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日本学術会議史学委員会ジェンダー史分科会の主催で、「歴史教育の明日を探る」シンポジウムを行った。世界史の未履修問題発覚いらい歴史教育の行き詰まりが自覚され、先ごろ新学習指導要領に「歴史総合」という新科目の創設も謳われて、歴史教育の改革は待ったなしである。
私たちは新たな歴史教育がジェンダー視点が当たり前に盛り込まれたものになることが、歴史教育の再生に必須だと考え、授業・教科書・入試の三位一体改革でどのようにそれを実現するかを考えるシンポジウムを開催した。とりわけ昨今、歴史認識が問題になる際に大きくクローズアップされる「慰安婦」問題を題材として、どのような歴史教育があり得るかを議論し、私も報告した。
歴史教育の改革は、日本社会の焦眉の課題である、ジェンダー史がこれにうまく噛み合うことが歴史教育の再生につながると信じる。
【プログラム】
趣旨説明 井野瀬久美恵(第一部会員・甲南大学文学部教授)
第一部 授業・教科書・入試――歴史教育改革を三位一体で考える
報告1 歴史教科書をどう書き換えるか?―ジェンダーの視点から
三成美保(第一部会員・奈良女子大学教授)
報告2 高校歴史教育のあり方をめぐる議論
久保亨(第一部会員・信州大学教授)
報告3 制度の壁か思考の壁か?――暗記オンリーでない歴史の試験を目ざして
桃木至朗(連携会員・大阪大学教授)
コメント 現場の声をつなぐ 小川幸司(長野県長野高等学校教頭)
第二部 教材実例としての「慰安婦」問題―日本史と世界史をつなぐ現場のために
報告1 長志珠絵(連携会員・神戸大学教授)
報告2 小浜正子(連携会員・日本大学教授)
コメント ドイツとの比較から 姫岡とし子(連携会員・東京大学教授)
総合討論
閉会の辞 久留島典子(第一部会員・東京大学教授)
主 催:日本学術会議史学委員会「歴史学とジェンダーに関する分科会」
共 催:日本学術会議史学委員会「歴史認識・歴史教育等分科会」
後 援:ジェンダー史学会・日本教育学会・日本史研究会