日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

春まだ浅い北陸へ 2018 - 紋や

2018-03-03 21:52:41 | 居酒屋
日没まで活動した上にその後の移動が加わって、夜の部は九時台の後半からという状況です。選択肢は自ずと「紋や」に絞られました。
教祖の導きに頼ることなく自ら発掘した店の中でも、とりわけ愛用してきた店の一つであることについては、折に触れて申してきました。初めて福井に泊まって呑んだときから今回まで、他の店に行ったことは何度かあるにはあるものの、この店に行かなかったことはありません。特に最近では、この店一軒限りという状況が続いており、今回もそうなりそうな情勢です。弘前でさえ「はすや」以外の店へ行くことがしばしばあることを考えると、一軒への依存度という点では長岡の「魚仙」、熊本の「瓢六」と並ぶ筆頭格といえます。
「魚仙」と「瓢六」の場合、酒、肴、居心地のどれをとっても店の出来が突出していて、他へ行く気が起こらないというのが理由です。これに対して福井の場合、気になる呑み屋がないわけではないのです。しかし、趣向を変えようとしたところ、立て続けに振られるという経験をした結果、これも何かの思し召しと受け止め、原点に回帰したという経緯があります。

このようなことになったそもそもの原因は、初めて福井に泊まって呑んだ当時、教祖の推奨店が一軒もなかったという事情によるところが大です。呑み屋街を一通り歩いてみて、これはと思う店に飛び込んだところ、悪くはなかったものの決め手には欠けるという惜しい結果でした。しかし、呑み屋街から少し離れた路地裏に入ったとき、この店の明かりに閃くものを感じて飛び込んだのでした。
その後「かっぱ」が教祖によって紹介され、自身の好みも大衆的な店へと移っていきました。仮に今の自分が初めて福井を訪ねたとすれば、手堅く「かっぱ」を訪ねて気に入り、そのまま通い続けていたかもしれません。そうなれば、店先に品書きもない、やや敷居の高そうなこの店に、わざわざ飛び込む気になったかどうかは微妙です。あの状況だったからこそ出会えた店であることを考えると、何かの縁を感じずにはいられません。他店でなまじ飲み食いするより、この店で心行くまで呑んだ方がよいというのが目下の考えであり、一極集中は当面続くことになりそうです。

紋や
福井市中央3-4-6
0776-23-0040
1700PM-2400PM
日曜定休(祝日の場合は営業し翌日休業)

常山・早瀬浦・伝心
突き出し(蟹玉豆腐海苔あんかけ)
お造り盛り合わせ
竹田のあげ焼き
湯豆腐
じゃが揚げ・サバの子一夜干し(おごり)
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春まだ浅い北陸へ 2018 - 十六夜

2018-03-03 21:12:44 | 北陸
福井に着きました。日中13度まで上がった気温が、次第に下がって県境では2度になり、その後6度に戻りました。空を覆っていた薄雲は次第に晴れ、東の空には十六夜の月が煌々と光っています。
金沢の周辺で一日費やすという予想外の結果となりましたが、元々主題にしていたのは、記録的な豪雪に見舞われた福井の様子を見届けることでした。昨日列車の窓越しに見た限りでは、大分解けたという印象を受けたものの、市街に残った雪の量が金沢市街とは明らかに違い、かき集められた雪が背丈以上の高さに積み上がっているところもありました。一月近く経ってもこれだけ残っているという事実から、どれほどの豪雪だったかが窺われます。明るくなってからの眺めも楽しみにしておきましょう。
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春まだ浅い北陸へ 2018 - 糸合シ由

2018-03-03 19:26:32 | 北陸
新幹線の開業に先立って汽車旅が復活するまで、北陸への交通手段をもっぱら車に頼っていた時期がありました。その当時、金沢と福井の行き来に愛用していたのが県道22号線です。久々に走ってみると、100円の通行料を徴収していた橋が無料化されるという変化がありました。さらに大きく変わったのが、小松で合流する8号線です。かなりの区間が4車線化されており、小松のバイパスにいたっては、8号線全線を通じても希に見る、北陸道も顔負けの高規格道路でした。その道を下って福井との県境に迫ったところで、沿道に宇佐美の給油所が現れました。出発時の燃料を八割方使い切ったため、ここで給油を済ませていきます。
先週末からの走行距離は540kmとなっており、通算20万kmまではあと700km少々です。福井まで走ることを考えると、本日の走行距離は100kmほどになるでしょうか。明日活動しつつ金沢方面へ戻っていくと、おおむね同じ距離を走ることになるため、合わせて150km弱を稼ぎ、大台まで550kmほど残るという計算です。金沢から帰ると400km台の後半になり、少なくとも計算上は大台に達する前に帰り着くことになりますが、それはあくまでまっすぐ帰った場合の話です。さらに一週延ばした場合、来週末に到達する可能性も出てきました。
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春まだ浅い北陸へ 2018 - 撮影終了

2018-03-03 18:15:23 | 北陸
日没まで粘って撮影終了です。例によって往生際の悪さを発揮した形ですが、粘った甲斐がなかったわけではありません。西の彼方の空が晴れており、日が沈む間際になって夕焼けが広がったからです。その夕焼けが白山をごくわずかに照らす中、暮れなずむ駅に電車がやってくるという、印象的な場面を眺めることができました。北陸三県の私鉄の中では影が薄く、撮影の対象として意識していなかった北鉄も、雪が積もれば絵になると分かったことは、本日最大の収穫となりそうです。
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春まだ浅い北陸へ 2018 - ラッセル車

