日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

秋霖の会津を行く - 籠太

2016-09-18 21:24:34 | 居酒屋
酒の消費に時間が要るのは相変わらずで、「麦とろ」でも和らぎ水の助けを借りつつ、30分かけてようやく一合を飲み干すという状況です。しかし、一時間で二合を空けて次へ行くという時間配分は、結果的には好都合でした。九時を回ったところで「籠太」に入ります。

予約満席の張り紙がありながら、九時を過ぎると大分空いてくるのがこの店の常です。しかし今回は予想外の展開が。自分と入れ替わりに二人組が出ると、カウンターは完全な貸切となりました。奥から出てくるお客も見かけないということは、座敷のお客も皆帰った後なのでしょう。看板まで滞在し、最後の客になったことは何度かあるものの、入店早々貸切となったのは初めてです。皆帰りが早いという傾向は、ここにおいても例外ではありませんでした。ただし昨日はお客が殺到して取り付く島もなかったそうで、一日の違いが明暗を分けたことになります。

初めての経験というと、今回は女将が不在で、古株の仲居さんが代わりを務めていました。夕方に電話一本入れたときも、名乗る前からこちらの正体を察してもらえるほど、長年世話になってきた仲居さんです。ところが申し訳ないことに、この仲居さんの名前を一度も聞いたことがありませんでした。この機会にようやく聞けたのは幸いです。通称もあり、常連客は通称で呼ぶことも多いそうですが、聞いて早々通称を使うほどの思い切りが自分にはありません。まずは苗字で呼ばせてもらうことにしましょう。
さすがにもうお客は来ないだろうと思ったところが、10時になって一人客が入ってきました。過去に何度も見かけている、店のWebサイトにまで名前が挙がる常連中の常連で、いわば古参、あるいはTOです。それに比べてしまえば自分などまだ駆け出しではありますが、二人きりという状況もあり、その御仁とも初めて会話をさせてもらいました。今回は初めての経験が多すぎます。

初めてといえば、本日は異例の早仕舞いとなりました。開店時間と閉店時間に対するこの店の厳格さは以前も語った通りですが、昨日はお客が殺到して大忙し、しかし今日は早々とお客が引けて、残ったのはカウンターの常連二組だけということになれば、たまには早く切り上げたくなるのも致し方ありません。気心知れた常連の一人と思ってもらえたのであれば、むしろ光栄というのが本音です。あと一品と思っていた肴の注文を飲み込み、酒をもう半合だけいただいて辞去しました。

籠太
会津若松市栄町8-49
0242-32-5380
1700PM-2300PM
日曜定休

末廣・奈良萬・ささまさむね
お通し(蒸し鶏和え物)
サンマ巻串
会津小ナス漬
塩豆腐
いかの塩辛
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秋霖の会津を行く - 麦とろ

2016-09-18 20:11:25 | 居酒屋
そのようなわけで、今回はまず「麦とろ」で一献傾けることにしました。連休だけに混み合う可能性もあるかと思い乗り込むと、先客はカウンターと小上がりに各二組という程よい入りです。その先客も次々去って、30分ほど経った頃には貸し切りとなりました。昨日は相当混んだそうですが、中日ともなると早く帰りたいという心理が働くのでしょうか。静かになった店内に、網戸の向こうで鳴く秋の虫の声が聞こえてきます。
この店を訪ねるというと、「籠太」であらかた腹が満ちていることが多く、この場合お通しと身欠きにしんを肴に酒をちびちびやり、最後に味噌汁をいただいて締めくくるのが常です。久々に一軒目で入った今回、趣向を変えたくなるのは人情というものでしょう。しかし、そのような考えを見透かしたかのように、店主からは馬刺が切れたとの一言が。観光客が多かったり、宴会が入ったりしたとき、馬刺が切れるのはよくあることで、一応想定の範囲内ではあります。これにより注文は今回も身欠きにしんに落ち着き、結果としては普段と大差がありませんでした。
もっとも、昨日は観光客が殺到して大忙し、今日はお客が早く帰って暇となれば、早仕舞いをしてもおかしくはありません。前回訪ねたときも、早仕舞いによりこしあぶらの天ぷらを逃すという手痛い経験をしています。店主と婆さんが早く切り上げるのに貢献できたのだとすれば、この時間に訪ねた甲斐はあったといえそうです。

