花の名前・木の名前・名前の由来

草花や木についている名前の由来。誰が付けたか分からないけど、知って納得のもの、「?」のもの、いろいろあって、面白い。

ホトトギス(杜鵑草・杜字・油天草)

2012年10月10日 | 草花・植物

ホトトギスユリ科ホトトギス属、「時鳥草」、「油点草」、「社鵑草」

名前の由来は、もちろん鳥のホトトギス。
数ある漢字表記の中で「杜鵑」を充てています。これは、「三国志」に出てくる、「杜の鳥(とのとり)杜鵑(とけん)」が、「ホトトギス」であることに由来するのではと思います。

ホトトギス(杜鵑草):花にある紫の点が、鳥のホトトギスの胸毛の斑点、または尾羽の白斑に見立てたとい言うことですホトトギス
別名
ユテンソウ(油点草):新葉の展開時葉の表面に油を垂らした模様があることから。

ホトトギスの種類
タイワンホトトギス:台湾に自生。よく枝分かれする。
キバナホトギス:九州南西部に自生している矮性の品種で、草丈は30㎝ほどです
タカクマホトトギス:大隅半島高隅に自生。「キバナホトトギス」に似ているが、より大きい花が咲く。
※地名の付いたホトトギスには「土佐、紀伊、駿河、相模」、いずれも自生地域。
ジョーロホトトギス:四国、南紀などに自生。茎が垂れ、花も下向き。花は黄色。

    2008.10.21  


そにしても、この漢字表記の多さには……びっくりです。

〈杜鵑〉・〈時鳥〉・〈子規〉・〈不如帰〉・〈杜宇〉・〈蜀魂〉・〈田鵑〉〈霍公鳥〉・〈霍公〉・〈郭公〉・〈杜魂〉・〈布谷〉・〈無常鳥〉・〈黄昏鳥〉・〈夕影鳥〉・〈菖蒲鳥〉・〈初時鳥〉・〈山時鳥〉・〈沓手鳥〉・〈山郭公〉など……もっとあるのかもしれません。
なぜこんなに漢字の表記が多くなってしまったのでしょう?
日本の国鳥は「ホトトギス」かと思ってしまいそうですが、国鳥は「キジ」です。

ホトトギス 面白いのは良く知られている「ホトトギス」で比較される、三者三様の歌。

 漢字表  記も三者三様です。

 ・なかぬなら殺してしまへ 時鳥      織田信長  
      おぉ、怖っ 。触らぬ神に……

 ・鳴かずともなかして見せふ 杜鵑    豊臣秀吉  
      まぁ、随分と自信家ねぇ
 
 ・なかぬなら鳴まで待よ 郭公       徳川家康)   
      まぁ、随分と忍耐強いのねぇ。

 

「育て方」本当に良く増える花です。
あまり増えるので「タイワンホトトギス」を残して、処分しました。
「タイワンホトトギス」は、花期も長く、「ホトトギス」ほど、行儀悪く増えることもなく、良く分枝してたくさんの花をつけるので、切り花にも使えます。時々整理して、あまり増えないように管理します。庭植えなら、特段の管理はいらないと思います。

園芸日記   原発廃炉に向けて


「キツネノゴマ」か「キツネノマゴ」か?「胡麻と孫」

2012年10月02日 | 草花・植物

長い間の勘違い。
「狐の胡麻」と思っていましたが、「狐の孫」が、正しいようです。

「キツネノゴマ」で検索すると、1600件ヒットします。中には「キツネノマゴ科キツネノゴマ」という記事も。
画像検索でも5000件以上がヒット。
★どうやら間違えて覚えていたのは、私だけではなかったようです。
Justicia procumbens in Talakona forest, AP W IMG 8550.jpgwikiの画像です。

手持ちの2冊の図鑑を改めて見てみると

「キツネノマゴ」:キツネノマゴ科、キツネノマゴ属:枝の先にある花の穂が「狐の尾」に似るが、ごく小さいので「孫」位のサイズ。
「キツネノマゴ」:小さい穂の形を「孫狐の尾」にたとえたのではないか。

