
抜粋
人はどこまで邪悪になれるのか。
児童福祉施設の保育士だった美佐江が、自宅アパートで25歳年下の夫と共に焼死した。
事件の背景に盗み、殺人、逃亡を繰り返す女、
アイ子の姿が見える時、更なる事件が引き起こされる。
私は、女の顔をした悪魔を一人知っているのです。
その女のしたことを考えるだけで、ぞっとします。
彼女の本当の名前が何というのか、今現在、何という名前を名乗っているのかは
知りませんけど、もちろん彼女はまだ生存していて、人を騙し続けています。
そして、へいぜんと人を殺し続けています。
かつて女であった怪物たちへ、そして、これから怪物になる女たちへ捧ぐ、衝撃の問題作。
昨日は10時に寝た。
そして夜中の1時半ぐらいに目が覚めた。
そこからもう一度眠ろうと瞼を閉じるけど睡魔は訪れず
つつつ、と読みかけの一冊に手が伸びた。
それにしても夜中にコレを読むってホラーみたい。
こわいことがいっぱい描かれている。
読後感はグロテスクに似ているようで似ていないといったところ。
あれはとことん落ちてた。
こちらは主人公アイ子がひたすら気持ち悪い。
気の毒な子供だと思うのに、全然感情移入もできないし
あまりにも他人への感情が憎悪と嫉妬にまみれているので
なんだか気持ち悪い。
タイトルから虐待のお話なのかなと思ったけれど・・・
虐待といったら違いはないのかもしれない。
幼い頃のアイ子の境遇はネグレクトというやつだと思うし。
平然と人をころしては遁走するアイ子。
普通ならつかまると思うのだけど、危険を察知するのに長けていて
事件後ぽっつりと姿をくらますのだ。
そんなアイ子とかかわった人間の描かれ方もまた微妙。
どこか後ろ暗い人たちが勢ぞろい。
桐野さんはこういうのかくの上手いよなぁ。
女装癖な老人・祭り上げられる巫女・かつて娼婦だった女たち
かなり個性のつよい登場人物たちだった。
かつて娼婦だった女たち―彼女たちの描写は
狡猾さが透けてみえてきて、むしろ滑稽さを感じた。
落とす気だったならこんな滑稽さはいらなかったように思う。
感情移入も出来ないし、かといって苦笑するような場面もあり
どっちつかずな雰囲気が漂う。
果たして何が一番印象に残ったかというと
あまり残っていない。
ここまでアイ子を落としておいて、いったいなにが言いたかったんだろう?
とわけがわからないまま終わったような気がする。
母の形見のくつに話しかけるアイ子。
自分の母親は誰?
最後に誰かを知ることになるけれど、
彼女に後悔という感情を教えたかったのだろうか。
こんなふうにしか生きていけなくなるって悲惨だ。
桐野さん久しぶりに読む。
この本はけっこう前にでた気がするけど
タイトルがタイトルなので敬遠気味だった。
この頃から桐野さんはなんか変ってきたように思う。
この本があっての、グロテスクだったのかなぁ~。
2011.12.15
人はどこまで邪悪になれるのか。
児童福祉施設の保育士だった美佐江が、自宅アパートで25歳年下の夫と共に焼死した。
事件の背景に盗み、殺人、逃亡を繰り返す女、
アイ子の姿が見える時、更なる事件が引き起こされる。
私は、女の顔をした悪魔を一人知っているのです。
その女のしたことを考えるだけで、ぞっとします。
彼女の本当の名前が何というのか、今現在、何という名前を名乗っているのかは
知りませんけど、もちろん彼女はまだ生存していて、人を騙し続けています。
そして、へいぜんと人を殺し続けています。
かつて女であった怪物たちへ、そして、これから怪物になる女たちへ捧ぐ、衝撃の問題作。
昨日は10時に寝た。
そして夜中の1時半ぐらいに目が覚めた。
そこからもう一度眠ろうと瞼を閉じるけど睡魔は訪れず
つつつ、と読みかけの一冊に手が伸びた。
それにしても夜中にコレを読むってホラーみたい。
こわいことがいっぱい描かれている。
読後感はグロテスクに似ているようで似ていないといったところ。
あれはとことん落ちてた。
こちらは主人公アイ子がひたすら気持ち悪い。
気の毒な子供だと思うのに、全然感情移入もできないし
あまりにも他人への感情が憎悪と嫉妬にまみれているので
なんだか気持ち悪い。
タイトルから虐待のお話なのかなと思ったけれど・・・
虐待といったら違いはないのかもしれない。
幼い頃のアイ子の境遇はネグレクトというやつだと思うし。
平然と人をころしては遁走するアイ子。
普通ならつかまると思うのだけど、危険を察知するのに長けていて
事件後ぽっつりと姿をくらますのだ。
そんなアイ子とかかわった人間の描かれ方もまた微妙。
どこか後ろ暗い人たちが勢ぞろい。
桐野さんはこういうのかくの上手いよなぁ。
女装癖な老人・祭り上げられる巫女・かつて娼婦だった女たち
かなり個性のつよい登場人物たちだった。
かつて娼婦だった女たち―彼女たちの描写は
狡猾さが透けてみえてきて、むしろ滑稽さを感じた。
落とす気だったならこんな滑稽さはいらなかったように思う。
感情移入も出来ないし、かといって苦笑するような場面もあり
どっちつかずな雰囲気が漂う。
果たして何が一番印象に残ったかというと
あまり残っていない。
ここまでアイ子を落としておいて、いったいなにが言いたかったんだろう?
とわけがわからないまま終わったような気がする。
母の形見のくつに話しかけるアイ子。
自分の母親は誰?
最後に誰かを知ることになるけれど、
彼女に後悔という感情を教えたかったのだろうか。
こんなふうにしか生きていけなくなるって悲惨だ。
桐野さん久しぶりに読む。
この本はけっこう前にでた気がするけど
タイトルがタイトルなので敬遠気味だった。
この頃から桐野さんはなんか変ってきたように思う。
この本があっての、グロテスクだったのかなぁ~。
2011.12.15