日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

早春の隠岐を行く - 朔屋

2016-03-18 22:22:36 | 居酒屋
上機嫌で「庄助」を出ると、再び雨足が強くなっていました。傘を差しても濡れるほどの本降りで、これでは橋を渡ってもう一軒という意欲も起こりません。とはいえ、はるばる松江まで来ておきながら、一軒限りで切り上げるのもいささか惜しいものがあります。しばしの葛藤を経て、二軒目は新規開拓を選びました。訪ねるのは「朔屋」です。
旅先で呑むという習慣が定着してからというもの、松江では決まって橋の北側を呑み歩いていました。それ以来初めて訪ねた反対側の店が「庄助」だったわけなのですが、それと並んでかねてから目に止まっていた一軒がこの店です。
静かで情緒的な城側と違って、駅側の呑み屋街は雑然としており、それが橋の北側を主戦場にしてきた理由でもあります。しかし、駅側の呑み屋街から少し離れたところに、何軒かの飲食店が点在する一角があります。寺町の名の通り寺が集まる、松江らしい趣のある一帯で、ここで呑むのも悪くはなさそうだという考えは以前からありました。その中から一軒選ぶならここだろうと思っていたのが、地酒屋を標榜するこの店でした。しかるに年に一度限りの宿泊ではなかなか出番がなく、今まで素通りしてきたという経緯は「庄助」と同様です。
一つだけ違うのは、本降りの雨という条件下で、新規開拓という大義名分があったからこそ浮上してきたということであり、積極的に選んだというより、咄嗟の判断によるところが多分にあります。これは、教祖のお墨付きがある「庄助」と違い、この店の実力のほどが未知数だったからでもあります。もっともその結果は、事前の予測とおおむね一致していました。

事前に予測していたこととは、若い店主が造った若い客層向けの店だということです。これは、教祖が好む老練な店とは対照的な、若さ故の荒削りな部分が存在するということでもあります。実際のところ、リングで綴じた品書きは、ピザにコロッケなど横文字の品々を主体としており、和を基本としながら創作が織り交ぜられているという印象です。
とはいえ、地酒屋の看板に偽りはありませんでした。地酒の品書きは他の酒とは分ける形で両面が使われ、「島根の純米酒大集合」と題された片面には、関東では聞き慣れない正真正銘の地酒が、冷温酒と常温酒でそれぞれ十種以上揃います。片面は王禄、日置桜、鷹勇など山陰の有名どころを中心にしていることからしても、知られざる島根の地酒を主役にした店なのでしょう。味わいを「すっきり」と「しっかり」に分け、濃淡の順に並べたところがよそ者には助かります。それらの中から「天穏」を選ぶと、素焼きの徳利、猪口とともに和らぎ水が運ばれてきました。横文字の品々が多いとはいえ、別紙の品書きには刺身の他に左党好みの酒肴がいくつか揃い、〆には出雲そばまであります。二軒目以降で地酒を呑みたい向きには好適といえそうです。

惜しむらくは、カウンターからの眺めが今一つなことです。「庄助」のカウンターが、設え、雰囲気、さらには眺望まで最高だっただけに、その直後ではどのようなカウンターでも見劣りするという事情はあります。しかし、それを割り引いても今一つな面はありました。
そう感じる理由の一つとして、店を仕切る面々の表情が読みにくいという店が挙げられます。たとえば「庄助」では、女将、おばちゃん、お姉さん、店主、跡取りといった人間関係を少し観察するだけでも読みとることができ、それぞれの役割分担も一目瞭然でした。対するここでは、店長、副店長、手伝いの青年、お姉さんといった面々を把握するのにしばらく時間が要りました。これは、彼等が奥に籠もりがちで、カウンターに定位置を持たないからなのでしょう。自他共に認める人嫌いではありますが、酒場のカウンターには多かれ少なかれ人間模様が必要なのかもしれません。

惜しい部分は散見されたものの、10時を過ぎれば呑み屋の選択肢がほぼなくなる松江にあって、それ以降も入れる店は貴重です。遅い時間に呑み足りなく感じたときは、もう一度この店の世話になるのも悪くはないでしょう。

朔屋
松江市寺町186
0852-28-1440
1800PM-2300PM(LO)
日曜定休(月曜祝日の場合営業・翌日休業)

