A black cat and I・・・☆

人生、前向きに…!乳房再建等5回目の手術を経験して、今は既往症や趣味や猫の事など、日々の出来事を適当に綴っていきま~す。

入院四日目、そして退院

2004-10-10 | 乳がん日記
病院の朝は早い。
6時過ぎにはもうバタバタとしている。
看護師がきて他の患者さんに声を掛けている。
その内主治医の先生が回診に来て下さった。そこで早速、

「先生、12日に退院するって言いましたが、出来れば今日退院してもいいですか?」

「そうですね、看護師からも聞いていましたから、退院してもいいですよ。後でまた必要書類をお渡ししますね。」

結局、私の入院生活は3泊4日で終了することになった。
退院の準備もあったのでお昼ご飯を食べてから退院することにした。

朝食を食べてからの私は慌ただしく身の回りの片づけをしながら荷物をかばんに詰め込む。
おっぱいがなくなった事を除けば、見た目は入院前とちっとも変わらない。
なのに私は乳癌患者!でも、今は何も考えず前向きに行こう。そう言えば姉は、

“私、今は何も考えたくないんだ。”と言うと、
“もう少し自分のことを本気で考えたら!”っていつも怒られる。
だって、今はなるようにしかならないんだもん。辛いことは考えたくな~い。

看護師が“退院療養計画書”と“退院に向けて”というパンフレットを持ってきた。
やはり目につくところは「再発の可能性」である。
手術は一つの治療法で私にはこの後化学療法が待っている。
しかし、やはり今は何も考えないことにした。

お昼ごはんの時間です。
これが病院で食べる最後のお食事。
独居の私には栄養やカロリー計算をして出された献立は本当に有り難い。
病室の前にある掲示板に病院食についてあれこれと要望が書いてあったけど、自分で料理を作ることの大変さを考えれば上げ膳据え膳ほど幸せなことはないのである。
この入院中に出されたお食事に感謝してお膳を下げに行きました。

いよいよ退院です。
ナースステーションに挨拶に行き、そして病室の皆に別れの挨拶をして病室を後にした。
久々に外の空気。
周りは少しも変わっていない。
タクシーに乗り自宅まで帰ってきた。
たった三泊四日の外泊なのに妙に懐かしかった。
早速荷物の整理をする。
洗濯をして大体片付いた頃、入院中にビーズ細工をしようと思って出来なかった指輪を作ろうと思いついた。
しばらくすると昨日メールがあった広島在住の友人からメールが入る。
まだ退院したことを伝えていなかったけど私が自宅にいるということで何か買って来ようか?なんて聞いてきたけど、多分癌患者のことをあまり理解してくれないだろうと思いお見舞いを丁重にお断りしたらあっさり受け入れた。
手術の大変さがわかっていたら無理やりきてくれるはずなのに。
なんて勝手に考えていたけれど、皆自分の事が大事で他人の事は後回しになるものである。
本当は会って色々と話をして一人でも多くの人に私の病気をわかってくれて慰めて欲しいと思っていたけど諦めた。

3時位から作り始めていたビーズの指輪が出来たのが5時過ぎだった。
作り終えたあと、私は急に涙が止め処もなく流れてきた。
右のおっぱいに手を触れ、鏡に映し出す。
やっぱりおっぱいがない。
もう元通りの美乳には絶対に戻れないのよね。
術後、初めて流した涙である。
退院してからも一人ぼっち、側で支えてくれる人もいない、そして友人のそっけない対応。
悲しくて悲しくて涙が止まらない。

乳癌手術をした夜、患者さんは悲しくて一晩中泣き腫らした。

なんて書いてあったけど、今その気持ちの真っ只中に私がいる。
この辛い気持ちを誰かに伝えて慰めてもらいたい!
『あなたは一人じゃないのよ、私たちがあなたのことをこれからもずっと支えてあげるから安心しなさい!』なんて言葉を誰かにかけて欲しい……。
泣きたいときには思いっきり泣こう。
我慢なんかしないわよ!

夜ごはんを食べる前に母に退院したことを連絡した。
「ええっ?もう退院したの?早すぎない?」
後日母は私が三泊四日で勝手に退院したことを怒っていたと姉に聞いた。
すみません、あまりにも退屈だったので自分で決めました。



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