この勘違いに気づかせてくれたのは、「クロサンドラ」への、コメントでした。

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パポニア・インテルメディア栽培記録

2012年09月25日 | 草花・植物

パポニア・インテルメディア  パポニア属 ブラジル原産 常緑低木

育て方
・木漏れ日のあるところ。直射日光は避ける。
・水はけがよく、保湿性がある適湿地
・環境が良ければ周年開花
・最低気温5℃。冬越し:室内
・肥料を切らさない

今年のゴールデンウィーク、「ガーデンガーデン」。
めったに行動を共にしない娘が、一緒についてきて、室内で育てる鉢を3鉢購入しました。
そのうちの一つが、「パポニア・インテルメディア

1一区切り花が終わると、すぐ次の蕾が上がってきて
2最初は種のようなものを包んだ、赤い蕾が上がってきます。
3花弁が開きだします。
4種に見えた部分の先に「ブラシ」のようなものが出てきます。
5種に見えた部分が、何やら不思議な柱が伸びてきます。
6花がしっかり開きます。花全体が、真下にコロンと落ちます。
7この時点で、すでに次の蕾がちいさく赤く見え始めます。

◆5月初めから9月の終わりまで、何度もこの1~7を繰り返しています。
◆花が咲く都度背丈が5.6センチずつ伸び続けています。
◆芯を詰めると、脇芽が出て、賑やかになるようですが、今のまっすぐ延びた姿が気に入っています。

2パポニア 3パポニア 
4パポニア 5パポニア

6パポニア 7paponia
種が付きました。http://blog.goo.ne.jp/momono11/d/20121218
発芽の確認と差し木 http://blog.goo.ne.jp/momono11/d/20130528
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ナデシコ(撫子)

2012年09月19日 | 草花・植物

 秋の七草のひとつと言うより、「大和なでしこ」という言葉の方がよく知られています。≪ナデシコ科ナデシコ属≫
そして今は「なでしこ」と言えば、「なでしこジャパン」のこと。
震災直後のワールドカップでは、本当に日本中に明るい話題を届けてくれました。
スポーツが日本中のスポーツファンでない人々にまでに感動を与えた、最初ではないかと思います。

ナデシコの名前の由来は、「花の姿があまりにもかわいらしく、手で優しく子供を撫(な)でるように撫でたくなる」ことから「撫子」となったとあります。
萩の花  尾花葛花  なでしこが花  をみなへし  また藤袴  朝顔が花   山上憶良(万葉集 巻八)
このナデシコは「カワラナデシコ」のことだと思われます。 

別名
トコナツツ(常夏):万葉の頃には、花期が長いことから、「夏がいつまでもある」という意味で、呼ばれていました。
ただし、中国系の「石竹(石竹)の種類に、この名前をつけたものもあり、現代では「ナデシコ」の別名とは言えません。

唐撫子(カラナデシコ)と河原撫子(カワラナデシコ)
中国から持ち込まれたものは「唐撫子」、日本の在来種を「河原撫子」「「大和撫子」 として区別。

6.11 6/25
7/22 7/13
6/14 5/29
5/23  6/8
    フクロナデシコ                              ムシトリナデシコ(コマチソウ)

△▼△▼庭で咲いている「ナデシコ」の種類です。背丈もかなり高くなるもの、10cm位のもの。花の時期もかなりずれています。
同じ種類かと思う位、派手なもの、清純なものと様々。
背丈が高くなると、倒れてしまうものは、切り戻して低く育てるとよいのですが、時期を逸してしまって、いつも見苦しく倒れてしまいます。

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ノウゼンカズラ(凌霄花)夏の空に映える

2012年08月07日 | 草花・植物

ノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ   蔓性落葉樹ノウゼンカズラ

凌霄花ノウゼンカズラ
この花が咲きだすと「夏」だなぁと、改めて季節を感じます。
空に向かって咲きだすノウゼンカズラが揺れるさまは「夏の象徴」の一つと言えると思います。