天穏
突き出し(煮貝)
サヨリ
割子そば
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早春の隠岐を行く - 庄助

2016-03-18 20:13:37 | 居酒屋
県庁所在地としては規模の小さい松江ではありますが、名酒場の数にかけては大都市にも決して見劣りしておらず、教祖の推奨店が何軒も存在します。ただし、一回の滞在で回れる店の数には限りがあります。その結果、教祖推奨の名酒場を素通りし続けるという現象がしばしば起こるわけです。そのようにして素通りを続けてきた店の一つに、今回ようやく立ち寄る機会が巡ってきました。訪ねるのは「庄助」です。
昨秋松江を訪ねたときは、この店を「やまいち」に次ぐ二軒目に訪ねようとしたところ、看板で振られるという経験をしました。直近二回は「やまいち」を手堅く選んだとはいえ、そのときから半年弱しか経っておらず、趣向を変えるにはよい機会です。宿の至近という好条件もあり、今夜はまずここだと決めていた次第です。

大橋川が東西に走り、その北側に城が、城から見て南東側に駅があるというのが松江市街の位置関係です。静かで上品な佇まいをした城側の呑み屋街に対して、駅側の呑み屋街は雑然としており、教祖の推奨店もほとんどが城側にあります。例外の一つが、松江大橋の南詰にあるこの店です。もっとも、橋を渡った先は城側の呑み屋街であり、駅と城のどちらに近いかといえば明らかに城側です。「やまいち」「よびこ」の両店と同様、城側の呑み屋街を少し外れた静かな場所と形容した方が適切かもしれません。
そのような場所だけに佇まいは申し分ありません。教祖が橋の袂の名酒場として絶賛しているのは「やまいち」ですが、情緒にかけてはこちらの方がむしろ上です。欄干が照明に浮かび上がり、川岸に建ち並んだ料亭と旅館の明かりが水面に映る松江大橋の袂には、殺風景な新大橋にはない華やぎがあります。その様子を一望する位置に一軒家を構えるのがこの店です。
そのことは事前に承知してはいたものの、玄関をくぐった瞬間意表を突かれました。客席の幅一杯に窓が広がり、対岸の光景を一望できるようになっていたのです。しかもそれに正対するカウンターが空いています。佇まいに加えて眺めまで秀逸という点では、尾道の「たまがんぞう」を彷彿させるものがあります。

玄関をくぐったところにコの字を左右逆にしたカウンターがあり、窓側に小上がり、二階に宴会場かと思いきや、よくよく見ると窓側の右半分はカウンターになっています。この眺望を活かすために窓向きのカウンターを造ったのでしょう。しかし、おでん屋ならばコの字のカウンターを選ぶのが必然というものでしょう。コの字とはいいながら、端の方へ向かって広がるV字に近いカウンターには立派な板が奢られ、中心ではおでん舟が湯気を立てていて、どの品も大ぶりで見るからにうまそうです。
そのカウンターを女将と思しきおばちゃんが仕切り、もう一人のおばちゃんが適宜手伝い、頭巾をかぶった三人組のお姉さんが客席との間を行き来します。右奥にある厨房から時折現れるのが店主、それを手伝う青年はおそらく跡取りでしょう。創業65年ということは、それぞれ二代目と三代目なのでしょうか。もちろん各人の立ち振る舞いには一切の無駄がありません。建物こそ後年新築されたものとはいえ、明るく大衆的な店内は、紛うことなき老舗の趣です。

カウンターの頭上を囲むようにおでんの品書きが並んでおり、本日の魚介を記した短冊も。手元の品書きにも刺身、煮魚、焼魚、天麩羅、酢の物、一品料理が並び、目の前には大皿がいくつか鎮座します。収容力も品数も「やまいち」の三倍といったところでしょうか。必然的に目移りしそうなところではありますが、とりわけ秀逸なのがおでんです。
おでん屋である以上、本来当然のことではありますが、各地の名だたる老舗との比較においても、ここのおでんは出色の名品と思います。どれも大ぶりで食べ応えがあるのに加え、かしわうどんの具のような甘辛い鶏を使ったロールキャベツなど、種の調理が工夫されているのです。何より秀逸なのが出汁で、酔った頭脳ではこの味わいを的確には表現できません。一つだけいえるのは、他が真似ようにも真似できない、ここでしか体験できない唯一無二の味わいだということです。

