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物流王の物流徒然

物流に関するブログです

リスクマネジメントその7 ~事故を減らす工夫~

2014-02-25 13:15:34 | Weblog
事故を減らす工夫です。


①指差し呼称

 指で差し示し、「ヨシ!」の言葉を発する作業です。
 確認作業の一環として使われます。

 人間は、目でみても認識していないことが多いので、重要な点は、指で指して確認することで、意識して認識する効果があります。

 身体作業を行う現場では、ほぼ必ず行われており、これを知らない人間には作業をさせない、という現場も多いと思います。

 普段から行うことで、指差し確認のクセをつけていれば、自然と危険な箇所を確認できるようになります。


②チェックマーク

 主に事務作業の確認です。
 内容をチェックしたら、鉛筆でチェックマークをつけます。

 ①と同様、目でみても認識の外にいってしまうものを、意識して認識するようにする効果があります。

 通関の事務では必須であり、これをやっていない書類を提出したら、突き返される場合も多々あります。


③朝礼

 他者と会話することで、確認漏れなどを減らす効果があります。
 また、重要な事は繰り返し説明することで、段々と相手に理解してもらえるようになります。

 たとえば、「現場に出るときには安全靴をはく」と毎日言っていれば、頭の中でフレーズが勝手に出てきて、現場に出るときは必ず安全靴をはくようになってきます。


④危険予知トレーニング

 上記の作業が日常的に行われるのに対し、こちらはあらかじめ時間をとって、開催します。

 事故の原因になりうるケースを提示し、それを皆で議論します。

 ケーススタディの一環です。

 自分では普段見過ごしている観点に気づくことができる効果があります。


⑤報告

 事故が起こってしまった場合にすぐ報告を行えば、二次被害を防ぐ効果があります。
 自分にとって都合の悪いことを報告するので、それを敢えて行う胆力が必要となります。

 また、上記の可能性を見越して、
 「一人で重大な作業はさせない」
 「報告は当事者ではなく、現認者が行う」
 などの工夫も考えられます。


上記の内容は技術的なことですが、これを行うだけでも事故のリスクは大きく減らすことができます。

ただ、重要なのは、「事故を起こしてはならない」「事故を起こすのと起こさないのでは、大きな差がある」という事をどこまで本気になって徹底して考えて実践できるか、です。

過去の記事には、その要素が記載しているので、是非一読ください。
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教える事と教わる事とどちらが難しいか

2014-01-17 00:35:33 | Weblog
今日の飲み会の話題で、ちらりと出た話題です。

「教える事」と「教わる事」とどちらが難しいでしょうか。

人を育てた経験の少ない人は、「教える事」のほうが難しいというと思います。

教える為には、自分自身がその事を理解して、かつ、相手が理解できる言葉で説明しなければならず、かつ、相手が本当に理解しているのか確認しなければならないからです。

教え方も、一回だけではなく、手を変え品を変え、実際にやらせてみて、優しく教えたり、厳しく教えたり、そのやり方も、相手が変わると全く通用しなくなったり、と、技術も経験も対人能力も要求されます。

しかし、私は、あえて「教わる事」のほうが難しいと考えます。

もちろん、相手が教えてくれるのをただ待っていて、その通りの作業を行って完結するだけのレベルでは、何の苦労もいりません。

理解する努力と、試行錯誤があれば、一定以上の結果は出ます。

そのレベルであれば、「教えること」のほうが遥かに難しいといえます。

しかし、「教える事」を経験した上で、更に「教わる事」を考えると、これは非常に奥が深いと考えます。

「教える事」は、教える内容がわかっていて、それをどう実現するかの手段を考えるだけです。

いいかえれば、自分の中で正解がわかっています。

それに対し、「教わる事」は、そもそも全体像がわかっていない状態です。

何を教わればよいか、を自分自身で考えて、適切な相手に、適切な言葉で質問を投げかけなければいけません。

・全体像が見えていない段階で、何を教わればよいか、を見つけなければいけない。
・それを教わる事が、正しい事なのか、もっと他にいい方法があるのではないか、という自問自答をしなければならない。
・誰に教わればよいか、その人は正しい知識で正しい教え方をしてくれるか、を見極めなければならない。
・教わった内容で本当によいか、それで完結してよいか、を自問自答しなければならない。
・上記のことを、限られた時間の中で組み立てなければならない。

