日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北一周花見の旅 2013Part2 前夜

2013-05-10 22:14:30 | 東北
三日間の平日をやり過ごし、明日から再び東北へ舞い戻ることになりました。あくまで一時帰京からの復帰だけに、前回の旅が終わった、あるいはこれから旅が始まるという感覚は当然ながらありません。しかし、半袖でも汗ばむほどの都会から花吹雪の津軽へ戻るかと思うと、それはそれで唐突さを覚えます。旅と日常との切り替えに当惑する暮らしはいつまで続くのでしょうか。

ある程度覚悟していたこととはいえ、明日はこちらが着くのを見計らったかのように雨が降り出し、夜桜が終わる10時頃まで降り続くという無粋な予報になっています。離れていた三日間は終日晴天、それが戻った途端にこうなのですから、ここまで来ると運命のいたずらのようにさえ思えてきました。天候の回復が早まり、日曜に晴れマークが出てはいるものの、延々一週間にわたって天候に振られ続けたことを考えると、あまり当てにはしない方がよさそうです。
このような天候だけに、土曜については何の期待もしていません。始発の新幹線で一気に移動し、弘前に着き次第翌週の下り列車と駐車場の手配を済ませ、腹ごしらえして一風呂浴び、残り時間は大館か小坂で申し訳程度に花見をして、弘前では夜桜が見られれば御の字といったところではないでしょうか。開花の順序からすればまずは弘前、次に大館、小坂と進むのが順当ながら、大館、小坂は大型連休に素通りしてしまった秋田に対するせめてもの罪滅ぼしであり、また帰りの列車のことを考えると、明日は弘前駅か青森駅へすぐに戻れる場所で活動したいという考えがあります。結果として、岩手と秋田は形式上立ち寄っただけに近くなるのが不本意ながら、北東北で天候に振られ続けたことを思えばやむなしといったところでしょう。日曜は天候回復に一縷の望みをかけて終日弘前近辺で活動し、「あけぼの」乗車で東北の花見を締めくくります。

ところで、今回の活動には突飛な仕掛けがあります。母親を伴って行くということです。
今週末東北で花見をすること自体直前に思いついたのですから、親を連れて行くつもりなど当然ながらありませんでした。そもそもの発端は一昨日の晩、母親が弘前の桜を見たいなどと冗談交じりに言い出したことです。そして、奇しくもその週末には「母の日」がありました。もちろんこちらは花見で忙しく、本来ならば親のことなど構っている場合ではありません。ところがその時点で、今週末は悪天候でほとんど使い物にならないという予想でした。ならばいっそのこと、老い先短い母親を案内するのも一興かと思い立った次第です。
例えばこれが大型連休なら、弘前市街に二人分の宿を確保するなど至難の業でしょう。しかし、今回は連休の一週後ということで、同宿こそ叶わなかったものの、母親には弘前公園近くの宿を手配することができました。このように、五月中旬まで奇跡的に残った桜と、それを台無しにするかのような悪天候、さらには母の日という大義名分が重なって、前代未聞の母親同伴となったのであり、どれか一つが欠けてもこの奇策は成り立ちませんでした。
天候と開花状況次第で自由自在に動かなければならない花見の旅において、同行者の存在は足枷にしかならないというのが私見であり、今回は機動性が相当落ちるでしょう。しかも、いくら親が相手とはいえ、一人旅に比べて気疲れするのは致し方のないところです。しかし、今年はもう十日以上にわたり東北で存分に花見をしてきました。二度目の花見はおまけのようなものと割り切り、一世一代の親孝行と「あけぼの」乗車に回します。冥土へのよき土産になってくれることを願いつつ…
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