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ねこやま

徒然備忘録

ステーションの奥の奥 / 山口雅也

2011-01-16 21:06:14 | や・ら・わ行作家
抜粋

小学六年生の陽太は吸血鬼に憧れていること以外はごく普通の小学生。
そんな陽太には一風変わった叔父がいる。名前は夜之介。
陽太の家の屋根裏部屋に居候している物書きだ。
そんな叔父と甥が、ある日テレビで
「東京駅」が大改築されることを知り、
夏休みの自由研究のテーマに選ぶことになる。
取材のためさっそく「東京駅」に向かったふたりだったが、
迷宮のような駅構内の霊安室で無残な死体を発見してしまう!
さらに、その日の夜中、宿泊していた
東京ステーション・ホテルの夜之介叔父の部屋で密室殺人事件が発生!
しかも叔父の姿は消失していた。
連続殺人事件なのだろうか?夜之介叔父はいったい?
陽太は名探偵志望の級友留美花と、事件の謎を解くべく奔走する…。






























おもしろかった!!
図書館でリクエストして買ってもらった。
今回も私が一番乗りで読むことができた。
新刊を買った場合出版社からのアンケートハガキが
入っていたりするんだけど、図書館の人がそれを
そのまんまにしてわたしに貸し出したようなので、
親切にわたしはアンケートハガキを出して差し上げた。

山口氏の名前はよく見かけるが、まだ未開拓の作家さんだった。
新鮮な気持ちで読むことが出来た。
ミステリーランドで出会って、他の本も手にとりたいと思ったのは
この人で・・・・4人目、かな?
つまりそれだけおもしろかったってこと。

主人公陽太の吸血鬼になりたい発言は、
はっきりいって受け付けない概念だけど。
だって、いつまでも年いかなくてずっと生きてるのも大変だと思うし。
この発言は物語後半でちょっと吸血鬼も考え物だな、
と陽太君は思ったわけだが・・・・。

取り壊し前の東京駅を自由研究の課題に選んだ陽太君は、
殺人事件の第一発見者となる。発見者となったからといって、
自由研究を途中でやめることもなく、
その夜、駅近くのステーションホテルに泊まったのだったが、
そこでまた第二の事件が発生!となりの叔父の部屋から奇声が!
叔父のいたホテルの一室には死体、肝心の叔父は行方知れず・・・
(しかも密室殺人のシチュエーション)
大好きな叔父はなんと最有力容疑者に。
友人の小ホームズと二人で事件の真相に迫る。

なんか、感想書いてたつもりがあらすじになっちゃったけど、
あれこれかいてるとネタバレになると悪いのでここまで。


以下ネタバレ↓

叔父の部屋の密室トリックは、絶対に解ける筈がない。
反則じゃねーか~。
といいたくもなるけども、
もしかしたら陽太君が書いた日記が伏線だったのか?!

あと、叔父との決別のシーン。
あまりにもアッサリしすぎてる。
もうちょっと後ろ髪引かれる感じでもよろしいかと。
ただの好みだけどね。


以上ネタバレ↑


今回のキーワードは吸血鬼!
吸血鬼に関する著書が本の中に登場していたけど、
誰かさんのレビューと同じく、
吸血鬼の生態やその他の考察?には目からウロコ。
そんな風に考えたことなかったなぁ。
そういう意味でもおもしろく読めた。

それから。
挿絵がすごくステキ!!!
どうやってこんな風にかくんだろ。
昔、画用紙にクレヨンのいろんな色をぬったくって、
その上に黒のクレヨンを重ねて、釘で絵を描いたみたいな。
そんな風な絵っていったらいいか。
夜之介叔父の部屋とかすごくいい感じに描けている。
あと、東京駅のレンガ造りの障害者用の通路・・・
絵が本とすごくマッチしていたように思う。

最後に。
著者があとがきで書いていたこと。
自分が子供だった頃、特におもしろいことやあんまり
やって喜ばれないことの情報源は、近すぎず遠すぎずな関係。
叔父、叔母、などがこういう情報をくれた、と書いてあった。
親は子供に教育上よろしくなさそうな情報はまず与えないし、
なにかしでかせばすぐ怒られるわけで。
けれど、叔父・叔母という立場からだと、
かわいい姪っ子甥っ子を、甘えさせることもできるし、
親にとってはあまりうれしくない情報を教えることも出来ると。
今回、この役を夜之介叔父にふったわけだが。
わたしの子供の頃のことを思い出すと・・・
叔母がよくわたしを甘やかしていたというか、
かまってくれたように思う。
ピアノを習い始めると、うちへ来るたびに
その成果を見せてとせがまれた。
服を買ってくれたり、何か作ってくれたり、
わたしの大好きな甘いものを持ってきてくれたり。

思い出すのは叔母のことだけど。
なんぞおもしろそうな情報を提供してくれた人といったら・・・
わたしの父も母も末っ子で、母は11人兄弟なので、
親戚同士が集まると、叔父・叔母はけっこうなお年をめしていて、
わたしの遊び相手になってくれるのは大抵いとこたちだった。

当時もう他界していた祖父の墓参りへ、いとこと一緒に行った時。
墓参りにきたくせに水を持ってきておらず、たまたま
手に持っていた2Lのペットボトルに入ったジュースを
墓石にかけてやったことを思い出した。

「あ、水持ってくんの忘れたなー」

「どうしよう」

「んー、じゃ、これ(ジュース)かけるか」

「え?いいの?」

「じぃちゃん、ジュース好きだったからなー」

という無駄な知識を得たわたしだったが、
帰ってから親に言うと、あきれていた。
でも、たしかにじぃちゃんは酒は飲まない人で、
甘いものがすきだったらしいから道理は通ってるような・・・


無理が通れば道理はひっこむ!


なんて言葉を思い出したな。。。



他には何があったろー。
思い出せん。
なんかあるんだろうけど。





もうサムイから寝よう。


2007.12.09


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