つまり、「教える事」が「すでにある課題を解決する事」であるのに対し、「教わる事」とは、「課題を発見する事」であり、「質問力」であり、「仮設検証力」であるのです。

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1年間のブログ~2013年を振り返って

2014-01-04 06:37:48 | Weblog
2013年は、結構間隔をあけて投稿していました。

主なタイトルを列挙すると、

・目先と将来のバランス
・客のため?
・仕事をプライベートに活かせ
・日本は土地が高い
・業務の見直し。自社か外注化?その判断(10/5)
・まとめ:外注か内製かを決める5つの基準(10/10)
・「あいまいな言葉」を使わない
・リスクマネジメント(その1~その6)(10月後半)
・経営効果の4つの要素

物流からビジネス全般にシフトしているのがわかります。

特筆すべきは、
「外注か?内製か?を決める5つの基準」を発見したことです。
経営の重要なテーマであり、かつ、必ず答えが見つかり、基準も明確である=説明がつく、かつ、あらゆる場面で適用できる、という優れものです。
是非一読してみてください。

もうひとつは、「リスクマネジメント」のシリーズです。
途中で中断していますが、大事なことを書いています。



また、サービス終了&引越しなどのために閉鎖されてしまったホームページがninja toolsのサイトへ移転しました。
http://butsuryuo.kinugoshi.net
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経営効果の4つの要素

2013-12-15 07:39:00 | Weblog
リスクマネジメントは一時中断して、経営効果の4つの要素を説明します。

われわれが行う仕事は、常に経営に影響を及ぼします。

従来は、「売上」と「費用」のみに目がいき、

・「売上」 - 「費用」 = 「利益」 で、
・「売上はあげろ。費用は抑えろ」 で、
・「営業部門の役割は売上を上げること。それ以外は、費用を下げることが役割」

などという単純な言葉が飛び交っていました。

今でもこのような発言は多いのではないでしょうか。

しかし、よくよく考えてみると、「売上」とは、顧客が「価値」を認めたから成り立つものであり、その「価値」を構成するものは、われわれの普段の仕事の成果であるのです。

また、「費用」にしても、定常的に発生する費用のほかに、信用問題の回復などのため、一時的に多大な費用を要する場合もあります。

これらを考えると、「長期的な売上のもと」「見えない売上」「長期的な費用のもと」「見えない費用」なども考慮にいれる必要があります。

言葉を変えると、「売上」「費用」のほか、「信用」「リスク」も経営の効果として挙げることができます。

「信用」と「リスク」は、決算書に表れるものではありませんが、会社の神髄でもあるものであり、重要です。

そして、その成果は、おおざっぱにですが、数量や金額で見積もることはできます。(人によっても異なるでしょうが)

仕事の成果をフィードバックする際には、上記4つの効果を考えて判断するとよいでしょう。

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リスクマネジメントその6 ~事故が発生した場合の対処

2013-11-07 05:20:56 | Weblog
実際に事故が起こってしまった場合の対処法です。

順序としては、

①二次被害、事故の拡大を防ぐ

②原因を追究する。

③再発防止を行う。


となります。

「②原因追求」は「人に責任を追及する形になるからやめたほうがいい」という人もいますが、私はすべきと思います。

ただし、その場合でも、「③再発防止」は、②とはわけて考えるべきです。

なぜなら、②は、通常、一人の人間に、すべての責任を負わしてしまいがちなのに対し、③は、事故の原因は複数の要素が関係するからです。

補足すると、

通常、事故が起こらないように、一人がミスしても、他のチェックなどで防ぐことができる場合が殆どです。

ただし、それも確率の問題なので、「一人のミス」と「確認の不備」「その他悪条件」が重なってしまうことも、一定の確率で起こってしまうのです。

このとき、関係する人間の中から、「相対的に一番責任を負うべき人間」を探し出します。

それは、「正しいか間違っているか」だけではなく、「力関係」や「他の、同じ立場の人の行動と比較して」という要素で決まっていきます。

責任を負わなかったほうは、「(責任を負うべき人間が)これこれこの行動をやっていれば、この事故は発生しなかった」といい、責任を負ったほうも、「確かに悪かった。でも普段は(他の人が)これこれこういうチェックなどをしていて、それが機能していればこの事故は起こらなかった」といいます。

両方正しいのです。
しかし、力関係があるので、責任を負うべき人間がその発言をしたら、言い逃れのようにとられてしまいます。

そこで、②と③をわけずに考えると、一人だけが対策をとり、他の人は何も行動を変えないので、事故の確率は減ったとしてもまだまだ高確率で存在するのです。

②と③をわけて考え、それぞれの立場の人がそれぞれのリスク回避策を見直すことで、事故の確率は大幅に減るこのになるのです。

とはいえ、事故発生で真っ先にすべきことは、
①の「拡大防止」です。

この順序は忘れてはいけません。
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