日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

本日の晩酌 - 豊賀

2017-05-17 23:48:41 | 晩酌
北信の酒で最も愛飲してきたのは何といっても「松尾」と「水尾」ですが、それらに次ぐ第三勢力ということになると「豊賀」かもしれません。去年は一度も出番のなかったこの酒が、久々の登場と相成りました。
「無濾過生原酒」の水準が年々高まる一方で、同じ路線の酒が増えすぎ食傷気味であることについては、このblogで度々言及してきたところです。それだけに、「中取り無濾過生原酒」の触れ込みにも半信半疑な部分はあったものの、幸いにしてよい方向に出てくれました。最大の特徴を挙げるとすれば豊かな酸です。沈殿まではしない、しかし蛇の目の酒器に注ぐと分かるほどよい澱絡みからは、芳醇、濃厚という形容を連想しがちなところ、豊かな酸と切れ味のおかげもあるのか、徳利がたちまち空いてしまいます。陳腐な言葉を借りれば「呑みやすい」ということになり、語弊を恐れずいうなら「寶劔」に通ずるものが感じられました。「豊賀」というと、以前は荒削りな部分を感じることもあったものですが、こちらはかなりの完成度です。進境著しい無濾過生原酒の世界はこの酒にも体現されていました。

★豊賀 純米吟醸中取り無濾過生原酒
高沢酒造(長野県小布施町)
原料米 美山錦
精米歩合 59%
日本酒度 +5
酸度 1.9
アルコール分 17度
酵母 長野C酵母
長野県須坂市 新崎酒店にて購入
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