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何か自営業を始めようと決めたとき、
最初に思い浮かべたのはお好み焼き屋だった。
しかしお好み焼き屋は支障があって叶わなかった。
そこで調査事務所を開いた。
この事務所“紺屋S&R”が想定している業務内容は、ただ一種類。
犬だ。犬捜しをするのだ。
それなのに、開業した途端舞い込んだ依頼は、
失踪人捜しと古文書の解読。
しかも調査の過程で、このふたつはなぜか微妙にクロスして― . . . 本文を読む
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一九九一年四月。
雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、
謎に満ちた日々への扉を開けた。
遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。
彼女と過ごす、謎に満ちた日常。
そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。
覗き込んでくる目、カールがかった黒髪、白い首筋、
『哲学的意味がありますか?』、そして紫陽花。
謎を解く鍵は記憶のなかに――。
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バイト雑誌を立ち読みしていたビンボー大学生・結城は、
ひとりの少女から声をかけられて……。
この夏、鮮烈なミステリーがはじまる
時給1120百円のアルバイト。
ある者は冗談のつもりで、あるものはその記述が正しいかどうか、
またある者は波乱を期待して応募した。
集まったのは12名。
仕事内容は、ある特殊な条件下で七日間過ごすこと。 . . . 本文を読む
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恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、
強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった。―はずだった。
ところが、気づけば見慣れた金沢の街中にいる。
不可解な想いを胸に自宅へ戻ると、
存在しないはずの「姉」に出迎えられた。
どうやらここは、「僕の産まれなかった世界」らしい。
懐かしくなんかない。爽やかでもない。
若さとは、かくも冷徹に痛ましい。
ただ美しく清々しい青春など . . . 本文を読む
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神山高校で噂される怪談話。
放課後の教室に流れる奇妙な校内放送。
摩耶花が作ったチョコの消失事件−。
「省エネ少年」折木奉太郎たち古典部のメンバーが遭遇する数々の謎。
入部直後から春休みまでの1年間を描いた短編集。
このシリーズ、図書館にあったのがシリーズ三巻からしかなく、
シリーズとしらず手に取るなどいつものわたしらしくないけれ . . . 本文を読む
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ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。
中でも、「最後の一撃」と呼ばれる、
ラストで鮮やかに真相を引っ繰り返す技は、
短編の華であり至芸でもある。
本書は、更にその上をいく、
「ラスト一行の衝撃」に徹底的にこだわった連作集。
古今東西、短編集は数あれど、
収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリは本書だけ。
どうぞ、最初から順番に一ページずつ読んでください。
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小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが
互恵関係にある高校1年生。
きょうも2人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。
それなのに、2人の前には頻繁に謎が現れる。
名探偵面などして目立ちたくないのに、
なぜか謎を解く必要に駆られてしまう小鳩君は、
果たしてあの小市民の星をつかみとることができるのか?
新鋭が放つライトな探偵物語、文庫書き下ろし。
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小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得せんと希求し、
それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。
賢しらに名探偵を気取るなどもってのほか。
諦念と儀礼的無関心を心の中で育んで、
そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を!
そんな高校2年生・小鳩君の、この夏の運命を左右するのは
〈小佐内スイーツセレクション・夏〉!?
待望のシリーズ第2弾。
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あの日の放課後、手紙で呼び出されて以降、
ぼくの幸せな高校生活は始まった。
学校中を二人で巡った文化祭。
夜風がちょっと寒かったクリスマス。
お正月には揃って初詣。
ぼくに「小さな誤解でやきもち焼いて口げんか」みたいな日が来るとは、
実際、まるで思っていなかったのだ。
――それなのに、小鳩君は機会があれば
彼女そっちのけで謎解きを繰り広げてしまい……シリーズ第3弾。
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古書店アルバイトの大学生・菅生芳光は、
報酬に惹かれてある依頼を請け負う。
依頼人・北里可南子は、亡くなった父が生前に書いた、
結末の伏せられた五つの小説を探していた。
調査を続けるうち芳光は、未解決のままに終わった事件
“アントワープの銃声”の存在を知る。
二十二年前のその夜何があったのか?
幾重にも隠された真相は?
米澤穂信が初めて「青春去りし後の人間」を描く最新長 . . . 本文を読む