日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

九ヶ月ぶりの再訪

2017-05-18 21:05:26 | 居酒屋
先日帰り際に一献傾けたとき、九ヶ月おきの再訪が理にかなっていると申しました。かような観点に合致するのが「虎ノ門升本」です。しかし一筋縄ではいかないものです。
最後に訪ねたのは残暑厳しき去年の九月、それからほぼ九ヶ月という間隔は、お誂え向きのようにも思われました。しかし本日の品書きはやや中途半端でした。品書きの筆頭に挙げられたイサキとスズキに、初夏の季節感がさりげなく感じられはするものの、初鰹に比べると燻し銀の名脇役と形容すべき品々です。山菜は既に終わり、さりとて谷中生姜に水茄子など夏の風物詩にはまだ早く、端境期という印象が拭えませんでした。対照的だったのが「創や」の品書きで、山菜、菜の花、アスパラ、春キャベツなどの文字は季節感に満ちていました。過去の経験からしても、季節を先取りしていく「升本」に対し、一歩後を追いかけるのが「創や」といってよさそうです。
これは、同じ時期に訪ねても品書きの季節感が異なるということに他ならず、今回のように端境期と重なってしまう可能性もあるわけです。そもそも、季節の移り変わりは春夏秋冬の四文字で言い表せるようなものではなく、四季をそれぞれ一回経験すれば足りるというものでもありません。九ヶ月おきに巡るという構想が、早くも皮算用と化しつつあるのを実感させられる結果ですorz
とはいえ、季節の変化を体感するには、一年おきより九ヶ月おきの方が依然として理想的ではあります。この間隔を堅持するなら、次の機会は来年の二月から三月にかけてでしょうか。寒さが緩み、次第に春らしくなってくる時期です。様変わりした品書きを楽しみにしておきましょう。

虎ノ門升本
東京都港区虎ノ門1-8-16
03-3591-1606
1630PM-2200PM(LO)
土日祝日定休

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