日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の大地を行く 2016 - 天塩弥生再訪

2016-09-25 21:25:46 | 北海道
橙色の街灯に浮かび上がったキマロキ編成を撮り、もう一度名寄駅に寄ってから天塩弥生に戻ってきました。出発地に戻っただけではありますが、名寄を起点に南と東へ行き来したこともあって、一日で約150kmという道内での平均的な走行距離となりました。
昨夜は六名もの宿泊者で賑わったこの宿ですが、今夜は一転して貸切です。本日の夕食は鶏の照り焼き、肉じゃが、鮭マリネを主役に出汁巻き玉子、茄子のきんぴらを加えたものでした。昨日に比べ肴になる品が多かったものの、昨日も今日も分量が多く、瓶ビールを一本つければすっかり満腹です。自分一人のためにこれだけの献立を考えてもらったかと思うと恐縮するしかありません。明日の朝食も楽しみにしています。
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晩秋の大地を行く 2016 - 夕焼け

2016-09-25 18:01:38 | 北海道
国道を名寄へ向かって引き返す途中、車窓に広がる見事な夕焼けと黄金色の絨毯に思わず足が止まりました。これぞ北海道というべき空の広さと遠景の鮮明さもさることながら、特筆すべきは穂並みの美しさです。刈られた田圃もある一方で、実った田圃で穂並みがきれいに揃っている光景は、四週前の新潟を彷彿させます。しかしあちらと違うのは、田圃の一区画が格段に広いことです。これにより、穂並みが揃ったときにはなおさら絵になるということでしょう。田圃が広いと道具も大きくなるのか、内地ではまず見かけない巨大な農耕車が頻繁に行き交うところも北海道らしいものがあります。上陸から三日経ち、次第に北海道の空気になじんできました。
夕景を暗くなるまで鑑賞したいのはやまやまながら、蚊があまりに多すぎたため退散し、只今キマロキが見えるベンチで投稿しています。蚊の大群に襲われたというと、思い出すのは一昨年訪ねたキムアネップ岬ですが、あちらと比べても遜色ないほどの数でした。数こそ減ったもののここでも蚊が飛んでいます。仮にキャンプをしていれば、今夜は蚊との戦いを強いられたのでしょうか。宿泊を選択したのは結果として正解だったのかもしれません。
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晩秋の大地を行く 2016 - 下川駅

2016-09-25 17:09:04 | 北海道
さらに東へ進んで下川駅の跡地に着きました。前回訪ねたときはキハ22の保存車が修復中でシートをかぶっていたため、面目を一新した姿を一目見てみたかった次第です。
いずれも昭和40年富士重工製、ナンバーも近い237号車と245号車の2両編成は、首都圏色を赤っぽくしたような色に緑の細い帯という、現役当時とは異なる色に塗り替えられていました。しかし、側面のJRマークと形式番号の表記は忠実に復元されており、側面には書き換えられたものとはいえ下川行の行先板が掲げられています。美しく修復されたのは幸いです。
その後雲がますます増えてしまい、こちらに着いてからは日が陰ったままでした。しかし、山の稜線との間にわずかな隙間が空いており、日が沈む間際に再び日が射してきました。淡い西日を正面から浴びた姿を記録し、本日の昼の部はこれにて終了です。
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晩秋の大地を行く 2016 - 中名寄駅

2016-09-25 16:17:33 | 北海道
定点観測が続きます。訪ねるのは旧名寄本線の中名寄駅、国鉄末期の旭鉄管内に多く造られた、個性的な佇まいのカプセル駅舎が健在です。
前回ここを訪ねたのは三年前の10月上旬、今回と一週間ほどしか違わない時期です。当時も10月にしては暖かく、その日は名寄でキャンプをしました。とはいえ、西日の弱々しさはまさに晩秋といった感があり、これが北海道の秋かとしみじみ実感したものです。ところが今日の気温は25度近くまで上がり、軽く汗ばむ場面が目立ちました。開け放った窓から蚊が飛び込んでくるなど、晩秋と形容するにはいささか早い状況です。道北ですらこの有様では、九州など暑くてどうしようもなかったでしょう。やはり北海道を選んだのは正解でした。
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晩秋の大地を行く 2016 - キマロキ再訪

2016-09-25 15:48:20 | 北海道
そのようなわけでキマロキ編成のある公園を再訪します。朝方には雲一つなかった空に、時間が経つにつれて大きな雲が出始め、それがなおさら眺めを引き立てている理由でもありますが、今度は雲が大きくなりすぎて、日が陰る時間が長くなってきました。晴れ間を見計らってシャッターを切り、只今一通りの撮影を終えたところです。

