、鍋冠山と違い、部分的に切り取らざるを得ないため、写真映りとしてはあちらに一歩譲ります。
方角以外に異なる点がもう一つあります。長崎市街が対岸か、こちら側かという違いです。港の向こうに市街が広がる稲佐山に対し、こちらでは市街が手前、港が奥という位置関係になります。その結果、中心街に密集する高層建築により、全体的に雑然として見えるのが惜しいところです。家々の小さな明かりが散らばる夜景としての美しさを考えても、稲佐山に及ばないであろうことは想像がつきます。
このように、画竜点睛を欠く部分はあるものの、ここならではの眺めもあります。長崎駅の方から来てトンネルを抜け、市民会館前へと至る電車の線路が見えるのです。しかも、トンネルを抜けて右にカーブを切った後、こちらへ向かって直進して電停に至り、交差点を左折して繁華街の方から来た路線と合流し、蛍茶屋へ向かうという線形です。曲線を挟む形で停車し、なおかつその様子を真正面から一望できるという眺めは、諏訪山公園の展望台から見渡す神戸駅を彷彿とさせます。昨日に続いて五島から来たフェリーの入港にも立ち会うことができ、動的な眺めを含めて楽しめる展望台ではありました。
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花見の旅in九州 - 前言撤回

2019-03-24 10:36:27 | 九州
立山にだけ寄るつもりが前言撤回です。バスを乗り継ぎ風頭山へ向かいます。
鍋冠山、立山と並んで、夜景の穴場と聞いていました。ただし、情報源となったサイトの解説によると、他の二ヶ所に比べてやや地味な眺めとされていました。その結果、昨夜は鍋冠山を再訪し、こちらについては手つかずでした。立山を再訪して終わりにするつもりでいたところ、ふとこの公園のことが思い出され、「迷ったら買え」の経験則に従った次第です。
乗り継ぎの合間に、宿へ戻って不要な荷物を預けました。身軽になれるのはもちろんのこと、下山後は繁華街にもう一度寄ることになるため、最後にちゃんぽんもいただけて一石二鳥という寸法です。
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花見の旅in九州 - 立山再訪

2019-03-24 09:27:42 | 九州
早々に出発するとは申しましたが、その前に寄りたい場所がありました。立山から長崎市街を見渡します。
北北東から南南西の方角を見渡す関係上、絵になるとすれば午前中の早い時間帯か、さもなければ影絵の世界が広がる日没以降ということになります。昨日の昼に訪ねたときは逆光気味となっており、なおかつ空全体に薄雲が広がって、画竜点睛を欠く眺めでした。幸いバスは頻発しており、宿の最寄りのバス停から一本で行くことができます。帰りも同じバス停から駅に直通できるため、駅へ向かうついでに寄るという芸当が可能です。天候と時間帯を含め、お誂え向きの条件が揃った以上、寄っていくしかなかろうと考えたのでした。
早めに宿を出たこともあり、日差しはわずかながらも左後方から射しています。遠景の鮮明さ、空と海の青さも申し分ありません。頻発するバスですぐさまたどり着き、下りるやいなやこの絶景が広がるということは、電停から延々上る鍋冠山より手軽な名所ともいえます。次はここから夜景を眺めてみたいものです。
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花見の旅in九州 - 連泊

2019-03-24 08:39:15 | 九州
長崎に連泊したのは昨秋以来ですが、そのときは一泊目にドーミーインを押さえることができなかったため、同じ宿に連泊するのは初めてでした。それによって気付いた、この宿唯一の難点ともいえることがあります。正確には、この宿というよりカプセルホテルの限界とでもいうべきものです。
これまでにもしばしば語ってきた通り、旅先ではカーテンを開けたまま休むのが常です。その背景には、キャンプと同様、外が明るくなってくることで夜明けを知り、日の出と同時に動き出すのが、旅先での一日には最もふさわしいという考えがあります。しかし、カプセルは当然ながら真っ暗です。その結果、夜明けに気付かず眠ってしまい、気付いたときには結構な時間だったという現象が起こりがちで、昨日も今日もそうなってしまいました。特に今日のような晴天の場合、少しでも寝坊をすると損したような気分になります。
しかし、圧倒的な低料金と利便性を考えれば、それによる正味の損失はわずかです。そもそも、夜明けに気付かずそのまま眠ってしまうのは、ここのカプセル、もといキャビンが、それだけ静かで快適ということでもあります。今回もその効用は絶大でした。
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花見の旅in九州 - 四日目

2019-03-24 07:59:18 | 九州
おはようございます。昨日は昼過ぎから晴れた後、日没間際に薄雲が出始め、夕日はそれに紛れて消えました。市街に戻る頃には一瞬とはいえ雨粒が落ち、月も隠れたままでした。しかし、最後に宿へ戻る途中に見上げると、やや欠けた月が天頂に浮かんでいたという顛末です。
引き続き空には雲一つなく、晴天が終日続くと予想されています。道中を通じても一番の好天です。こうなると、レンタカーでもう一日活動したいと思うのが人情ではありますが、残念ながらどの営業所にも在庫がありません。これが自分の車なら、思い立った時点ですぐに出られるわけであり、レンタカーによる活動の限界を感じます。とはいえ、長崎まで自家用車とフェリーを使って来たとすれば、今回の旅と同じことをするのに最低でも一週間かかります。そう考えると、汽車旅にレンタカーを組み合わせることの効用が大きいのも事実です。もう一日走りたかったと嘆くより、一日とはいえ走れたことに感謝すべきでしょう。その感謝を胸に帰れという思し召しと受け止めます。
そのようなわけで、長崎に残るとすれば電車に乗る程度の使い道しか思いつきませんが、それは好天のときにしかできないものでもありません。早々に出発し、新装なった門司港駅を訪ねた後、下関の「三枡」で一杯やろうというのが今のところの予定です。
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