名前の由来  
漢名の音読みの凌霄(りょうしょう)が、ノウセウ→ノウセウカズラ→ノウゼンカズラと、転訛したといわれています。
カズラは蔓性の意味です。
「凌」は”しのぐ”、 「霄」は”そら”の意味ということらしいので、まさに空に向かってどんどん伸びるさまは、漢字の示す通りの花です。

木根を出して、他のものに付着してぐんぐん蔓を伸ばします。
挿し木で育てたノウゼンカズラですが、成長するに従って、どんどん繁茂。
地下茎からも芽を出し、このままでは収拾つかなくなると思い、鉢にしました。
背の高い支柱を使って、出来るだけ高い位置に花が出来るようにしています。

漢方薬として平安時代に中国から渡来。古くから垣根などとして親しまれてきました。利尿などに効くとされていましたが、今は使われていないようです。
花の蜜が「毒」ともいわれていますが、これも根拠がないようです。

 英名は花の形からチャイニーズ・トランペット・バインやチャイニーズ・トランペット・フラワー
アメリカノウゼンカズラは小ぶりで赤橙色
花を覗くと             原発廃炉に向けて


ツレサギソウ(連れ鷺草)・名前の由来と育て方

2012年06月08日 | 草花・植物

名前の由来は花の形と付き方です。
「サギ」に花が似ていて、連れだって、花がたくさん咲いていることから「連れ鷺草」。ツレサギソウ
野生ランの「ツレサギソウ属」。
花は、「ミルク」のような甘い香りがします。

最初にこの花を見つけたのは、団地造成工事が行われていた近所の山でした。
まだ花が付いていなくて、葉だけだったので、「ツバメオモト」かもしれないと、一株持ちかえりました。
花を見て「クモキリソウ?ジガバチソウ?」かとも思いましたが、葉が違うので、調べ調べた結果「ツレサギソウ」と、判明しました。

育て方
「ラン」の一種ですが、特に難しいところはなく、ある程度の保水のある土なら、太い地下茎でどんどん増えます。
最初あまり増えるので、何度も引き抜いて処分していた位です。

ツレサギソウの仲間 http://www.geocities.co.jp/NatureLand/6324/menu/ya/yamasagi.html
ヤマサギソウ・オオバノトンボソウ・キソチドリ、マイサギソウ・オオヤマサギソウ・ツレサギソウ

   

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クリンソウ(九輪草)

2012年05月18日 | 草花・植物

サクラソウ科サクラソウ属九輪

【クリンソウの名前の由来】
花の付き方が、仏塔の屋根の「九輪」に似ていることから「「九輪草」となりました。
ただし、日光の九輪沢で発見されたという説もあります。

別名は「七階草」です。実際は4~5段ですが、7段もあるように多さに表現したと思われます。

花色は濃いピンクが主流のように思っていましたが、我が家のものは「薄いピンク」だけした。
それが今年になって1本だけ、濃いピンクが入ったものが咲きました。
画像検索すると、「サクラソウ」の仲間とは思えない白や黄色もupされていて、不思議です。

育て方
湿地や沢伝いに群生するとありますが、普通の土質でもよく増えます。
種は「取リ蒔き」するまでもなく、こぼれ種から、増えました。
種は遠くまでこぼれるので、見つけたら1.2センチの頃に、好きな場所に移植しておくと、ほとんど育ちます。
虫がつくこともなく、丈夫な花だと思います。    

  
 

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パボニア・インテルメディア・育て方

2012年05月18日 | 草花・植物

★アオイ科・パボニア属・常緑低木パボニア・インテルメディア ★原産地:ブラジル

育て方:木漏れ日のあるようなところ・夏の直射日光は避ける。
     水はけが良く、保湿性のある適湿地。
     最低温度5℃
開花  :環境が良ければ通年。

園芸店では、結構ひそかに、目立たないところに置いてありました。
華やかで大きい花の中では、見落としそうな鉢でした。

最初はもちろん閉じています。
その次からが、よくわかりません。
花弁が開き加減のものもありますが、閉じた状態で中から花柱が、どんどん伸びてきます
どうやら赤い部分は復蕚片、黒紫の部分が蕚と花弁、伸びてきている先っぽが花柱、それを囲んでいるのが雄蘂筒(ゆうずいとう)というようです。
これからよく観察します。

