日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北縦断花見の旅 2017続編 - はすや

2017-05-01 22:45:01 | 居酒屋
初期の「はすや至上主義」から脱却し、はしご酒をすることも多くなった近年ですが、花見の時期については今なお「はすや」に頼り切りという状況が続いています。今夜もこの店一軒限りとなりました。
早い話が時間の問題です。夜桜見物を終えてから行くということになると、「しまや」と「山水」は看板になっており、「弦や」でもほとんど時間がありません。よって、これらに行くなら夜桜の前に軽く一杯やるのがせいぜいですが、今夜も昨夜もその時間はありませんでした。その点、日付が変わるまで開いており、なおかつ早仕舞い、臨時休業もほとんどないこの店は、頼みの綱というべき存在なのです。

数え切れないほど通い詰め、今更書き留めておくべきこともほとんどないのが実情ではありますが、今夜はまたもお通しについて語りたいと思います。今夜は身欠き鰊が出てきました。津軽で身欠き鰊といえば、軽く炙ってから味噌をつけていただくのが定番のところ、刻んだめかぶと青唐辛子で和えたもので、見た目からして肴にはお誂え向きの品でした。前日はメヌケのアラを豆腐とともに温めたもので、こちらも最初の一杯を受けるには絶妙でした。
それらのお通しについて、一品料理としても十分成り立つという評価を繰り返してきたわけなのですが、それとともに思うのが、家庭でも真似できそうな、しかしなかなか思いつかない品々だということです。これが、昔ながらの家庭料理を宗とする「しまや」、磨き抜かれた料理人の仕事を見せる「山水」に対する当店の明確な特徴ではないかと思います。店主の引き出しの豊富さと、研究を重ねた跡が窺われる逸品でした。

はすや
弘前市上瓦ヶ町1-1-2F
0172-33-6981
1800PM-2400PM
日曜定休

ん・六根
お通し(身欠き鰊)
鰆タタキポン酢
ポテトサラダ
海老と山芋の磯辺揚
たいのあら汁
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東北縦断花見の旅 2017続編 - 第二夜

2017-05-01 22:17:48 | 東北
九時過ぎから始め、小一時間ほどで切り上げるつもりが、10時で消えるはずの明かりがなおもついており、つい引きずってしまいました。呑み屋の看板が気になってきたため、第二夜はこれにて打ち止めとします。
撮るべきものは昨夜のうちに一通り押さえており、既に見頃を過ぎたのも日中の状況から分かっていたため、しみじみ鑑賞することに重きを置きました。半袖で過ごせた昨晩よりも冷えたものの、長袖シャツと薄手の雨合羽で間に合う適温でした。ほぼ無風だったことを含め、今夜もよい条件で鑑賞できたのは幸いです。
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東北縦断花見の旅 2017続編 - カプセルイン弘前

2017-05-01 20:38:42 | 東北
自転車でも間に合う範囲だけを行き来し、本日はわずか10kmほどの走行でした。投宿し風呂に浸かって生き返ったところです。
紹介が遅れましたが、今回の滞在ではカプセルイン弘前の世話になっています。弘前の開花時期と自身の行動予定に多少の幅を見込み、その間の宿泊を全て押さえておくという手法を初めて試みたのは昨季でしたが、それを可能にしてくれたのがこの宿です。今季は昨日から6日までの7日分を押さえ、結果として着く日は見事に噛み合いました。連休の終盤まで残る可能性は低くなりましたが、滞在最終日まで世話になる予定です。
呑み屋街の只中で弘前公園も近いという立地に加え、源泉掛け流しの温泉までつく破格の快適性については、過去にも繰り返し絶賛してきた通りです。実は、最初に照会した時点で満室だった日が一日あり、その日はたまたま東横インが空いていたため押さえたものの、後からここに空きが出たため、わざわざ解約して乗り換えたという経緯があります。このことからも、自分がどれだけここを愛用しているかがお分かりいただけるでしょう。
そこまで絶賛するのは、快適性に加えてもう一つの利点があるからです。駐車料が100円と格安で、しかもチェックアウトが12時までとなっており、駐車場も当然それまで使えるのです。外出扱いにしてもらって弘前公園を訪ね、車を引き取ってから「田沢食堂」で朝兼昼をいただけば、一切の無駄なく動けるという仕掛けです。少なくとも花見の時期に関する限り、この宿以外の選択肢は考えられません。
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東北縦断花見の旅 2017続編 - 残照