2018-03-03 16:51:33 | 北陸
行きがけの駄賃程度にするつもりが、思わぬ展開になりました。まだ撮影を続けています。
正午を過ぎた頃、少し離れた田圃の中に、いつの間にやら何台かの車が止まっているのが見えました。田圃の中に農耕車以外の車が並んでいれば、かなりの確率で同業者と思って間違いありません。雪が溶けて田畑が温み、撮影にはお誂え向きの条件とはいえ、これだけ集まるのは只事でなく、おそらく何かが起きるのだろうと直感しました。
やがて鶴来の方からやってきたのは、両端にラッセルヘッドを取り付けた凸型機関車でした。もちろん雪かきが要るような天候ではありませんが、まさかの事態に備えて定期的に走らせているのでしょう。咄嗟のことでどうにもならず、その場は撮り損なったものの、いずれあの機関車が野町から戻ってくるのは明らかでした。そこで、取り急ぎラーメンをすすった後、同業者が集まっている踏切へ向かい、戻ってきた機関車を撮りました。彼等が帰った後も撮影を続け、現在に至るという経過です。

何気なく訪ねたつもりが、思わぬ収穫に結びついたというと、直近では「ことでんレトロ」の運転日に重なった正月が思い出されます。しかし、運転日が公開されているあちらと違って、こちらはいつ走るかも未知数だけに、一昨年津軽鉄道で工臨に出くわして以来の珍事ともいえます。先月弘南線でいつまで待っても来なかったラッセル車が、何の期待もしていないときに限ってやってくるとは、何が起こるか分かりません。
実は、機関車が通過する頃から薄雲が出始め、今は厚い雲の向こうに鈍い光が見えるだけという、撮影には今一つの条件になってしまいました。結果としては、彼等とともに切り上げればよかったともいえます。それでも撮影を続けたのは、残雪が絵になるのに加え、てらいのない構図で撮ったり、正面がちに捉えたり、引きをとって残雪を入れたりするなど、思った以上に幅広い作画ができるからです。彼方には分厚く積雪した白山が鎮座しており、引き続き晴れてくれればそれを点景にして撮りたいところでした。とりあえず光量の限界まで粘りますが、明日も晴れれば再訪するにやぶさかではありません。
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春まだ浅い北陸へ 2018 - 8番らーめん

2018-03-03 13:22:09 | B級グルメ
さらなる場所が見つかって、午後も撮影できそうな情勢になってきました。しかし、朝食抜きで走り回ったため空腹感が限界です。列車の間合いを縫って8番らーめんに駆け込みました。わずかな時間も惜しまれる中、近くにあってくれたのは助かります。

★8番らーめん鶴来店
白山市明島町山96-1
076-272-3388
1100AM-2130PM(LO)
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春まだ浅い北陸へ 2018 - 水温む

2018-03-03 12:23:17 | 北陸
上り列車向けの場所を求めて駅の南の踏切に移動すると、雪解けで水温む田圃が広がっていました。列車を大きく撮ろうとすれば、線路の向こうに建つ送電線が目障りなのに対して、この田圃を大きく入れれば早春らしい一駒になります。正午が近付き、日射しは列車の側面から正面に回りつつあって、下り列車はもう限界という状況ですが、雪が日射しを反射してくれるため、ここなら逆光気味でもまだ撮れそうです。
気温は既に10度を超え、上着要らずの暖かさになってきました。この陽気が明日も続き、明後日は大雨というのが最新の予報です。そうなればこの雪もいよいよ解け去るでしょう。数日でも前後すれば撮れなかった、今しか記録できない貴重な光景です。
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春まだ浅い北陸へ 2018 - 石川線

2018-03-03 11:05:05 | 北陸
金沢にしばし滞在していきたいのはやまやまながら、車で来たからにはそれを活かした方が得策です。未練はありながらも出発し、石川線の沿線を下ってきました。
目下の課題は金沢以西に残った北陸特急であり、それが今回車でやってきた理由の一つでもあります。しかし、福島交通の7000系が置き換えられていく中、北鉄の車両も末永く安泰とまではいえません。走行中の写真を一度も撮っていなかったため、この機会に撮っておこうと思い立った次第です。
一度も撮ったことがないのは、沿線に住宅が建て込んでいて、撮影に適した場所が少ないからですが、井口の駅前にお誂え向きの場所を見付け、そこで下り列車を撮りました。線路の方角からすると午前いっぱい撮れるでしょう。駅の南側の一帯も比較的開けているため、さらなる場所を探してみます。
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春まだ浅い北陸へ 2018 - 二日目

2018-03-03 08:40:57 | 北陸
おはようございます。昨夜は日付を少し跨いでから「あぐり」を辞去し、歩いて宿に戻りました。窓の外が明るくなってきたのに気付いて目覚めたのが六時半、卯辰山の向こうから朝日が昇ってきたのが七時前です。部屋から眺める夜明けの一部始終は今回も印象的でした。
天気予報は的中し、今日は朝から雲一つない快晴です。気温も15度まで上がるらしく、今週末に関する限りは春の気候ということになります。この陽気で雪解けはさらに進むと予想され、雪景色は微妙になってきましたが、水温む季節というのもよいものです。とりあえず、白山が絵になる場所を探し求めて走ります。
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