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物流王の物流徒然

物流に関するブログです

リスクマネジメントその5 ~ハインリッヒの法則の結論

2013-11-02 10:53:19 | Weblog
前回までで、

「事故は1回1回では起こらない確率の方が高い。だから意識から漏れてしまい、結果、一定期間において高確率で事故が発生してしまう」
「1回の事故の裏には29回の軽微な事故があり、その裏には300回のヒヤリ・はっとした経験がある」

ということを説明しました。

ここからいえることは、

・事故は「起こるもの」である。

・意識して対策をしないと、確率は減らない。

・対策は、1回の事故そのものを見るのではなく、その側面の29回、あるいはその前兆の300回に着目してみる。

・そもそも、300回の前兆の段階で手を打っていれば、未来の1回の大事故を防ぐことができる。

ということです。


300回の前兆は、かなりの頻度で起こっていると考えられます。

この時点で「手を打つ」のは、一見、手間もかかって面倒なことに見えるかもしれません。

しかし、ここで1つ1つの小さいリスクをつぶしていけば、一定期間後、目に見える形で大事故が減るのです。

業務ミス、に関しても同様のことがいえます。

ここまでのことは、「理論・原理原則」の話です。

これを踏まえて、各自で事故を減らす努力や工夫を行うのです。

次回は、その工夫などについても解説していきます。
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受験秀才とクリーンファイト

2013-11-02 10:30:48 | Weblog
「受験秀才は期待外れが多い」という、ビジネス書でよくありがちなうたい文句に反発しながらも、なぜその文言が生まれるのか、の理由を考えて、思い当たる節を見つけました。

「受験」は、1回のテストの点数の高低で勝負が決まる世界です。

いいかえれば、
・ルールがはっきりしている。
・正解、不正解、それによる得点差もはっきりしている

という、これ以上ない「正々堂々とした勝負」なのです。

それを勝ち抜いてきた「受験秀才」は、「正々堂々とした勝負に強い」人たちなのです。

そして、その人たちが集まる世界も、まわりの人間も同じように正々堂々と勝負をする人達が多いので、
「勝負というものはルールに従って正々堂々とするものだ」という刷り込みがされてしまっているのです。

しかし、ビジネスの世界は、
・ルールがあるようでない。
・正解も不正解もなく、「情実」による部分が大きい。
・人によって評価が違うので、得点差も見えにくい
・場合によっては、ルールを守らないほうが有利になることも往々にある。

という、「サバイバルの戦場」なのです。

「受験秀才」は、クリーンファイトに強いので、ラフファイトには慣れていないのです。

「受験秀才」以外の人間は、何の疑問も感じないラフファイトの世界でも、クリーンファイトを数多く重ねてきた人たちにとっては、違和感だらけになってしまいます。

なので、ラフファイトの世界になれるまでは、思うように力が出せない、ということが多いようです。

しかし、それはあくまで「慣れ」の問題なので、「ラフファイトのやり方」「力の使い方」を覚えてしまえば、基礎ができている分、強く戦える素養は持っているのです。

逆に、ラフファイトばかり覚えてしまった人たちは、クリーンファイトが弱く、「1対1で肩書きも何も取りはずした状態で自分の力だけで戦う」力が不足しているのです。

従って、結論としては、

「まずクリーンファイトに強くなれ」
「ラフファイトのやり方も覚えろ、ただし、それにのめりこみすぎるな」

ということです。
マンガ「タイガーマスク」の結論と似たような結果になりました。
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スナッフルズ蕨上陸

2013-10-28 23:27:50 | Weblog
先日、地元の埼玉県JR蕨駅で函館名物スナッフルズがMonthly Sweetsに出店しているのを発見しました。

名前のとおり、1ヶ月限定なので、近くにいる人は是非ためしてみてください。

有楽町交通会館のほうは、常時出店です。

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リスクマネジメントその4 ~ハインリッヒの法則とヒヤリハット~

2013-10-27 07:55:05 | Weblog
今回は、広く知られている用語について解説します。

ハインリッヒの法則とは、作業現場を持つ会社では有名な法則で、

「1つの重大事故の影には29の軽微な事故・違反が存在し、さらにその影には300の、事故まではいたらないが危ないと感じた(「ヒヤリ」とした・「ハッと」した)経験=ヒヤリハット体験が存在する」

という統計結果です。

いいかえれば、「ヒヤリハット体験」は10回に1回、軽微な事故・違反を引き起こし、300回に1回、重大な事故を引き起こす、軽微な事故・違反は30回に1回、重大な事故を引き起こす、というものです。


回数はともかく、いわれてみれば思い当たる節があるのではないでしょうか。


この法則にしたがえば、重大事故は、それだけを見て対策をしてはいけない、ということです。また、重大事故の再発防止は、1つだけを行ってもよくなく、背後の29の間接要因をすべて対策するくらいのことをする必要があります。そうしないと、その事故の再発は少なくできても、形を変えた他の事故の原因になってしまうからです。


また、「予防」の意味では、「ヒヤリハット体験」の段階で原因を分析し、対策を行うと、将来発生したかもしれない10回に1回の軽微な事故や300回に1回の重大な事故を防止できるのです。

この考え方に基づいて、「ヒヤリハット体験報告」などを導入している会社も多いと思います。




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リスクマネジメントその3 ~確率の考え方 補足~

2013-10-26 07:57:42 | Weblog
今回は、前回の例を補足し、リスクの根本的な原因を指摘していきたいと思います。

前回は、
「1万回に1回事故を起こす飛行機は、1回1回をとれば、事故を起こさない確率の方が圧倒的に高いが、平均的には4年に1回事故を起こすので、怖くて乗れない」
という話でした。

ここで問題なのは、「1回1回をとれば、事故を起こさない確率の方が高い」ということです。

それはそうです。

事故を起こす確率の方が高ければ、そもそもサービスを提供できません。

「まず、事故を起こさない」という状態になって、はじめて自信を持ってサービスを提供できるのです。

しかし、その確率が問題なのです。

人間が考えているより、はるかに低い確率に抑えないといけないのです。


日常でも、似たようなことは発生しています。

人に、「そこを注意して確認しないと、事故を起こすよ」と注意しても、注意された人は、「このくらい大丈夫だよ。事故なんて起こさないから」と反論します。

実は、注意した人も注意された人も正しいことを言っているわけです。

1回1回の行動では、事故を起こさない確率の方が高いです。「まず起こさない」というくらいの差であることも間違いないです。そうでないなら、いくらなんでも本人が気づきます。

本人が気づかないくらいの確率で、でも長い期間でみれば看過できないくらいの高確率で発生するのです。

注意する人は、「長い期間で見れば一定の確率で事故を起こす。そしてその行動によって発生する確率は看過できるレベルではない」と考えて注意するのです。


思うに、現在発生している事故の大半は、「注意する人」と「注意される人」の認識の違いにあるのではないでしょうか。

「1回1回を見れば事故を起こさない確率の方が圧倒的に高い。だから、油断して対策をとらない。だから、事故が減らない」

という矛盾にも似た現象が、リスクの本質と考えられます。

そして、リスクマネジメントをする人間は、この本質を常に認識していなければいけません。
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