以上の通り、佇まい、雰囲気、眺望、味のどれをとっても文句の付けようのない名店でした。この店を長らく素通りしてきた自分は、かなりの損をしたことになります。

庄助
松江市八軒屋町16
0852-21-4238
1700PM-2230PM
日曜及び祝日の月曜定休

李白
隠岐誉二合
おでん五品
真だいの昆布じめ
白魚天ぷら
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早春の隠岐を行く - 松江の夜

2016-03-18 19:54:00 | 中国
松江に着きました。鳥取で本降りだった雨はどうにか弱まり、短時間なら傘が要らない程度になってきました。あの雨がそのまま降り続けば、宿の至近の店しか選びようがなかったでしょう。おかげで多少なりとも選択肢が広がりそうです。
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早春の隠岐を行く - スーパーまつかぜ9号

2016-03-18 17:47:39 | 中国
二時間弱の滞在時間は慌ただしく過ぎ去り、「スーパーまつかぜ」で鳥取を後にします。郵便局、温泉、酒屋と最低限のところは押さえたものの、あいかわらずささやかな内容です。特に、雨の夕暮れ時だったため写真に記録すべきものが何一つなく、半ば強引に記念撮影だけ済ませる結果となってしまったのが惜しまれます。しかし、この雨雲が一日後に来ていれば、隠岐の貴重な滞在時間が台無しになっていたわけで、そう考えると雨天が今日でよかったといえなくもありません。
雨はともかく、今回も鳥取の呑み屋街を素通りする結果となってしまったのは残念です。何回足を運んでも、これはという呑み屋を発見できない街がある一方で、鳥取には良さげな呑み屋街があるだけになおさらです。今回は隠岐への渡航を組み込んだ関係上、鳥取に泊まる機会をどうしても捻出できなかったわけなのですが、その代わり米子に泊まるという新しい試みを採り入れています。「江戸の仇を長崎で討つ」の諺を体現できればよいのですが。

★鳥取1742/スーパーまつかぜ9(2009D)/1906松江
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早春の隠岐を行く - 谷本酒店

2016-03-18 17:21:48 | 酒屋
ささやかな鳥取滞在に早くも仕舞いの時が近付いてきました。最後は毎度おなじみ谷本酒店に立ち寄ります。本降りの雨に難儀し、温泉で一息入れるなどするうちに列車の時間が迫り、熟考する余裕がないのが惜しまれます。そのような状況下で冒険することもできず、手堅く日置桜を選びました。

谷本酒店
鳥取市末広温泉町274
0857-24-6781
900AM-2100PM
日曜定休
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早春の隠岐を行く - 日乃丸温泉

2016-03-18 17:07:08 | 温泉
雨脚がますます強まってきました。加えて気温も湿度も高く、着いてからというもの終始汗をかいています。そのような中、渡りに舟の温泉が登場。以前も世話になった日乃丸温泉を訪ねます。ここで一風呂浴びておけば、松江に着き次第呑み屋街に出撃できて一石二鳥です。

★日乃丸温泉
鳥取市末広温泉町401
0857-22-2648
平日 600AM-1000AM/1400PM-2400PM
土日祝日 600AM-2400PM
第二月曜及び元日休業(祝日の場合翌日休業)

入浴料400円
泉質 ナトリウム-硫酸塩塩化物泉
泉温 46.6度
pH 6.6
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早春の隠岐を行く - 鳥取中央郵便局

2016-03-18 16:45:39 | 中国
鳥取に着きました。着いたはよいのですが、傘を差しても濡れるほどの本降りですorz
場所探しに難儀しつつ記念撮影を済ませ、次にやってきたのは郵便局です。昨年訪ねたときは郵便局の窓口が混んでいて取り付く島がなく、さらには毎回立ち寄っている酒屋までが休んでいて、終わってみれば乗り継ぎの合間に記念撮影をしただけという、およそ「訪ねた」とは言い難い結果になってしまいました。しかし今回はそのような不運に見舞われることもなく、しゃんしゃん傘をあしらった風景印を押さえました。この後一風呂浴びて酒屋に寄る程度の時間は残るため、前回の滞在よりは多少なりともましになりそうです。
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早春の隠岐を行く - 陽気