麦とろ
会津若松市栄町4-9
0242-24-9886
1100AM-1400PM/1700PM-100AM

会津娘・弥右衛門
お通し(大根煮物)
身欠き鰊山椒漬
きざみとろろ
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秋霖の会津を行く - 中町フジグランドホテル

2016-09-18 19:22:48 | 東北
会津若松で列車を降り、本日宿泊する中町のフジグランドホテルに入りました。汽車旅になる可能性があった以上、駅前を押さえられれば理想的ではあったのですが、連休中日という事情もあり、こうならざるを得なかったという事情があります。ただし、列車とバスの時刻がうまく噛み合い、ほとんど待ち時間なしで移動できたのは幸いです。
雨は小康状態となり、今のところ降っても傘が要らない程度の小雨です。思ったより早く宿に入れたおかげで、今日は「麦とろ」で肩慣らしをしてから「籠太」へ行くという選択も可能になりました。花見以来の滞在を楽しみにしています。
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秋霖の会津を行く - 磐越西線

2016-09-18 17:54:36 | 東北
宇都宮を過ぎた頃から再び雨が降ってきました。この蒸し暑さに加えて雨まで降れば最悪です。そう思って列車を降りると、関東とは別世界の涼しさに意表を突かれました。全国的に暑いのかと思ったところがそうでもなかったようです。あとはこの雨が止んでくれれば申し分ないのですが。
さて、郡山から乗車するのは719系6連の普通列車です。座席を減らし、床面積を増やして乗客を立たせるという悪弊が全国各地に蔓延する中、こうして6両まで増結され、701系も一切入線しない磐越西線は奇跡のような存在ですが、その719系も近い将来引退することが決まっています。その暁には、またも短編成かつ安普請の新車で置き換えられてしまうのでしょうか。今はまだ直視したくない現実です。

★郡山1745/1233M/1858会津若松
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秋霖の会津を行く - やまびこ145号

2016-09-18 16:25:25 | 東北
野暮用を済ませて帰宅後、慌ただしく着替えを済ませ飛び出してきました。急いだ甲斐あって、郡山で磐越西線に接続する「やまびこ」に間一髪で間に合いました。このまま行けば会津若松着は七時となります。投宿して一風呂浴びると、九時には「籠太」に入れるという理想的な時間配分となりそうです。
それにしても今日の天候には辟易させられます。雨こそ止んだものの、今にも降り出しそうな空模様は一貫して変わらず、蒸し暑さは昨日と同じかそれ以上です。列車に乗り込む前の段階でかなりの汗をかいてしまいました。仮に野暮用がなかったとしても、これでは一日中列車に乗る以外の使い道はなかったでしょう。東北の列車などわざわざ乗るに値しないことを考えると、夕方に出たとしても実質的には何の損失もなかったわけです。昨日については明らかな悪手により悔いの残る結果に終わってしまいましたが、今日についてはどうにか体裁を取り繕うことができそうです。
それにしても、相変わらず身体が酒を受け付けません。受け付けないとはいっても、下戸が一口呑んだだけで真っ赤になるのとは違い、いわゆるピッチが大幅に鈍っているというのが実情です。和らぎ水の助けを借りつつかなりの時間をかけて半合、一合を飲み干すのが精一杯であり、必然的に酒量は落ちます。まあ、そのようにしてしみじみ呑む酒もまたよいものではあるのですが。一年中で一番酒がうまいこの時期、心行くまで味わい尽くしたいものです。

★東京1600/やまびこ145(145B)/1718郡山
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