早々に名寄を出て北上していくつもりが、和寒まで引き返したり、寄り道を繰り返したり、さらには天気待ちに時間を費やしたりするうちに、ついには西日が傾いてきました。これでは幌延どころか中川にすらたどり着かず、どう欲張っても美深まで行くのがせいぜいでしょう。この期に及んで悪足掻きをするのはやめにします。今日は再び天塩弥生に泊まることにして、先ほど宿に電話を入れました。
名寄といえば、無料にしては破格の充実したキャンプ場もあり、同じところに連泊するのも芸がないとは思ったのです。ただ、早々と切り上げて投宿する場合、宿の布団で休めることの効果が大きくなってきます。夜半に小雨が降るとの予報が出ていることもあり、三日連続の宿泊を選択した次第です。

本日一歩も先へ進めなかったことにより、予定が次第に詰まってきました。この調子では明日中に稚内までたどり着くのは難しく、火曜あたりが現実的なところでしょうか。そこからオホーツク沿岸を南下すると、二日かけても紋別、網走あたりがせいぜいでしょう。遅くとも日曜のフェリーで北海道を出なければならないことを考えると、その時点で残りの滞在時間は三日しかありません。これでは根室どころか釧路に寄るのも厳しいものがあります。この際道東を潔く切り、稚内を出た後は日本海側を南下して、留萌経由で道央に戻るという選択も検討する必要がありそうです。
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晩秋の大地を行く 2016 - 名寄駅

2016-09-25 13:55:08 | 北海道
続いては名寄駅を定点観測します。高い屋根に八角形のファサードを三つ並べた、道内屈指の名建築といえるこちらの駅舎、昨日も夕暮れ時に訪ねており、もちろん過去にも何度か訪ねています。しかし、快晴かつ順光という条件は初めてかもしれません。ただ晴れているだけではなく空気が澄んでおり、なおかつ適度に雲が出ているためなおさら絵になります。
駅舎を絶好の条件で撮れるということは、同じ条件でキマロキを撮れるということでもあります。こちらも当然再訪することになるでしょう。
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晩秋の大地を行く 2016 - 三星食堂

2016-09-25 13:52:25 | B級グルメ
名寄に戻ったところでお昼をいただきます。清々しい秋晴れだけに飲み食いする時間も惜しく、かような観点からはセイコーマートで手早く済ませたくなるところではありますが、この機会に是非寄ってみたいと思う店がありました。駅前の三星食堂です。
かつては三線を分ける道北の要衝だった名寄の駅前に、百年以上も店を構える老舗です。うらぶれた名寄の市街にあっても、この店だけは今なお活気に満ちた様子が窺われただけに、ここなら鉄道華やかなりし頃を偲ぶことができるのではないかという期待がありました。そしてその予想は見事に的中しました。

店は比較的近年になって改築されたもので、古びた味わいこそないものの、こざっぱりした虚飾のない店構えはむしろ気持ちよく、黄色い暖簾と色とりどりの鉢植えで彩られた店先は、昨日訪ねた「青葉」を彷彿とさせます。
そろそろ昼時も終わろうかという時間帯ながら、駐車場にはかなりの数の車が止まっており、店内も七割、八割方埋まる盛況。ほぼ正方形をした敷地の片隅に寄せる形で清潔かつ機能的な厨房があり、店主と跡取りらしき二人を中心に、何人ものおばちゃんが小気味よく動いています。麺類、ご飯物、定食類なら何でもござれの豊富な品書きは、どれもてらいがありません。ここでしかいただけない唯一無二の味というわけではないものの、毎日でもいただけそうなほど完成されていて、なおかつ量も多くて手頃な価格なのが、長年愛されてきた理由なのでしょう。名寄の駅前食堂は健在でした。

三星食堂
名寄市大通南6
0165-42-3535
1000AM-2000PM
月曜定休
カツカレー750円
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晩秋の大地を行く 2016 - 西名寄駅

2016-09-25 12:31:55 | 北海道
引き続き道道と広域農道を経由して北上しますが、名寄市街が迫ったところで思わぬ発見が。西名寄駅の跡が残っていたのです。
名寄市街の外れにあった小さな駅だけに、跡形もなく消え失せて、記念碑が残っていれば御の字だろうと思っていました。実際のところ、駅の前後の線路は田圃に同化して影も形もなくなっており、跡地と思しき場所には農協の巨大なサイロが建っています。しかし、その敷地の片隅に、かつて線路際に建っていたであろう駅名標があって、そばには枕木が積まれていました。駅名標はかつての線路とは明らかに違う方向を向いており、移植されているのは明らかですが、撤去してからわざわざ移植したということは、ここに駅があった証を残しておこうという意思の表れでしょう。ここに始まり、旅人宿として復活した天塩弥生、ホームが残る北母子里と、名寄からの各駅にいずれも何らかの痕跡が残されたのは喜ばしいことです。
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晩秋の大地を行く 2016 - 淳真