2017-05-01 19:25:20 | 東北
連日好天に恵まれている中でも、今日の天気は出色でした。七時半が迫っても西の空はまだ残照があり、岩木山の稜線も鮮明に浮かび上がっています。それだけ空気が澄んでいるのでしょう。
それに加えて特筆すべきは肌寒さです。日中に禅林広場を訪ねたとき、あまりの寒さに雨合羽を羽織ったと申しました。ただしそれは木陰で風に吹かれたからでもあります。日向を歩けば汗ばむだろうと考えて、弘前公園では雨合羽を脱いで歩きました。しかし汗ばむ場面は一切なく、それどころか雨合羽を持ってくればよかったかと後悔させられました。少なくとも午前中は汗ばむ陽気だったわけで、午後から空気が変わったということなのでしょう。青空に白い雲が浮かんで冷たい風が吹き、その風が日没と同時に止むという流れは、会津の初日と同様でした。同じことが繰り返されるとすれば、明日は雲一つない快晴ということになります。岩木山の上空にあった雲がいつしか消え、今のところはそうなりそうな気配が漂っています。
現在の気温は11.5度、しかし体感温度は数字以上に低く、夕景を眺めているうちに身体の芯が冷え切ってしまいました。風呂で温まってから夜桜見物に出ますが、今夜は長袖シャツと雨合羽が要りそうです。
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東北縦断花見の旅 2017続編 - 一期一会

2017-05-01 19:07:12 | 東北
弘前で夕景を眺めるならばここしかありません。禅林広場に戻ってきました。高台の縁に三本並ぶソメイヨシノが影絵になり、左にある岩木山の裾野に日が沈むというのがここの眺めです。何もなければ巨大に見える岩木山が、手前にある桜との対比で小さく見えるという仕掛けが心憎く、観光客の姿は皆無、十中八九が貸切状態という穴場でもあります。
唯一の難点は、西日を真正面から浴びる形になるため、快晴の日には眩しくなりすぎることです。今日はまさしくそのような条件だったため、日没間際に行くのがよかろうと見ていました。そのつもりで六時過ぎに乗り込むと、夕日は左の裾野に近付いており、10分ほど経ったところで完全に沈みました。
それだけなら過去に何度も眺めてきた光景ですが、今日はさらなる見せ場が用意されていました。周囲には雲一つないにもかかわらず、岩木山の上空にだけ雲が出ていたのです。いつものようにカメラを構えると、左上に雲、その下に岩木山、右半分が桜という配置が秀逸でした。しかも、残照に染まった雲が色と形を変えるというおまけ付きです。山頂に居座る雲なら台無しになるところ、絶妙な高度差があったために現れた、一期一会の夕景でした。
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東北縦断花見の旅 2017続編 - シ朝日寺

2017-05-01 17:38:54 | 東北
本丸を通って西濠に下り、左岸と桜のトンネルをもう一度歩いて終了です。午前中に一周したにもかかわらず舞い戻ってきたのは、日の向きが変われば眺めも変わってくるからに他なりません。眺めが変わったばかりか人出も増え、撮影の対象としては今一つな部分が多かったものの、日陰になった外濠の花筏に木漏れ日が差していたり、朝は逆光だった本丸のエドヒガンの大木が夕日を浴びていたりと、時間帯を変えたからこその収穫はありました。
もっとも、今日の風が一段と桜を散らし、エドヒガンとソメイヨシノについては潮時の様相を呈してきました。花筏だけは明日も見に行くつもりですが、午後は本日一回限りとし、明日は岩木山麓か津軽半島に足を延ばそうかと考えています。
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東北縦断花見の旅 2017続編 - 二周目

2017-05-01 16:51:55 | 東北
その後弘前公園に戻って二周目に突入。四の丸、西濠、二の丸、外濠、市民広場の順に回って二の丸に戻り、大枝垂の前のベンチで一息つきました。雪の重みで倒れ瀕死の状態に陥ってから五年、再訪する度に樹勢を回復しており、遠目には二階ほどの高さから地面すれすれまで枝垂れているように見えます。よくよく見れば上段、中段、下段の三段階ほどに分かれてはいるものの、それらがつながっているかのように見えるのは、いかに枝と花の数が多いかということでもあります。他のエドヒガンがほぼ散り終わった今もなお、これだけ咲いているのは大したものです。高さはともかく、枝と花の数については往年の姿を八割方取り戻したといってよいでしょう。
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東北縦断花見の旅 2017続編 - 禅林広場

