ももママの心のblog

猫が大好き。有料老人ホームで生活相談員をしています。映画が好きだけど、なかなか見られません。

宗方姉妹(1950年)

2012-10-08 | 古い映画をDVDで観た
戦後間もない世相を反映してか、夫(山村聡)は職がなかなか見つからない。妻(田中)はバーを経営してるけど、あんなバーって存在してたのかな?バーテンダーは特高崩れで麻雀に夢中になっているらしいのは、よくあるタイプだとしても、お店で姉は編み物をして、妹はファッション雑誌をめくっているのってリアルにあったのかどうか?

まあ、何の仕事でも良いのだけど、妻に食べさせてもらっているのにそれなりに「旦那様」っぽく振る舞わないといけないご時世でしょう。お気の毒。

父(笠智衆)は癌でいくばくもないという話が最初からあり、どうなるかと思っていたら思うぬ展開。上原謙の夫が離婚を言いだしたり妻をびんたする場面に戸惑いましたし。

最終的な姉の選択は、古い日本の美学であり、これもありかと思います。若い人には分からないでしょうが、きっと多くの高齢者は共感するでしょうね。私もわからないわけではありません。実際にこうなったら自分はこういう選択はないでしょうが。

高峰秀子の演じる妹がお茶目なキャラで浮いていますが、最初から死の影があり、家庭は崩壊しているのですからこの底抜けの天然キャラで救われています。講談調の語り口や、ペロッと舌を出して可愛いのは高峰だからでしょう。他の人ではこうは行きません。

映画としては、かなりレベルが高いと思います。

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