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社寺参詣や湯治のため庶民は諸国を旅するようになった。
旅人たちは各地の案内をする道中記を手に名所旧跡を訪ね歩く。
『道中旅鏡』の作者・和泉蝋庵はどんな本でも紹介されていない土地を求め、
風光明媚な温泉や古刹の噂を聞いては旅をしていた。
しかし実際にそれらがあった試しはない。
その理由は蝋庵の迷い癖にある。仲間とともに辿りつく場所は、
極楽のごとき温泉地かこの世の地獄か。
江 . . . 本文を読む
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村も母親も捨てて東京でモデルとなった由貴美。
突如帰郷してきた彼女に魅了された広海は、
村長選挙を巡る不正を暴き“村を売る”ため協力する。
だが、由貴美が本当に欲しいものは別にあった―。
辻村深月が描く一生に一度の恋。
あ、これ恋の話だったんだー。
まぁ、たしかに一目惚れってこういう感じで始まるんだなぁ、と読んでて思ったけ . . . 本文を読む
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編集者としてバリバリ仕事をこなす山田陽子。
一人息子の陽介が小学校に入学し、少しは手が離れて楽になるかと思ったら―
とんでもない!PTA、学童保育所父母会、自治会役員…
次々と降りかかる「お勤め」に振り回される毎日が始まった。
小学生の親になるって、こんなに大変だったの!?笑って泣けて、元気が湧いてくる。
ワーキングマザーの奮闘を描く、痛快子育てエンターテインメント。
. . . 本文を読む
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彼女の名前は、上から読んでも下から読んでも、山田真野。
吉祥寺の喫茶店に勤める細身で美人の彼女に会いたくて、
僕はその店に通い詰めていた。
とあるきっかけで仲良くなることに成功したものの、
彼女には何か背景がありそうだ…。
愛の永続性を祈る心情の瑞々しさが胸を打つ表題作など、
せつない五つの恋愛模様を収録。
●交換日記始 . . . 本文を読む
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「人間レベル2」の僕は、教室の中でまるで薄暗い電球のような存在だった。
野良猫のような目つきの美少女・百瀬陽が、僕の彼女になるまでは―。
しかしその裏には、僕にとって残酷すぎる仕掛けがあった。
「こんなに苦しい気持ちは、最初から知らなければよかった…!」
恋愛の持つ切なさすべてが込められた、みずみずしい恋愛小説集。
. . . 本文を読む
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それは初めて、少年が一人でコンサートへ行ったときからだった。
帰り道に駅で事故を目撃してから、世界はどこか自分と違っていた。
この不思議な世界、少年は何処へ向かう……。
ちょっと読むのに苦労した。
とっかかりが面白そうだな、と思って手にとったのだけど。
終始シリアスに話が進むので、全然楽しい気持ちになれない。
そりゃあそうだ . . . 本文を読む
二十一歳の夏は一度しかこない。
百道病院の精神病院に、躁状態で入院したあたしは脱走を決意した。
あだ名がなごやん(患者)という24歳の、茶髪のサラリーマンを連れて。
誰も知らないところに行かなくちゃいけない。
今すぐ。今すぐ。
あたしは見えないものに追い立てられていた。
「なごやん、車持っとらんと?」
「あるけど・・・・・・」
「一緒に逃げよう。もう . . . 本文を読む
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「ダレカ」と名乗る黒猫が登場して、六年生の悟を森の中に誘い込みます。
そこには、毎日の生活の中で知っている同級生がいるのに、
同級生のほうは悟を知りません。
その中の一人のかおりと、悟は、竜の館へいくことになります。
竜は、知恵と力の戦いを挑み、それに敗れればもう元の自分に戻れません。
長い旅を続け、不思議な老人に剣をもらい、自分こそ、
と思い、館に着いてみると待ち構えていたも . . . 本文を読む
先輩とのトラブルが明るみにでて、部活動停止をくらう巧。
自分がやりたいのは野球だ。
ただ、それだけ―。
野球はやらせてもらうもんじゃない。
どうして部活動停止とか、なんだかんだいわれなきゃならないんだ。
どうして、野球ができないんだ。
俺はただ、豪のミットめがけて球を投げ込む。
そうしたいだけなのに。
チームのために投げるんじ . . . 本文を読む
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ある夜、怪物が少年とその母親の住む家に現れた。
怪物はその少年に言う。
「わたしが三つの物語を語り終えたら、 四つめの物語をわたしに話すのだ」と。
そして怪物は付け加えた、その物語は少年が心に秘めた真実の物語であり、
その物語を語り聞かせるために少年が怪物を呼んだのだ、と。
少年が語るべき真実とはなにか?
少年がそれを語り終えるとき、この物語も同時に結末を迎える。
その . . . 本文を読む
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老舗旅館の長男、中学校二年生の逸夫は、自分が“普通”で退屈なことを嘆いていた。
同級生の敦子は両親が離婚、級友からいじめを受け、誰より“普通”を欲していた。
文化祭をきっかけに、二人は言葉を交わすようになる。
「タイムカプセルの手紙、いっしょに取り替えない??敦子の頼みが、
逸夫の世界を急に色付け始める。だが、少女には秘めた決意があった。
逸夫の家族が抱える、湖に沈んだ秘密とは . . . 本文を読む
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大学生のましろ(女性)は12歳のとき、何者かに拉致、監禁された経験がある。
無事に解放されたが、犯人は不明で、事件は未解決。
今、そのときの記憶はなく、ひどいPTSD(心的外傷後ストレス精神障害)
にかかってしまった。
そのためか、ましろには特異な能力があり、
周囲の「殺気」を感じ取る能力が身についている。
ある日、バイト先の店に強盗が入るという事件が起こるが、
ましろの特 . . . 本文を読む
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守れるはずもないことを、いくつ約束したのだろう。
逃げ出した故郷、家族に押しつけた身勝手な夢 。
いつだってその残酷さに、気付かぬわけでは決してなかった―。
月光の差し込む観覧車の中で、
愛する人々と束の間の再会を遂げる男を描いた表題作ほか、
繰り返せない時間の哀歓を描く著者最高の傑作短篇集。
これ実は一回借りている。ええ、図 . . . 本文を読む
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『葉桜』を超える衝撃! 鬼才の渾身作、ついに降臨
スーパーの保安責任者の男と、店で万引きを働いたDVの被害に遭っている女。
偶然出会った2人は、驚くべき因縁で結ばれていた!?
読後感はあまりよくは、ない。
歌野さんぽいなぁとも思うし、美談というか
そういうしめっぽいラストに持っていく時もあるんだ~といった感じ。
一癖ある、それ . . . 本文を読む
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成南電気工科大学機械制御研究部略称「機研」。
彼らの巻き起こす、およそ人間の所行とは思えない数々の事件から、
周りからは畏怖と慄きをもって、キケン=危険、と呼び恐れられていた。
既にサークルの域は出た。
活動内容もそうだが、集う人間の危険度が、だ。
ヤバイ奴らが巻き起こす熱血青春ドタバタ劇。理系男子って皆こんなに危ないの?
これは、その伝説的黄金時代を描いた物語である。 . . . 本文を読む