放任すると、丈だけが伸びてしまうようです。
適当な時期に芯を詰めると、分枝して、にぎやかな枝ぶりになるようです。

花の咲き方をまとめてみました。 (2012.9.25)http://blog.goo.ne.jp/momono11/d/20120925

   
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ミズメ(水目)・アズサ・梓弓・ヨグソミネバリ(夜糞峰楱)・フォレストヒーローズ

2012年02月12日 | 草花・植物

森の英雄たち〈フォレストヒーローズ〉

宮城県気仙沼市の畠山重篤はたけやましげあつ)さんが受賞した賞です。

国連森林フォーラムが創設した賞の第1号が、畠山さん。
森は海の恋人」の合言葉で植林活動を続けてきたことで、よく知られた方です。
森からの養分が川に流れてきて、海にそそぎ、プランクトンを育てる。
つまり豊かな海は、豊かな森がなければ育たない。

昨年は「アズサの木」を植えたそうです。
梓はしなりがあって、船の「櫓」の材料になるとか。

震災で壊滅的な被害を受けたのは海も同じですが、海の回復力は、想像以上に早いそうです。
海には流れがあるからでしょうか?

 

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「アズサ」も「アズアシユミ」も正式名前ではないようです。

ミズメ(カバノキ科)
建築材、家具など幅広く使われる用木です・
「アズサ(梓)」や「「アズサユミ(梓弓)ヨグソミネバリ(夜糞峰楱)」の名前で、呼ばれています。
切ると、サロメチールの匂いがします。ヨグソの名前もここからきているのでしょうが、「サロメチール」なら、それほど嫌な匂いではないと思います。

ミズメの名前の由来は、切った枝からたくさんの樹液が水のように、したたり落ちることから。
アズサやアズサユミの由来も考えてみました。考えられるのは、弓の原材料として「アズサ」が使われてので、弓をただ弓と言わず「梓弓」とい言うようになったというものです。
しかし、弓の原材料は竹やはぜ(ハゼ)。
他に考えられるのは、アズサがよくしなるので、「弓」のようだということで「アズサユミ」というい方が出来たということです。
その後「引く」にかかる枕詞として「梓弓」が用いられるようになったとは、考えられないでしょうか。

梓弓などというゆかしい名前を持っているのに、夜糞などという名前も持つという不思議な樹木です。

梓弓 ま弓つき弓 年を経て
 わがせしがごと うるはしみせよ

梓弓 引けど引かねど 昔より 
 心は君に よりにしものを      「伊勢物語」

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コリヤナギ(行李柳)・イヌコリヤナギ(犬行李柳)

2011年10月26日 | 草花・植物

柳属は種類が多く、川のほとりなどに多く見られます。
良く目にする柳の代表は、なんといっても「シダレヤナギ」ですが、生け花で使われる「ウンリュウヤナギ」も、親しみイヌコリヤナギがあります。

春の訪れを感じるのは「ネコヤナギ」。この芽がふいてくると、もうすぐ「春」を予感します。

昔、道具として使われた「柳行李」は、「コリヤナギ」から作られたそうです。
名前の由来も「行李」を作るので「コウリヤナギ」から「コリヤナギ」に変化しました。

「イヌコリヤナギ」は「コリヤナギ」によく似ていますが、枝が曲がっていて、行李には使えません。「役に立たない」という意味の「犬」がついて「イヌコリヤナギ」になりました。

「イヌコリヤナギ」に出来る虫こぶは「柳のバラ」と呼ばれるようですが、はじめてみた時は、造形の美に驚きました。
この虫こぶは「イヌコリヤナギ」にとくに多くできるということなので、「バラコリヤナギ」または「ムシコリヤナギ」という名前でも良かったのではなどと思ってしまいます。

イヌコリヤナギ筑波実験植物園hpより イヌコリヤナギ

 http://biodb.i.hosei.ac.jp/nagaike/Nag000/32.html  こちらに美しい画像がありました。                                原発廃炉に向けて