比の勉強も教え方で変わる理解力の差・・・理解が進まない児童のコンプレックスも高まる単元

2015年05月19日 11時55分45秒 | 割合指導物語・・・分かりやすくなけりゃ

 私が約60年前の昭和34年頃、確か小6の算数学習<比>で表題の5 : 8が 5 ÷ 8と出来るのですよと教えてもらった事と、何故<対>が<÷>に変換できるのか詳しい説明をしてもらった記憶がありません。

 

 一体どうして<比>が勉強について行けたのか?昔、私たちの年代は、大阪市内ですが小学校で6クラス中学校で20クラス、1教室が60名定員その中学校の総人数約3000名でした。

 このような条件のもと、「質問を受け付ける」とか「発表・発言」など中々順番が来ず、分からないまま学習単元がどんどんと進んでいった記憶が鮮明に蘇ります。

 ある時に、< : > の真ん中に< - >の線を入れてご覧と教わった時に「なるほど」と思って、それ以後何も考えずに単に記号を変えるだけで問題を解けていったものだから、不自由さも感じなくついて行けたのかなと思います。

 しかし、しかしですよ!

 これは、学習指導でしょうか?  意外と現在でもひょっとすると使われているのではと危惧しています。

 

 すべての児童にキッチリと教えれば、コンプレックスを持たせなくても済むはずです。

 ここが教師にとって一番大事なところで、研究をして実践すれば良いだけの話だと思います。先天的に理解の高い児童は別にして、半数以上は理にかなった指導を丁寧に分かるまで教えて欲しいのです。

 そこで私の持論を述べますが、(分かりにくいと思っている方向けです)算数は、つながりの学習ですのでほとんどの単元は、何かに結びつくように教えると理解が高まる時が応応にしてあります。

 今回の比も結びつけようとするならば、「割合」と「九九」となります。割合の範囲は前回の「その2」で説明をしていますが、整数・小数・分数・百分率・歩合と倍数関係です。

 それでは、まず<比>の定義をしておきます。

 比とは「比べる」事です。二つ以上の数を比べます。

 比べる時に「 : 」を使って、前項と後項に分けます。前項は分数で言うと「分子」の部分です。後項は分数で言うと「分母」の部分です。

 九九で言うと例えば  4 × 7 =28とすると  「4」が分母で「28」が分子です。もとの量が分母で比べる量(答えの部分)が分子につながるのです。4分の28を約分して「1ぶんの7」と答えが出ます。これが

比で言うところの「比の値」となります。比の値とは2量を計算した答えのことです。

 要するに、前項:後項は、上の例で行きますと28: 4となりますね。言葉的には、「・・に対する・・の比」とか「・・の・・に対する比」とかの区別になりますが、難しい時はちょっと横に置いておいても良いでしょう。という事で九九の7を(?)とするならば28÷4で7をみつけようとしますね

 だから、28: 4は 28÷4と変換できるのですよ!九九の意味で言っても合致しますよ!分数の意味につなげても合致しますよとなります。

28: 4 ⇔ 28÷4 ⇔ 4分の28(28/4) ⇔ 4×?=28 4はもとの量で28は比べる量(答えの部分)  故に、前項は28で後項は4   比の形では 後攻が基準量となりますね。

 

 この合致した事で次のような問題にあたってみると理解が容易いものとなるのではないでしょうか。

   5 : 7の比の値はいくらでしょう?   答え  5÷7=7分の5

   この時基準量が7ですので、1あたり量は7と判断します。7に対して5の量となったと考えると、「割合」が基に対して1より少なくなった7分の5となる、すべて理屈などに合致しますよね!

  (問題) 縦と横の長さの比が3:4の長方形があります。縦の長さが60cmのとき、横の長さは何cmですか。

 

  解き方・・・長さの割合は3:4であるので「比の値」は4分の3

        縦の長さが60cmと問題の基準にしているので、比の値4分の3を逆数にして縦3を分母に使います。よって 60×4/3 (分母はもとの量に合わせて1あたり量を必要とするので)=80

          60÷3/4でも出来ます。

  答え、80cmとなります。 

 