2016-03-18 13:26:05 | 近畿
只今大阪を発車しました。空は次第に曇ってきており、昼過ぎに降り出すとの予報はおおむね的中しそうです。京都にいた時間に限って晴れたのは僥倖だったことになります。
ところで、今回の表題には早春の文字を冠しました。しかし、看板倒れになりはしないかという予感が出発前からありました。というのも、三月下旬の西日本にもなると、肌寒さを感じるよりも汗ばむ場面の方が多いと経験上分かっているからです。その経験則は今回も見事に妥当し、京都では終始汗をかき通しでした。
今日に限らず、今週に入ってから自転車を漕いでいても軽く汗ばむことが多くなってきました。近所の桜を見る限り、開花まであと一週間前後かかりそうな情勢ではありますが、この陽気が続けば帰着後早々の開花も十分考えられそうです。本活動では長袖よりも半袖を着用する時間の方が長くなるかもしれません。
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早春の隠岐を行く - スーパーはくと7号

2016-03-18 13:03:20 | 近畿
腹ごしらえを済ませ、ロッカーに預けた荷物を引き取ってホームに下りると、発車の20分前という絶妙な頃合いでした。幸いにして乗車口に先客の姿はなく、前方の展望を独占できる最前部の特等席を首尾よく確保。鳥取まで三時間のめくるめく旅が始まります。
これが廃止間際の列車なら、一月前の発売日の夜明け前から並んでも、席の確保は困難を極めるわけです。それを思えば、20分前に並ぶだけで座れるこの席は穴場といってよいでしょう。世間が騒ぎ出す前に、乗れるだけ乗っておきたいものだと思います。

★京都1252/スーパーはくと7(57D)/1554鳥取
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早春の隠岐を行く - 新福菜館

2016-03-18 12:36:13 | B級グルメ
京都駅に戻ってきたのが11時40分、列車の時刻までは十分な余裕がある一方で、「新福菜館」へ行くには微妙な時刻となってきました。多少の待ちで済むなら並び、取り付く島もなければ潔く切ろうと決めて乗り込むと、「新福菜館」に10名ほどの、「第一旭」にそれを大きく超える数の待ち客が。しかし、店の収容力と回転を考えれば、10名ほどなら大した待ち時間にはならないと見て列に加わりました。
結果としては並ぶのに10分、出てくるまでがさらに10分と、思った以上の時間を消費したものの、店を出る頃には片手で数えられる程度の待ち客になっていました。常に長蛇の列ができている「第一旭」はともかく、平日の「新福菜館」ならばそれほど身構える必要はないのかもしれません。

新福菜館
京都市下京区東塩小路向畑町569
075-371-7648
730AM-2200PM
水曜不定休
中華そば700円
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早春の隠岐を行く - 北野天満宮

2016-03-18 10:43:41 | 近畿
実質午前いっぱいの持ち時間をどう使うか思案の末、バスに揺られて北野天満宮にやってきました。観光地を避けて通る自分がこのような行動をとったのは、梅を目当てにしてのことです。予報に反して晴天が続き、これなら観梅に耐えうるという期待もありました。
三月の後半といえば、水戸でも遅咲きの梅が中心となる頃です。ましてや今季の暖かさなら、あらかた散ってもおかしくはなく、その見立てはある程度まで的中しました。八重咲きの紅梅が目立つのは、他の梅がほとんど散ってしまったからでもあるのでしょう。併設の梅苑も先週末で店じまいしたとの貼り紙があります。とはいえ、寺社との取り合わせも偕楽園とは異なる趣があってよいものです。紅葉の時期と違い観光客の数も適度で、静かな境内がしばしの癒しとなってくれました。
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早春の隠岐を行く - 第一旭

