日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

汽車旅in九州2011 番外編

2011-03-23 22:57:16 | 旅日記
0時という(自分としては)余裕綽々の帰宅時間だったにもかかわらず、その晩も次の晩も倒れ込むように眠ってしまいました。列車で移動し、所々で降りては街を散策して、夜は酒場で一献傾けるという、近年の汽車旅にありがちな展開に終始し、特に目新しいことがあったわけではありません。しかし、ここまで燃焼しつくしたという点では、それなりに充実した活動だったといえます。
こちらへ帰ってきて驚いたのは、都内の死んだような静けさです。派手な電飾がないのは当然だとしても、駅のホームのまばらな照明は終電後のようで、窓から外を眺めれば、ビルの明かりはもとより街灯すら消されて、正月の三が日でもここまではというほどの寂寞さです。床に伏せれば時折余震が突き上げて、不穏な空気の中での日常に戻ったことを否応なしに実感させられる夜でした。
そんな空気に呑まれ、原則非公開で行われた今回の活動ですが、公開している断片的な記録を読み返すと、あれほど色々なことがあったにもかかわらず、たったこれだけかと思うような呆気なさです。最初と最後しかなく、その間が全て欠落してしまっているという点では、出発地と目的地を瞬間移動する新幹線や飛行機のような味気なさで、これでは旅が成り立ちません。楽しいことを楽しいということもはばかられるこの世相は、やはり正常なものとはいえないのでしょう。
あれほど汗をかいた西日本への旅が一転、冷たい雨とともに降りかかる死の灰をうっとうしく感じながら二日間が過ぎました。しかし、こんなことはいつまでも続くものではありません。鹿児島ではもう桜が咲いています。あと一週間もすれば、都内でも一輪二輪と花が咲くでしょう。桜前線が都会を離れるのは、震災から一月が過ぎようとする頃です。その頃には疲弊しきった人々の心が多少なりとも癒されて、春の訪れを喜べるようになっていることを期待しています。旅はそれまで小休止となります。震災の直撃をものともせず、今年も桜を追って北上する旅を構想中です。詳細は後日改めて(ニヤリ)
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