     このように、平凡な疑問点も丁寧にして行くと「なるほど」と合点がいくようになります。

    分からないまま見過ごすのが学習共通の課題なのではないでしょうか。


割合の不理解者が多い現状 昔も今も戦後70年同じ傾向です 言わせて頂きます

2015年05月04日 12時54分01秒 | 割合指導物語・・・分かりやすくなけりゃ

 この割合については、大人になって仕事につきだしてから理解でき出すという方が多くなるのですが、さて説明をお願いしますとなると出来ませんが又多くなる。

 これは、一体どういうことなんでしょうか?  大変難しい課題だと思います。

 教え方が悪いのか

 習い方が悪いのかとなると、おそらく「教え方」が難しくて良い結果を出せないでいる教師達の割合が多い現状があるものだと思わざるを得ません。

 教研集会でも教科研究でも繰り返し実施していることは良く知っています。

 結果が出てきていません。

 大規模校ならいざ知らず、小規模校でも同じように理解不足のまま中学校に進級しています。

 「小規模校でも同じように」という事実は、指導の仕方のまずさを如実に物語っていると言っても過言ではなさそうです。

 

 今回の投稿は、 その2 割合を表すのに「整数・小数・分数・百分率・歩合と倍表現」がありますが、なぜ分数は割合なのでしょうか?

 そもそも分数(fraction)というものは、2つの数の比を用いた数の表現方法のひとつである。

 

 そうなんです。簡単に言うと 「比べる」 事なんです。  比べれば割合なんですね。 その1でも申しましたが、

 割合=分数=比   と繋がっていくのです。   比の事についてはその3で投稿致します。

 児童たちは分かり易い指導法を待っています。ハッキリ言って現状のような指導法は、限界です。

 

 ヒントはあちこちに隠されているはずです。

 まず、指導手順の改善が必要であると考えます。

 例えば、九九は何故勉強をしてきたのかと考えてみますと、多くの大人たちは、暗記的に覚えて九九の意味を教えて貰っていないと感じています。単なる計算で必要であると思い他の生徒と競って覚えましたと答えています。

 

  その指導時期が来た時に次のような指導法はどうでしょうか。

  5 × 2 = 10 と覚えましたね! これを役立てましょう。  

 今から分数学習しますが、九九と分数は密接な関係があるのですよ!そして割合という意味が分かるようになっています。

 そして、比の意味もつながります。   楽しく勉強を致しましょう。

  それでは、 5の意味は?   2の意味は分かりますか   10の意味はどうですか

大概の小学校では、このような時の説明は、10を求めるのに  5×2=      5を求めるのに  10 ÷ 2 =  とします。

その為に九九問題の反復練習として繰り返し多くの問題をさせて九九の利用を定着させます。   計算力が優先です。

 

  私はこうするのです。(大体5・6年生です)

  基にした数はどれですか。   5ですね。 この5は1あたり量の数で、例えば1本で5円であるとか、1Lで12km走れるとかを表す

 式作りの基にする所です。 割合は2なんですね。割合というものは1あたり量を基準として「増やすか減らすかをする所です」

「1あたり量の1と割合の2は、増えた・減った」を分かるようになlています。

 

  また、分数では 分母は「もとの量の実数」を言い単位をつけて5円です。

            分子は「答え」を書きます。    

           例えば、1冊98円のノートを5冊買いました。代金はいくらですかという場合

           98円/1冊 × 5冊= 490円   1冊と5冊は割合関係で    98円と490円はもとの量と答えの関係で

          比べています。   式作りをした時にしっかりと割合関係ともとの量答えの関係を指導したならばもっと違った理解の向上が見られると思います。単位が正しく書けないでいる児童を多く見受けられるのも指導手順のまずさから来ると思われます。

   

   又、比との関係においても九九は説明のつきやすい、児童にとって重要なポイントです。

   5 × 2 = 10          5が基で10は答え

  前項 : 後項   前項は答えであり 後項はもとの量であるので  こういった場合  10 : 5と書きます。ですから10 : 5は

10÷5と書く事が出来ますし、10/5の分数にもできるのです。 どちらも比べているで「割合」なのです。

  

   とにかく、2つの数があって比べれば、「割合」なのです。

  公式などは一番後回しでいいのです。自分でも作れますから。

  もとの量とか答え(比べる量)とか割合の意味がしっかりと伝わればその指導は大変良いものであり、児童にとっても有難い授業なのです。

 

   小学生時に、もとの量の意味・割合の意味・答え(比べる量)の意味が正しく使えたなら、もっと楽しい青春時代があるはずです。

   小学校教師の手に掛かっています。

  教科担任制の主張は、専門的知識の高い先生に教わるほうが、より効果的ではないかと思うからです。

 

 

 

     


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