2017-05-01 13:01:05 | 東北
人出が増え出す前に、昼時に重なる前にとひたすら先を急ぎ、午前中は息をつく間もありませんでした。その甲斐あって弘前城を早くも一周できたため、ようやく一息入れることができます。禅林広場の桜の木陰に折りたたみ椅子を置き、岩木山を眺めつつ投稿中です。
吹きさらしの高台という地形もあり、北から風が吹いてきます。気温はこの時間でも14度、つまり昨夜着いたときより下がりました。風があるのは昨日の盛岡と同様ながら、体感温度はこちらの方がはるかに低く、先ほどから雨合羽を羽織っています。白い雲が浮かんだ空を含め、会津の初日を彷彿させる今日の気候です。
ここでも桜は大分散ってきており、花より若葉が目立っています。ここまで散ると花吹雪もささやかです。もはや見頃は過ぎ去った感がありますが、岩木山と桜の木々が青空に抜ける眺めは相変わらず見事です。
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東北縦断花見の旅 2017続編 - 田沢食堂

2017-05-01 11:27:57 | B級グルメ
幸いにもその後再び晴れてきたため、ここぞとばかりに再開し、駆け足ながらも午前中で城内をほぼ一周。その一方で気になり出すのが昼食事情です。弘前でお昼といえばもちろん「田沢食堂」ですが、昼時に重なれば着席以前に駐車場に入れるかが覚束なくなってきます。急いだ甲斐あってどうにか滑り込んだものの、出るときにはすっかり満車になっていたことからして、やはり11時半頃までには入った方が賢明なのでしょう。
去年は秋に訪ねることができず、冬に訪ねたときもこの店には寄っていないため、これが去年の花見以来一年ぶりの再訪ということになります。久々に訪ねて気付いたのは、チャーハンとカレーライスに100円引の「小」が登場したことです。380円の中華そばと460円のチャーハンを両方いただいても840円であり、内容を思えば全く高くはありません。しかし、480円の五目中華、みそラーメンと組み合わせることを考えると、いささか奮発しすぎな感があるのも事実です。その結果、麺類とご飯ものを組み合わせるなら、麺類の選択肢は中華そばに事実上限られました。チャーハンとカレーライスに「小」が登場したことにより、麺類の選択肢が格段に広がったのは朗報です。明日早速試してみることにしましょう。

田沢食堂
弘前市茂森町97
0172-33-2969
1000AM-1830PM(土曜祝日 -1600PM)
第一土曜及び日曜定休
中華そば380円
玉子丼430円
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東北縦断花見の旅 2017続編 - 三日目

2017-05-01 09:16:39 | 東北
おはようございます。早起きが復活し、今朝は七時過ぎに宿を出てきました。目当てはもちろん外濠の花筏です。昨晩着いたときの散りようからして、明るくなれば花筏が絵になるだろうということは明らかでした。そして、外濠の花筏が最も絵になるのは弱めの日差しを浴びた早朝です。人が増え出す前に回っておくという点でも、今日早起きするのは絶対条件でした。
その狙いは的中し、実に見事な花筏を眺めることができました。花びらの数と鮮やかさはもちろんのこと、桜の木々の影が映し出されるところも秀逸でした。例年立入禁止となっている堰堤が開放され、今までにない角度から鑑賞できたのも収穫です。
花筏が見事だったということは、ソメイヨシノが相当散ったということでもあり、満開ならこれが撮れただろうと思う場面が多々ありました。しかし、満開の桜まで眺めようとするなら、先週の木曜、金曜あたりに着く必要がありました。しかも、往生際の悪い性分からして、今日を潮時と見て切り上げるのも難しいでしょう。木曜から明日あたりまで滞在すれば一週間近くです。去年はその間に一時帰京が挟まり、満開と散り際を両方見届けるという貴重な経験をしましたが、大抵はどちらか一方しか眺めることができません。ならば自分はこちらで十分です。弘前ならではの眺めという点では、むしろこちらの方が真骨頂とさえ思います。
人が増え出す前に先手を打って動き回り、外濠、二の丸、四の丸を経て現在地は三の丸のピクニック広場です。九時前後から雲が出始め、日が陰る時間が長くなってきたため、天気待ちを兼ねて小休止をとっています。昼前に一旦切り上げて腹ごしらえを済ませ、午後は残りを回る予定です。
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