ももママの心のblog

猫が大好き。有料老人ホームで生活相談員をしています。映画が好きだけど、なかなか見られません。

スター・トレック(デジタル・リマスター版)

2008-12-04 | 海外テレビドラマ
スター・トレックが好きです。・・・というと、トレッキーみたいなオタクと誤解されるか、逆にまったく分かってもらえない場合が多く、悲しいです。「宇宙大作戦」のコアな魅力を知らない方が多く、ちょっと残念です。でも、デジタル・リマスター版がBS2で放映されているので、興味のある方は一度ご覧になると良いと思います。デジタル処理され生まれ変わった「スター・トレック」は、大画面に耐えうる画像レベルになっています。

http://www9.nhk.or.jp/kaigai/startrek/

確かに1960年代のチャチな特撮のレベルでは満足できない方も多いだろうし、ストーリーも紋切り型です。何しろ11月29日放映の第53話の邦題は「宇宙指令!首輪じめ」ですよ。このダサさが情けなく、愛すべき一話です。

物語は船長のカークとクルーであるチェコフ、ウラの3名が周回軌道を廻っていた惑星に転送しようとした瞬間に消えてしまいます。エンタープライズでは転送機の故障を疑いますがそうではなく、宇宙のずっと離れた場所にある惑星トリスケリオンに連れ去られていたのです。ここでは自らを支配者と呼ぶ進化した生命体が、「スロール」と呼ぶ奴隷を飼育してお互いに戦わせて楽しんでいるという星だったのです。

カーク船長は映画版しか知らない人には「まだすごく若い」と思えるでしょう。本当に若くてセクシーなジム。肉体派船長(?)ですから、上半身裸のシーンが豊富に見られます。なにやらおかしな武具を持って雄雄しく戦うシーンもあり、ヒューマノイド女性とのキスシーンもあり、カークファンにはたまらない1作です。

ストーリーはお決まりの「愛は大切」というオチで終わり、チェコフやウラの出番はほとんどなし。カーク船長の独り舞台です。登場するヒューマノイドは美人のことが多いのですが、今回はいまいちです。スタイルは良いのですが(こちらも水着状の衣装でサービス)ど派手なツケまつげと緑色のゴージャスな髪型が目立つばかりで、場末のダンサー風です。でも、なんともこのヒューマノイドが魅力的に描かれています。そして、カークはすぐに恋に落ちるのです。ほんと、彼は惚れっぽいねえ~。こんなに簡単に異星人と恋して良いのか?

「支配者」は進化のきわみであり、すでに肉体を失って脳だけになっているという極端な設定。その脳だけになっている「支配者1」「支配者2」「支配者3」が、スロールを戦わせて貨幣を賭けあって暮らしているのです。このステレオタイプな異性人のビジュアルがまた、お粗末で泣けて来ます。

B級並だと、けなしてばかりに読めてしまうかもしれませんが、私はフェロモンたっぷりのカークが大好きです。すぐに異性人を愛してしまい、情熱的に抱き寄せてキスする野蛮(?)な男です。正義感が強く、クルーや船のためになら身を投げ出す使命感の強い男ですが、感情的になりやすく、時には判断を誤ります。でも、すべて結果オーライ。こんなノーテンキなストーリーを安心して見ていられるところが、またまた魅力なのです。

宇宙の離れた場所に連れ去られたテクノロジーについての説明も、一切ないのがこのシリーズらしい感じですね。他のシリーズにおいては、無理やりにでも何かしらつじつまの合う説明がついているのがお約束なのですが・・・。こういう説明のなさも、素朴なB級SF風味で、たまりません。暢気な時代の暢気なSFなのです。まあ、物語の中で活躍している登場人物たちは常に生命の危険に遭遇し、ありえない冒険を繰り返すのですが、無条件にテクノロジーの発達を喜び、東西の壁がなくなりさえすれば人類がひとつになれると無邪気に信じることにできたよき時代の産物なのです。もっと明るい未来が開けていくのだと心底大人たちにも思えたこの時代、アメリカも強い国だったのですね。その強さが、カークを情熱的で野蛮なまでに強い男として描いているのだと思います。ジェームス・カークは若くて強い魅力的な男です。大好き!

エンタープライズ号に残されたスポック、マッコイ、チャーリーの3人のやりとりも少しですが楽しめます。「非論理的ですね」というスポックのいつもの台詞が聞けなかったのが残念ですが・・・

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