2016-03-18 09:12:38 | B級グルメ
前回山陰を旅したときは、京都に寄ってから鳥取行の列車に乗りました。今回も同様の手順をとります。
ただし元々そうするつもりはなく、速やかに列車を乗り継ぎ山陰へ直行するつもりでした。前回京都で午前いっぱい消費したことにより、鳥取の滞在が非常に中途半端となってしまったからです。それにもかかわらず京都に立ち寄るという選択に走った直接の理由は、早い話が空腹感にあります。出発前に腹ごしらえを済ませ、あとは鳥取まで無補給のつもりでいたところ、京都に着く以前の段階からかなりの空腹になってきました。そのような事態に至り、列車を降りれば「新福菜館」「第一旭」の双璧が待ち構えているという渡りに船の状況を、むざむざ見過ごすことはできなかった次第です。平日の9時という半端な時間帯もあり、幸いにしていずれの店先にも待ち客の姿はなかったため、定跡に従い「第一旭」を選びました。
いずれ劣らぬ名店が並び立つ状況において、両方をはしごするお客も少なからずいるとの噂を聞きます。自分自身、喜多方では必ずと言っていいほどラーメン屋のはしごをするわけです。しかし京都の双璧を続けざまに訪ねたことは一度もありません。これは、両店が隣り合っていることから、一方を出るなりすぐさま次へ入るしかなく、あまりに間合いが短すぎるという理由によります。逆にいえば、適度な間合いを置くことができれば、両方訪ねるにもやぶさかでないということであり、実際そうしたことはあります。混み出す前に戻ってこられれば、お昼は「新福菜館」の中華そばにするつもりです。

第一旭
京都市下京区東塩小路向畑町845
075-351-6321
530AM-200AM
木曜定休
特製ラーメン850円
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早春の隠岐を行く - 真骨頂

2016-03-18 06:47:23 | 東海
只今三島を通過しました。下り坂との予報にもかかわらず今のところ青空が広がり、冠雪した富士山が朝日を浴びています。時節柄霞みがちとはいえ、絵葉書を見ているかのごとき見事な佇まいです。
元日に四国への往路で通ったときには、稀に見る暖冬の影響で積雪がほとんどなく拍子抜けしました。近日中の再訪を期しながら、会心の冬晴れはついに訪れず、そのまま春を迎えようとしています。来週以降は花見に追われ、静岡に戻って来られるのは早くとも五月以降です。その頃にはこの雪もほぼ消え去っているでしょう。それだけに、これぞ真骨頂というべき光景を、車窓越しとはいえ眺めることができたのは幸いです。
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早春の隠岐を行く - 出張客

2016-03-18 06:27:22 | 関東
先ほど新横浜を発車しました。始発駅の状況から、少なくとも前回以上の混雑を覚悟したところ、意外にも窓側の全てと三人掛けの通路側の半分ほどが埋まったに過ぎず、自分の隣も空席です。仮に名古屋で埋まったとしても、京都までの小一時間に過ぎないため大したことはありません。今回も快適に移動できそうなのは助かります。
前回の乗車時と全く同じ列車ではありますが、ほぼ全てが背広姿の出張客なのは平日ならではです。思えば震災の直後、春分の連休に休みを加えて西日本に遠征したときは、平日にもかかわらず出張客の姿がほとんどなく、西へ逃れる親子連れのような乗客がほとんどだったと記憶しています。殺伐とした新幹線での移動を経て広島で降りたとき、街灯が煌々と灯った街に安堵したのでした。あれから五年、平和のありがたみを不意に実感する今日の車内です。
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早春の隠岐を行く - のぞみ291号

2016-03-18 06:06:47 | 関東
列車で西へ向かうのは去年の暮れ以来です。そのときと同様、始発列車の6分後を雁行する新大阪行の新幹線で旅立ちます。
東京駅を出る時点で、自由席の2号車は窓側がほぼ埋まった状況です。品川と新横浜で乗客を拾うと、通路側にも相当数の乗客が出るのではないでしょうか。名古屋では満席という事態も覚悟する必要がありそうです。そうなると際立ってくるのが、N700系の座席の貧相さです。MaxことE4系は論外だとしても、近年登場したE5系からE7系の座席についていえば、背ずりが高く快適で、隣にお客がいる状況でもそれほどの窮屈さを感じません。しかしN700系の座席はそれらに比べ明らかに見劣りします。安物ばかり造り続けているかに見えるJR東日本ですが、普通車の座席に関する限りはあちらに軍配を上げざるを得ません。

★東京606/のぞみ291(9291A)/819京都
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