一向に進まない「割合」の指導法 戦後70年殆ど変わらない教科書と参考書と指導者の資質

2015年09月23日 21時25分05秒 | 割合指導物語・・・分かりやすくなけりゃ

 はじめに余談ですが、「九九表」と言う呼び名はどうして出来たのでしょうか。

 その昔、「そろばん」は中国から日本に伝わったことはよく知られていますが、

九九表も中国から伝わっていました。そして日本の塵劫記が吉田光由の著で

1627年に中国の「算法統宗」1593年作を手本として出版されました。

 そこに出てくる九九は、

九九 八十一

八八 六十四  八九 七十ニ

七七 四十九  七八 五十六  七九 六十三

六六 三十六  六七 四十ニ  六八 四十八  六九 五十四

五五 ニ十五  五六 三十   五七 三十五  五八 四十    五九 四十五

四四 十六  四五 ニ十  四六 ニ十四  四七 ニ十八  四八 三十ニ  四九 三十六

三三 九  三四 十ニ  三五 十五  三六 十八  三七 ニ十一  三八 ニ十四  三九 二十七

ニニ 四  ニ三 六  ニ四 八  ニ五 十  二六 十ニ  ニ七 十四  ニ八 十六  ニ九 十八と

これだけです。

 

このように古くは、「九九八十一」から呼び始められたので「九九表」と名づけられたと言うことです。

我が国の「口遊」「拾芥抄」の出版物に載せられた九九表は、すべて「九九八十一」から始まっています。

 

 このように説明をしますと、「なるほど」と少しは納得されるのではないでしょうか。

 このような余談話しから入りましたのは、少しでも説得力のある内容を入れたかったから他にありません。

 

  説得力のある授業をすればするほど児童・生徒達は、勉強に引きずり込まれます。

    勉強が「おもしろい」「楽しい」と言い出します。

 

    今、6年生は「速さ」の単元に入りつつあると思います。

    今、新興出版社「啓林館版」算数6年生の参考書を見ています。

 しかし、残念な事に「割合」の文字が一向に出てきません。

  その代わりに「道のり=速さ X 時間」の公式が出てきて、公式を覚えるのに「み・は・じ」と覚えて

 おくと便利ですよと、道のり・速さ・時間の関係を丁寧に「先生からのひとこと」として説明をしている。

 

  割合を指導する絶好のチャンスをミスミス逃して、これじゃ「暗記学習」ですよね!

   こんな問題が出ています。

    次の道のりを求めましょう。

   <問題>   時速4kmで3時間歩いた時に進む道のり

     道のり=速さ X 時間 の式に当てはめます。  4 X 3 = 12と説明をしている

      当てはめ学習なんです。

   

    このように、公式重点に指導をしますと「割合」が疎かになって、一体どれが?どこが?

   「割合」なのと理解定着がなされないまま、過ぎ去っていく。 これが大変悪い現実なのです。

   

   こういった授業がまかり通っている間は、ダメですね。

   最低限、1時間で4kmの速さで、1時間を基準に置いてそれを3時間かける(増やす)

       この1時間と比較して3倍の時間をかけた3時間が割合になりますと確実に説明を

      する必要があります。このような初歩的な説明が欠落するならば、いつまでたっても

      理解向上は望めません。また丁寧な説明が通じないのであれば更にフォローの出来る

      分かり易い説明言葉を用意してあげる事が必要です。

 

      公式など覚えさせる必要性は、初歩の段階ではないと思います。

      

      たて X よこ =面積 の言葉に   「速さ X 時間 =道のり」に置き換えるだけで

     十分に理解できます。一度面積図を活用されることをお奨め致します。

 

      大人も子供も「割合」が弱いという事は、割合に接する機会が少ないという事です。

     それは、指導者が気付いていないという事です。

     方法は、数多くありますので研究も是非やって下さい。

 

     割合がひとたび分かり出すとすごく伸びて行くのは間違いありません。

     

     それと、単位をつけないで式を書かせている指導、これも問題ありと提起しておきます。

 

 


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