2016-09-25 11:41:41 | 北海道
丼飯を二杯平らげたにもかかわらず、今日は何故か早々と空腹感が戻ってきました。しかも一つ戻った多寄には、恰好の店の心当たりがありました。以前世話になった「淳真」です。この時期の北海道なら新そばがいただけるかもしれません。しかし、喜び勇んで乗り込むとシャッターが下りていましたorz
昨日通ったときは店が閉まった後だったため仕方ないとしても、今日も閉まっているということは臨時休業です。張り紙をよくよく見ると、イタリアでテッラマードレなるコンテストか何かが開かれ、そこに日本代表として出場するため、来月の初めまで休むとあります。そば好きが高じて理想のそば粉を追い求め、わざわざここに移住してきたほどの店主だけに、一家言ある人物なのは承知していましたが、そこまでの職人だとは知りませんでした。
新そばの時期を棒に振ってまで遠く離れた異国の地に赴くとは、そば職人としてかなりの覚悟が要ったのではないでしょうか。それだけ権威のある大会なのかもしれません。三年ぶりの再訪を果たせなかったのが残念ではありますが、ともかく健闘を祈ります…
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晩秋の大地を行く 2016 - 瑞穂駅再訪

2016-09-25 11:00:43 | 北海道
昨日と同じ道を走るのも面白くありません。40号線を避け、交通量の少ない西側の道道を北上しますが、一瞬だけ国道沿いに戻って瑞穂駅を再訪します。昨日は逆光だった待合室と花壇が、この時間帯には順光になるからです。大きな雲が浮かんだ空を含め、昨日とは大きく違った趣です。
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晩秋の大地を行く 2016 - 黄金色の絨毯

2016-09-25 10:01:28 | 北海道
そのまま北上するかというとさにあらず。和寒まで延々30km以上も引き返してきました。実は、昨日40号線を走っていて、高台から稲穂が実った田圃を俯瞰できる場所を見つけたのです。しかも視界の中央を線路が左右に貫いており、午前中が順光になりそうでした。9時から10時にかけて列車が立て続けに通過することもあり、まずはこちらを再訪しようと考えていたのでした。
実際に撮影してみると、線路脇の草が茂って足回りが隠れてしまい、さらには手前側に電柱と電線があって、絵柄としては画竜点睛を欠きます。しかし、黄金色の絨毯が広がる中に農家が点在し、青空に大きな雲が浮かぶよい眺めです。10時過ぎに来る特急も撮ってから移動を再開します。
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晩秋の大地を行く 2016 - 出発

2016-09-25 08:19:39 | 北海道
丼飯を二杯平らげ腹ごしらえは万全、挨拶を済ませて出発します。昨晩同宿したのは自分と同じく内地から車で来た一人旅の御仁二人と、地元ナンバーのお姉さん三人組でした。九月の下旬にしては思った以上の賑わいです。この暖かさで旅行者も遅くまで残ったのでしょうか。晩秋を実感する場面は少し先のことになりそうです。
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晩秋の大地を行く 2016 - 四日目

2016-09-25 07:31:48 | 北海道
おはようございます。昨晩は早々に休むつもりが、鉄道関係の映像が相当数あることが分かり、その一部だけ鑑賞して、11時の消灯前に休みました。先ほど目覚めて駅舎の周囲をひとしきり撮影したところです。
昨日は暗くなってからの到着だったため判然としなかったものの、明るくなってから改めて眺めると、特にかつてのホーム側の造りが凝っています。切妻屋根を延ばして庇のようにするという造りが北国らしく、しかも屋根の部分と庇の部分の角度が微妙に違っていて、柱には古い字体の駅名標が取り付けられるなど、細部に至るまで周到に設計されたのだろうということが窺われました。道道から未舗装の緩い坂を下っていく立地にも駅跡の雰囲気が感じられ、それを含めてよい味を出しています。ここを選んだのは正解だったようです。

この後朝食をいただいてから出発します。名寄から駅に寄りつつ北上し、今日は中川か幌延あたりまで行ければよしといったところでしょうか。天候は雲一つない快晴でまことに申し分ありません。気温も思ったほどには下がらず、現在のところ14度となっています。来週の後半に気温が下がってくるとの予報ではありますが、当面はキャンプ日和が続きそうです。
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